適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

フラグタイム ★★★★★★★★☆☆

日曜の朝一で映画館へ。プリキュア、すみっコぐらし、テニプリ、そしてこの作品が同時刻上映で、映画館が子供連れとオタクのハイブリッドで混沌としていました。


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公式サイトからあらすじを引用。なんというか、企画モノのアダルトビデオみたいですよね。まあ時間停止モノは9割やらせって言うからなー。自分は詳しく知らないですけど!
そんなわけで、美人の同級生のスカートの中を覗こうとする主人公、という、なんともキャッチーな始まり方ではあったんですが、そこから中盤までは何が起こるでもなく。
女の子同士のデートとか、学校で秘密の時間とか、言ってみればまあ「百合アニメ」だな、みたいな展開が続く。尺の7割くらいまで「これ、どうオチるの…?」って思ってました。


そしてその空気感が、終盤、村上さんの家に招かれた時のあの「単語帳」のシーンで一変する。割とサイコホラーでしたね。あーこういうのがやりたいのか、と。
女の子同士の友情以上の関係を描いているようで、その実アイデンティティ形成の苦悩に踏み込む、というのは、面白い題材ではあるんですが、意外にここ数年で陳腐化した感もあり。
アニメだと、『リズと青い鳥』『やがて君になる』みたいな、ある程度の尺を持って描いた作品があるので、60分のOVAでは感情の掘り下げでどうしても劣るかなと。仕方ないですが。


最後の2人が結ばれたようでいて、実は脆い関係であることを暗示させているのが、暗転してから流れる『fragile』の歌詞と完璧にマッチしていて感心してしまいました。
この物語自体が『fragile』の歌詞を元ネタにしたのでは?と思ってしまうくらいのシンクロ率。もともとこの曲が好きなのもありますけど、このカバーは良かった。



『フラグタイム』主題歌『fragile』/カップリング曲『AM11:00』試聴動画【歌:森谷美鈴(CV:伊藤美来)&村上遥(CV:宮本侑芽)】


というわけで、昨今流行り?の「百合に見えて実はナイーヴなテーマ」みたいな作品が好きな人にはオススメできるかな。主演2人のファンの方も是非。
尺の都合上、どうしても場面が飛び飛びになって感情面で置いてけぼりになることがあるので、そのへんを割り切れるなら、という留保はつきますが、佳作だと思います。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ ★★★★★★★★☆☆

てのりぬいぐるみ ざっそう

てのりぬいぐるみ ざっそう


SNSやレビューサイトで異常な高評価だと話題になっているのを目にして、「え、子供向けアニメでしょ…?」と思いながら一応確かめに行くことに。
朝1の回でしたが、最後列はそれなりに大人も多かったです。自分みたいにミーハーな目的で来た人がそれなりにいそう。
来場特典のすみっコが描かれたカードみたいなの普通にもらえたけど、アラサー男性に渡してて子供に渡す分足りなくなったりしないのかな(


すみっコたちのセリフは全て文字が画面上に表示されるだけ。実際に喋ることはなく、ナレーションのみで進行する、というシュールな作品でした。

桃太郎の世界、マッチ売りの少女の世界、人魚姫の世界、あかずきんの世界、アラビアンナイトの世界…と、すみっコたちが様々な絵本の世界を冒険しながら、ひよこの帰る場所を探していく。
子供にも馴染み深い絵本が題材なので、子供たちも分かりやすく楽しめたのではないでしょうか。場面の転換も多くて飽きないし。丁寧な作りだったと思います。
更に、作品の設定にすみっコたちの設定が活かされている。とんかつとえびふらいのしっぽの「誰かに食べてもらいたい」という願いが、あかずきんの物語に溶け込んでいたのは上手い。
ひよこが「みにくいアヒルの子」の白鳥なのでは?という中盤の「転」と、そこをオチにしないで一ひねり加える展開もよかった。お別れのシーンはなかなか感動的でしたし。


