適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

2019年度秋クールアニメ新番組

結局3連休は映画を見たくらいで買い物以外部屋から出ずに終わってしまいました。被害がなかっただけマシなんですけどね。停電リスクありの地域だったので。
来週末は職場の運動会みたいなよくわからないイベントごとのせいで潰れる上に、今週は毎日練習をしなければいけないので気が重い。帰ったら22時くらいになるし、風呂入って寝るしかない。


…で、新番組も始まってきてチェックしつつあるので、いつも通り少しずつ。

みにゆり

4分アニメだけど安定して面白い。今思うとゆるゆりってめっちゃ高品質のアニメだったのでは。…思い出補正?

ラディアン 第2シリーズ

メリとかいなくなるのかな?と思ってたら普通に追いついてきて笑う。ランブルタウン編くらい面白いといいですね。千葉繁さんのアドリブで笑ってしまった。

浦島坂田船の日常

多分元ネタを知らない人が見るべき作品ではない。

旗揚!けものみち

最初異世界転生ものだと気づかなかった。このすばの作者なのでノリは信頼できそう。毎週楽しみです。

慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~

ノリが寒すぎる…。豊崎さんにかかる負担が過大なのでは。

俺を好きなのはお前だけかよ

鈍感善良主人公の真逆という学園ラブコメをメタった作品。こういうの結構好きなんですよね。ちょっとノリについていけるか不安ではありますが、見ていきたい。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでられません~

導入はあまり異世界無双系じゃなさそうだったので、これからどうなるか気になりますね。そこそこ出来良さそう。…これ、サブタイトルのせいでダサくなってない?

放課後さいころ倶楽部

ボードゲームってやるのを見てるよりやったほうが楽しいのでは、という…。キャラクターは可愛いのでそこでなんとか…。

超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!

主人公が政治の才能だけじゃなく格闘技まで出来たら他のやついらんやん、というのと、何でも発明できるのチートすぎない?というのと。

アズールレーン

展開もよくわからないけどそれ以上にキャラクターの名前が全然覚えられない…。

ぬるぺた

短編なので感想書きにくいけど、まあ見ても見なくても変わらないかな、という立ち位置。

厨病激発ボーイ

れるりりの主題歌はいい感じだなあ、と思ったけど本編の寒さがヤバい。なんだこれ…。

アイカツオンパレード!

クロスオーバー作品だなあ、と。放送前に思っていた通り、所謂「アイドルアニメ」ではないですね。何も考えずに楽しむのが正解っぽい。初代組も早く出ないかな?

魔入りました!入間くん

安心と信頼の森脇・ふでやすコンビ。ゆるく楽しんで見られそうです。

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-

これもキャラの名前が把握できないけど、多分見てたら覚えられそう。無課金で見ていいのかな…。

ぼくたちは勉強ができない

安心と信頼の雑破脚本。2話とも安定してたので、今期の萌えアニメ枠のエースになりそう。

警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-

絵が若干古臭いけど、ストーリーはそれなりに楽しめそう?警察ものならそこまで外れないかなあ。

ACTORS -Songs Connection-

2話にしてカレー対決。作画も悪くないけど、今のところそこまで話には惹かれないかなあ。また放送後に評判よかったら後追いかな。

バビロン

先が気になるストーリーは今期ナンバーワン。でも自殺の謎について既に答えが出てしまったので、これから今以上に面白い展開になるのかな、という疑問も。まあ見ますけど。

アフリカのサラリーマン

下ネタ混じりのゆるギャグで面白かった。下野さんのオオハシが良いキャラしてるし、大塚明夫さんとかツダケンの声も良い。

兄に付ける薬はない!3-快把我哥帯走3-

この連休にハマって1期、2期と36話分全部見てしまった。中国のアニメも面白いなあ。そして中国が作ってる学園モノでも日本と結構似てるところあるんですね。

ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラク

これも元ネタ知らないし見てもなあ、という感じ。単体でも話はわかりそうですけど。

スタンドマイヒーローズ PIECE OF TRUTH

麻取に一人いる女の子の新人が…みたいな。なんか今期警察モノ多くない?比べてしまいそう。

私、能力は平均値でって言ったよね!