子供が飽きないくらいのちょうどよい尺で、すみっコたちの特性を活かしながら、感動的な出会いと別れを描いた佳作で、割と満足度が高かったです。
…ただ、「令和最高の作品」みたいな持ち上げ方はちょっと違うかなー、とも。奇を衒った作品というより、とても丁寧な良作、という印象だったんですよね。
語弊を恐れずに言えば、普段子供向けのアニメを観ない層が期待せずに観てみたら、存外良かった、ということだったんじゃないかなあ、と。
先日観たプリキュアの例を挙げるまでもなく、メッセージ性の強い子供向け作品は昨今別に珍しくもないわけで。
ひよこのアイデンティティの確立が~みたいな、変に意味づけをしようとするのも個人的にはズレてるかなと。もっとシンプルな作品であるように思います。


…というわけで、ミーハーな動機で観てみたら割といい作品でしたよ、ということで。一番可愛かったのはざっそうですね。ちいさいぬいぐるみ、買おうかなあ…。

映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて ★★★★★★★★★☆


映画『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』予告編


タイムラインでの評判が結構良かったので、観に行こうかな?と思いつつ、「でも結局、毎週「キラやば~」とかツイートしてるアラサーオタクたちの感想だしな…」とも思って悩む。
最終的に「例年以上に大人も楽しめる作品」という感想を見て、行くことに決めました。プリキュアを映画館で観るのは10年ぶりくらい。子連れの母親に不審な目を向けられたトラウマが…(

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公式サイトからあらすじを引用。


「女児向けの作品を間借りして観せてもらっているのだという気持ちを忘れないように、最後列で観た」というフォロワーにならい、自分も最後列に…座ったのに両隣が女児。現実は非情である。
プリキュアシリーズはここ最近は起きてたら観る、くらいの距離感で、今作もそう。配信との相性が悪い。一番好きなのは『Go!プリンセスプリキュア』かな。ちょっと話はカタいけど。


そんな感じで、メイン5人くらいしか把握してないけど大丈夫かな…という思いはあったのですが、結論から言えば杞憂でした。むしろ前提知識はほぼいらなかったのでは。初心者に優しい。
終盤の展開には思わず涙が流れてきて、上映が終わったときには目も鼻もグズグズになっていました。最近アニメ映画で泣いたのは『アイカツ』『若おかみ』くらい…ってどっちも子供向けやん。


観ていて最初に驚いたのが、ユニが星空警察から逃走して姿を消した後、いきなりえれなとまどかまで修学旅行で離脱したところ。「え、3人もいなくなるの!?」と。
宇宙から来た謎の生命体・ユーマと、ひかる・ララとの交流が描かれるのが前半。ユーマを狙う宇宙ハンターとの戦闘が描かれるのが中盤。そして終盤。大きく分けて3部かな?


まず面白いと思ったのが、ユーマに対するひかるとララとの接し方の違いですね。トゲトゲの姿に変化したり、いきなり沖縄にワープしたりと、突拍子もない行動に出るユーマ。
それに対し、ひかるは決して拒絶せず、持ち前の好奇心ですぐに打ち解けてしまう。対して、警戒心が強く、ユーマに振り回されることに苛立ちを覚えるララ。
母星では大人でもあり、真面目な性格なのに、一方では頑固だし直情的。そんなララが、「皆がひかるみたいに友好的な人ばかりとは限らない」とユーマに訴える。
決して身勝手なユーマに嫌気が指したからではなく、自らも宇宙人として、様々な経験をしてきたであろうからこその心からの一言が、ユーマとの信頼関係を築くんですよね。
第一印象はマイナスだったからこそ、強く結ばれる絆。ユーマが2人と寝ている時、自然にララのところに転がってくるシーンは観ていて良いな、と思いました。


2人とユーマがナスカやギアナ高地、ウユニ塩湖など、地球の様々な名所を巡るシーンもとても美しく、今作の印象的なシーンの1つであると思います。
ウユニ塩湖といえばアニメのOPでやたらよく出てくることでもお馴染みですが、今作においては、ここで巡った世界が、ユーマを構成する原風景になっていく、という
とても大きな意味づけがあり、それが終盤に効いてくる。ロードムービー要素を最後に回収してくる脚本が本当に上手いなあ、と観ていて思わされました。
この序盤をしっかり描いていたからこそ、ララがユーマを助けに行くシーンの説得力が増していたと思うので、メインキャラを絞ったスタッフは英断だったのではなかろうか。


そして中盤、ユーマを狙って宇宙ハンターが攻めてくるシーン。観る前に公式サイトで見た時は「「バーン」「ジャイロ」「ハイドロ」「ダイブ」「チョップ」って…ポケモンの技かな?
とか思いましたが、立ち位置的には結構かませでしたね( 改心することもなく、ただ倒される存在。バトルそのものはそこまで印象に残らなかったけど、本筋はそこじゃないか(
一度ピンチになって、ミラクルライトを振って*1パワーアップするのは、色々なフォームが観られて良かったですね。戦闘シーンはやっぱり劇場映えするよな、と。


宇宙ハンターを倒して喜んだのも束の間、ユーマも星空警察が保護しなければいけないと伝えられ、「一緒に暮らしたい」と一人拒絶するララ。
そして、その一瞬の隙を突いてユーマを強奪し、その悪意で一瞬にしてユーマを暗黒の惑星に変えてしまうバーン。自責の念に駆られるララ。

この辺は自分も女児と一緒に「ララは悪くないルン!」とか思いながら*2観てたんですけど、ここでララを諭すように「ユーマの気持ち」を伝え、気づかせるひかるが最高にエモかった(語彙)。
メインキャラを2人に絞ったのはここでも活きていて、残り3人はひかるとララがユーマの元へ行くための道を作る露払いに徹する。
言葉が通じないユーマを、「うた」の力で救い出す…。今思うと、言葉が通じないという設定も、「うた」の説得力を増したり、序盤のララとの衝突の原因になったり、随所に活きていましたね。
ここからのシーンはもう「美しかった」としか…。「そこで渡すのミラクルライトなんかい!」ってちょっと笑って我に返りましたけど。2人の夢が、ユーマの目標となっていく。


最後、ひかるが「いつか、ユーマに会いに行こう」というシーンも涙なしには観られなかった。ひかるだって、その「いつか」が実現しないかもしれないことは当然分かっているはず。
でも、あくまでも明るく、ひかるは宣言する。これはおそらく、TV版のラストで描かれるであろう、ララとの別れのシーンでも同じように送り出すんじゃないかな。想像するだけでもう…。
このシーンでの「キラやば」のイントネーションの違いもとても良かったですね。あの一言に、様々な想いが詰まっていた。成瀬瑛美さんの演技に拍手を贈りたい。


姿形が自分と違う存在でも受け入れ、理解し合うことの大切さを説きながら、一方で無垢な存在が善になるか悪になるかは周りの人間次第なんだよ、ということもわかりやすく伝える。
子供とその親が観に来るであろうアニメ映画で訴えかけるメッセージとして、これ以上のものがあろうか。いや、そもそも訴えかけられる対象じゃないやろお前、って話は置いといて。


1つ、感動的なストーリーではあったのですが、「ララ(とひかる)の映画になってない?」という疑問はなかったわけでもなく。他3人の活躍を楽しみに来た子がどう思ったのかな、とも。
大人に刺さる名作、という側面との裏表なのですが、分かりやすく子供に受ける作品ではなかったような気もするので、難しいところですね。レギュレーションスレスレだった感はあり。
例えば、『プリティーリズム・レインボーライブ』は、4クールに濃密な人間関係が詰め込まれた稀代の名作ですが、子供が観続けるにはやや厳しい展開である気もして。
まあ、単純に面白いだけではなくとも、何か心に一つ刺さるものがあったなら、それで良いのかもしれませんけどね。…何書いてるんだかわからなくなってきたからこの辺でやめとこう(


…というわけで、相互理解、善悪論、冒険譚、ジュブナイルSF…。様々な要素がわずか70分に詰め込まれた、2019年のアニメ映画の中でもトップクラスの「キラやば」な作品。
普段『プリキュア』シリーズを観てない人にも勧められる名作だと思いました。皆さんも、心のミラクルライトを振りながら、プリキュアたちと星を創りに行きませんか?