いちいちパロディネタを挟んでくるのが寒い…。というか、元ネタが明らかに30代中盤~後半くらいな気がするんですが、その世代がこのアニメ見てるのだろうか…。

BEASTARS

設定から結構面白そう。ネトフリだと地方でもこういうのが見られるのはありがたいですね。地方オタクに必要なのは課金。

Z/X Code reunion

ゆいとかおりやん。それにしても小倉唯の声とエレガのサウンド全然合ってなくない…?『Raise』みたいになってると思うんですけど。話はまだよくわからない。

ガンダムビルドダイバーズRe:RISE

ビルドシリーズ、結局ビルドファイターズの初代が一番面白かったと思うんですよね…。今回はどうなるやら。しばらくは見るつもりですが。


とりあえずチェックしたのが27作品。面白そうなのは『バビロン』『ぼく勉!』『BEASTERS』『けものみち』『兄に付ける薬はない!3』『俺好き』『アフリカのサラリーマン』辺り?
配信日が結構偏ってるので、上手く散らして見ていかないとすぐ見なくなってしまいそう。あと気になってる作品もいくつかあるので、しばらくは新番を見ていきますかね。

2019年度夏クールアニメ総括

見ていた作品は多分最終回を見終わったので少しずつ。

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

異世界編に入ってからの異常な失速。結局異世界ごと滅んだことに何の後悔もなさそうだし、前半メインヒロインだった神奈ちゃんを残してユーノと旅立つとか後味悪すぎる。
てか、神奈ちゃんを助けるために異世界に飛んだんじゃなかったのか…。異世界行ってから別人格みたいになってしまったし、色々と残念な作品だったな、と。

MIX

味方のエラーでサヨナラ負けとかいう後味の悪さ。安定して面白かったけど、2クールではどうしようもなかった感はありますね。1年見ていたかったなあ。

鬼滅の刃

展開がワンパターンで中盤飽きてしまったけど、那田蜘蛛山の累との戦い辺りからまた面白くなってきました。映画も面白そうだし、楽しみですね。

フルーツバスケット 1st season

大地版のテンポの良さが好きだった分、間延びして感じたなあ、と。十二支が出てくる→透の救い、の流れも食傷気味なんですよね。これは原作がそうだから仕方ないか。
どうしても透というキャラから人間臭さを感じないのでそこは原作から苦手なんですが、夾の本当の姿を知るエピソードは良かったですね。感動色強めな分、ああいう時は強い。

手品先輩

しょうもないけど毎回面白かった。1エピソードが数分の短編というのも大きい気がしますね。結局、こういうくだらないやつが自分のストライクゾーンなんだよな。

彼方のアストラ

全体的に王道冒険活劇としてのクオリティが高く、個人的には夏クールで1番かな、と。せっかくなので円盤を買おうか検討中です。はやみんのキャラソン欲しいんだよな…。

ダンベル何キロ持てる?

特に筋トレしようとは思いませんでしたが、毎週楽しい作品でした。中毒性のある主題歌も良かった。動画工房のアベレージヒッター感はすごい。

魔王様、リトライ!

作画もヤバいし、途中からシムシティを延々続けて1クールでストーリーをまとめることすら放棄してたしゴミでした。主題歌と1周回って斬新なネーミングセンスは良かった。

女子高生の無駄づかい

日常+ギャグ、最高だった。11話「ゆめ」はいつもなら苦手なギャグアニメのシリアス回なのに、不覚にもちょっと感動してしまいました…。ヤマイたそ~。

荒ぶる季節の乙女どもよ。

1話のインパクトは今期ナンバーワン。そこからも先の読めない展開で、最後までマリー節全開で楽しませてもらいました。この人じゃないと絶対思いつかないセリフが多すぎる。

からかい上手の高木さん2

1期よりもからかいがアグレッシブになってて良かった。最終回も良いけど、夏祭りに誘う回が一番かな。

可愛ければ変態でも好きになってくれますか?

結局変態の正体お前やったんかい、という。テンポが異常に遅くて、毎回45分くらい見てる錯覚に陥りました。

まちカドまぞく

桃を看病する話と、あとラスト3話はそこそこ面白かったかな。流石にちょっとスロースターターすぎて、全体の評価を覆すには至りませんでしたね…。

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?

異世界ものの中では一番作画が安定してたけど、全部親子愛に持っていくチープな展開はちょっとな…。エンディング普通に発売してほしい。


継続で見ているのが『Dr.Stone』。毎回安定して面白いですね。夏はこれとアストラ、あらおとが3強で、次点に女子無駄、鬼滅、フルバ辺り。
冬と春はあまり好みに合わないものが多かった中で、今期はそこそこ楽しめたかな。15作品しか見てないけど、視聴に耐えない作品が年々増えてきて…加齢ですかね。
あと、評判を見てるとリステがそこそこ良い感じみたいなので、3連休に見てみようと思います。台風で岡山泊が中止になってしまったから日曜は家にいるしかないので…。

『アイカツオンパレード!』から見るか?初代から見るか?+1話の感想

コンプティーク 2019年10月号

コンプティーク 2019年10月号


先日、友人とLINEでやり取りしている時に、昨日から放送を開始した『アイカツオンパレード!』の話になり、「やっぱり初代から見るべき?」と言われたので
特に何も考えずに肯定したら、「今やってるやつから見るのも選択肢なのでは」「初代から全部見る必要あるの?」みたいなことを言われて、思わず「…は?」ってなってしまって。