*1:自分は貰えなかったけど

*2:勝手に代弁するなとか言わないで

ラディアン ★★★★★★★★☆☆

アニメを観ていると年に何度か、期せずして、思わずハッとさせられるようなシーン、演技に出会うことがある。そして、自分はそういう瞬間がとても好き。


…なぜこんなことを書き始めたかというと、今日配信された『ラディアン』第2シーズン5話のAパートがとても印象的だったから。
1期であれだけ屈託のないヒロインとしてメリを印象づけておいて、今回のあのシーン。演出もさることながら、悠木碧という声優の力を改めて見せつけられてしまった。


…で、そういえばこのアニメ観たのに感想書いてなかったな、と思ったのでついでに書こう、と。実はこの前の台風で予定が潰れた連休、リステの後に第1シーズンを観ていたんですよね。
ハイファンタジーが苦手なので、信頼の岸・上江洲コンビだったのに放送当時はどうにもモチベが続かず、3話くらいでフェードアウトしてしまっていました。
アニメオタクとしては、フランスのバンド・デシネを日本でアニメ化、というのも結構興味深い要素ではあったし、2期が始まるいい機会だから観よう、と。本当は裏の理由もあるけど察して。


「ネメシス」という怪物が跋扈する世界。ネメシスを退治できるのは魔法使いだけ。しかし、魔法使いもまた、ネメシス同様に一般の人々から恐れられ、忌み嫌われている…という設定。
主人公である魔法使いの少年・セトが、ネメシスの巣があるとされる伝承の地「ラディアン」を求めて冒険する、というのが大まかなストーリー。


正直に言って、前半の10話まで、つまりアルテミス編までは結構退屈でした。仲間と出会い、魔法の修行をしながら、小さな事件を解決していく。
Eテレで放送されているのを考えたらまあ、こんなもんかな…とは思いつつも、大人が一気に観て楽しむものではないのではないか?と。その評価は後半、ランブル・タウン編で改めましたが。


移民の町であるランブル・タウンでは、魔法使いへの差別意識の他に移民に対する差別意識もあり、為政者側がそれを利用して住民をコントロールしている、というお話。
所謂「魔女狩り」みたいなことが行われる様子を観ていて、こういうテーマは日本人より欧州の人からの方が出てきやすいのかも?と。
街を破壊しようとする敵は、かつて街で虐げられていた魔法使いで、主人公に「本当に街を守るのが正義なのか?」と問いかける。優等生的ではあるけど良いテーマだと思いました。


…ただ、やっぱり全体的に見るとちょっとスロースタートかなあ、という印象は拭えず。全体として見れば面白いとはいえ、今から観ようかと思っている人がいたとして
「まずは11話まで見てくれ!」とはなかなか言い辛い。でも観なかったら今週のあのシーンに出会えなかったわけだからな…。難しいですね。
まあ、自分みたいにファンタジーが得意じゃない、とかがなければ普通に楽しめるかもしれないし、作画レベルもそこそこ高いんですが。これからも毎週楽しく観続けていくつもりです。

Re:ゼロから始める異世界生活 ★★★★★★★★☆☆


放送当時にも毎週見ていたのですが、中盤のあまりの展開のしんどさに辟易して脱落し、そのままになっていました。
劇場版も公開されるみたいだし、観に行くかはともかく一応観ておくか、ということで続きから。三章から観始めたのかな?


まず思うのは、この作品、演出の力がすごいですね。主題歌を幾度となくカットして毎話の入りや引きで魅せたり、凄惨なシーンはとにかく凄惨に描いたり。
「死に戻り」という、ある意味では最強カードを持っていながら、それでもエミリアやレムを助けられずに何度も試行錯誤する。
ここ数年の異世界転生ものだと、ここまで主人公が苦悩する作品ってなかなかないので、今となっては逆に新鮮でした。
18話「ゼロから」とか特にそうですけど、ある程度は負荷のかかる作品でないと、カタルシスもまた得られないんですよね。


また、主人公があまり好感の持てるキャラクターとして設定されていない分、2大ヒロインのエミリアとレムが、有り体に言えばかなり都合の良い、というか
献身的なキャラクターとして描かれているのもバランスが良いな、と思いました。流石にちょっと物分かり良すぎるやろ、とか思わないでもなかったですが
主人公の側を下げることで、相対的にヒロインの魅力を押し上げている。特に何度も死に戻りする中、いつも主人公を支え励ましてくれるレム。人気なのも分かる。


原作が続いているので仕方ないんでしょうけど、ストーリー全体のバランスについては少し気になりました。白鯨との戦い以降、最終話までレムは全く出てこないですし
逆に、三章の序盤でエミリアと別れてから、エミリアも全然出てこない。そして主人公が絶望から立ち直るまでの尺がやたら長い…。
思えば当時の自分が「しんどいなあ」と思ってフェードアウトしてしまったのもこの辺だったか。18話まで辿り着けばそこからは一気に進むんですが、中弛みともちょっと違うこの感じ。


全体を見てみると、割と説明されてない謎とか腑に落ちない設定もありますが、演出の勢いと声優の名演でカバーされている佳作かな、と。映画は…どうしようかな…。

空の青さを知る人よ ★★★★★★★★★☆

空の青さを知る人よ

空の青さを知る人よ


雨ニモマケズ、台風ニモマケズ、海峡を越えて観に行ってきました。途中で電車が遅れるわ止まるわでどうなることかと思いましたが、なんとかたどり着けてよかった。

山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。
そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。二人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。
それ以来、あおいの親代わりになり、二人きりで暮らしてきたのだ。
あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。


そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして金室慎之介の名があがる。
あかねのかつての恋人であり、高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が町に帰ってくる…。
時を同じくして、あおいの前に、突然“彼”が現れた。“彼”は、しんの。まだあかねと別れる前の、高校時代の姿のままで、13年前の過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。
思わぬ再会をきっかけに、次第に、しんのに恋心を抱いていくあおい。一方、13年ぶりに再会を果たすあかねと慎之介。
せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。


あらすじを書くのが面倒なので公式サイトからそのまま引用。まあこんな話です(雑)。…で、予告を何度か劇場で観て、気になったシーンがありました。



映画『空の青さを知る人よ』予告】

あおい「私たちは、巨大な牢獄に収容されてんの」
あかね「出たーwあおいの厨二リリック」


そのシーンというのが、予告の冒頭にあったこの会話。理由はよく分かりませんが、何故か頭に残っていました。
そして、実際に映画を観ている途中で、ふと思い当たったんですよね。これ、マリーの自伝にも似たようなフレーズがあったのではないか?ということに。



この自伝、ページ数が少なくてすぐ読める上に、マリーのルーツについて興味深いことが書いてあってファンにはお勧め…ってとっくに読んでるか。…で、読み返すとこんな表現がありました。

秩父は周囲を険しい山に囲まれ、農作物などを育てるには過酷な環境だ。(中略)
やたらと濃い青をした盆地の山々は、いつかの私が感じたように逃げられない檻のように見えたのではないか。


―第六章「緑の檻、秩父」より―

…まあ、わざわざ文章を引いてくる必要もないくらい自明ではありますが、改めて、この作品には岡田麿里さんのアイデンティティが色濃く出ているなあ、と思った次第です。
パンフレットで長井監督も「(『あの花』『ここさけ』を含む)秩父3作品には「鬱屈とした高校時代の思い出と、そこから抜け出したいという思いが反映されている」と答えていました。
その上で、あおいが秩父を抜け出してハッピーエンド、という話にはしたくない、とも。ここが観ていて良いなあ、と思った点ですね。つまり、あおいは秩父という町に閉塞感を感じている。
実際、近所付き合いとか、役所仕事とか、昔から続く狭い交友関係とか…。リアルな田舎の「めんどくさい部分」が前半でよく描かれており、共感できるように作られているんですよね。


その上で、対比的に、秩父の良さを象徴するキャラクターとして、姉のあかねを置いている。それだけでなく、かつてあおいが憧れていた慎之介という、秩父の外からやって来た存在も描く。
まさに「何処かにあるユートピアを求めて上京しようとするあおいに現実を見せつける。挿入歌として『ガンダーラ』が使われているのも、とても示唆的で良いと思いました。


終盤、姉が影で試行錯誤していたことを知り、しんのとあおいが空を飛ぶ夏頃公開されていた何とかの子を彷彿とさせるようなシーンで、あおいは秩父の美しさに気付く。
それこそ、「牢獄」だと思っていた秩父の空が「クッソ青い」ことに。土砂崩れからの展開はかなり力技だなあ、とは思いましたけど、個人的にはとても好みな話の締めかたでした。
ライブ本番の描写はともかく、あかねにはもう少し尺割いてくれても、とは思いましたが、あおいの視点で進むからこそ、最後の秩父への印象の転換が映えると思うし、これがベターなのかな。


…と、姉妹を対比させて田舎の陰陽を描いているのも面白かったんですが、「慎之介」と「しんの」の対比もまた面白かったです。昨今のアニメにおいて、こういう所謂青春ものでは
アラサーのキャラクターがメインで描かれることってほとんどないですよね。出てきても、主人公たちを見守る担任とか、お兄さん、お姉さんみたいなポジションではないでしょうか。
でも、今作においては、慎之介とあかねはかなり重要な立ち位置にいる。しんのが慎之介に対して言った「将来、お前になってもいいかもしんねえ、って思わせてくれよ」というセリフ。
とらドラ!』とか『花咲くいろは』とか『あの花』辺りでマリーを好きになった視聴者、自分を含めてそろそろ30代前後なんじゃないでしょうか。…やっぱり、刺さりますよね。
果たして、13年前の自分が、今の自分を見て「お前になってもいいかもしんねえ」と言ってくれるのだろうか。自分はまあ…渋々言ってくれるんじゃないかな…(弱


そんなわけで、故郷への複雑な思いを描きつつ、青い自分と今の自分の対比を通じて、観客にも内省を促す。更には「痛みを伴う青春」もしっかり描いている。
展開が強引なところもありますが、それを含めて、秩父3部作の、マリーの魅力なのかな、と。『ここさけ』のように激しく胸を打たれるのとはまた違う、じわじわ感動する作品。
キャストも新人声優や俳優で固められていたのに、みんな上手い。特に吉沢亮の演じ分けが上手すぎる。吉岡里帆ってこんな懐の深い声出せるのか…とか。満足度の高い映画でした。

Re:ステージ! ドリームデイズ♪ ★★★★★★★★☆☆


なんか評判良さそうだったので、台風で家から出られなかった土曜日に一気に見ました。停電リスクありって言われてたけど、特に何もなくて良かった。


様々な事情でアイドルへの道を諦めていた中学生の女の子6人が、アイドルグループ「KiRaRe(キラリ)」を結成し、全国大会「プリズムステージ」を目指す、というもの。
…正直、あらすじや導入は既視感が拭えず、最初は別に見なくても良いかな…という感じだったのですが、1人ずつのバックボーンに触れた上で部員を増やしていき、大会を目指す。
丁寧な作りだったので、最後まで楽しめました。シリアスとコミカルの配分が良かったのも大きい。特に第5話「梅こぶ茶飲み隊」の異常なキマりかたが半端ではなく、めっちゃ笑ってしまった。




公式がMAD動画投稿してるのがヤバい。「パーリーの始まりだ!」「パーフェクトでエターナルなバイヴだよ」「FOOOOOO」じゃないんだよ。これだけ見たら何のアニメかわからんな…。
1クールのアニメなのに曲も豊富で、しかもやしきん、俊龍滝澤俊輔ヒゲドライバーとか作曲陣が豪華。やっぱりアイドルアニメで曲は重要ですよね。『キラメキFuture』とか好きです。


意外性こそないけど、手堅いアイドルアニメだったかな、と。2期もできそうな終わり方だったでしたけど、どうなるかな。ストーリー的には全国大会編で作れそうではありますが。