その時は他にやることがあったので「好きに見たらいいんじゃない?」みたいな感じで流して終わったのですが、後から考えてみると、別に友人が持ったのは変な疑問でもなんでもなくて。
例えば、今放送している『スター☆トゥインクルプリキュア』を見ようと思った時に、前作の『HUGっと!プリキュア』から見ろ、と言われたら「いや別によくない?」ってなりますよね。
それを言い出したらキリがないし。そもそも作品単位で世界観が繋がってないですからね。それと同一のイメージで考えたら、確かに上みたいなこと思ってもおかしくないよな、と。


ただ、今回の『アイカツオンパレード!』に関しては、事情が違うと思うんですよね。今作は、主人公の姫石らきが、前作の主人公である、あいね・みおと歴代作品の世界を巡る、というお話。
であれば当然、歴代のキャラクターがどんどん登場するわけで、「過去作を見なくても大丈夫」とは言い難いところがある。見ないと話が全く分からない、ということはないでしょうけど。
これがもし前作だったら、『スターズ!』を見ていなくても『フレンズ』は見たらいいよ、と(もちろん、できれば初代から見るべき、と留保はつけて)言えたと思うんですが。


もし、歴代のキャラが登場するけど、あくまで今作からのキャラで普通にアイカツする、というストーリーであれば、まあファンサービス程度だし、単体でも楽しめるよ、と言えるかもしれない。
でも、今回は恐らくそうではない。主人公がいくつもの世界を巡ってアイカツ、という筋立ては、普通のアイドルアニメ、そして『アイカツ!』シリーズの流れとは違うものになるのでは。
それが従来の作品と比べて良いとか悪いとか、そういうことが言いたいのではなく、今作「だけ」を見た場合、シリーズの魅力・エッセンスが伝わらないのではないか。
そう考えた時に、初代から見る「必要がある」か?と聞かれたら「必要がある」としか答えられなかった。やりとりしていた時に感じた違和感は、そういうことだったんだと思います。


もちろん、初代から見ろ、って言うほうは簡単ですけど、正直今から追いかけるのはかなりの時間がかかる。それは分かってるつもりなんですよね。
ただ、今までのシリーズを全話見て、映画館に通い、DVDを買い、ライブに数回足を運んだ、というくらいの、そこまで熱心ではない(と思っている)ファンである自分でも、
やっぱり、初代やスターズやフレンズを「見る必要ないよ」とは言えなかった。なぜなら、見る価値のあるシリーズだと思っているから。
気になったら適宜過去作を見たらいい、というのは理屈としては分かるんですけど、過去作と毛色の違うシリーズだけに、未見で引っかかるポイントあるのかな、という疑問もある。
例えるなら、型月の作品は全くノータッチだけど『カーニバル・ファンタズム』だけ見るよ、みたいな。単体で見て楽しいのかな?という疑問はどうしても拭えないですね。

アイカツオンパレード! 第1話 あけちゃお!アイカツのトビラ 感想

…さて、めんどくさい前置きはこれくらいにして、1話を見たのでとりあえず感想を。…なんというか、すごい勢いでしたね。
らき・あいね・みおがスターズの世界に転生して、ゆめと小春と「アイ?」「カツ!」のやりとりだけで通じ合うのは流石に笑ってしまった。お前らガンダムファイターかよ。
オープニングは歴代のアイドルが全員登場…してなかったけど、エンディングで歴代キャラがスクロールしていくのは壮観でしたね。からのアイカツ格言。オタクが喜ぶポイントが分かっている。


…あと、ちょっと思ったんですけど、これ、らきたち3人が各世界を巡っていく、という流れなんだったら、初代とスターズ組ってどうやって交流させるんでしょうか?
まあ、PVで全作品のキャラがコラボしてるので大丈夫だと思うんですが、ここからどう展開していくのかな、というのは単純に気になるところです。
1話を見た限り、力技でどうにでも展開してくれそうな感じはするので、心配なさそうではありますが。新曲もいいけど、歴代の名曲をコラボで歌ってくれたら嬉しいなあ。
しかし、上で「歴代と違う流れ」とか書きましたけど、らきちゃん、最初からライブもこなすし、デザインもできるし、やっぱり今までの主人公とは違う何かを感じますね。
良くも悪くも展開が全く読めないのは確かなので、しばらくはそれを楽しんでいこうかと。ただ本当に、土曜のこの時間はほぼ家にいないからリアルタイムで見られないのが残念…。

『キラッとプリ☆チャン』第77話から感じた、”開かれたアイドルアニメ”という性質



まだ暑いですが、気づけば今年も残り3ヶ月。クイズ遠征狂と化した年明けから、身内の不幸に結婚に、そしてライブ、舞台、大会、旅行。かなり密度の濃い1年だった気がします。
これからも色々予定が残ってるので、引き続き楽しんでいきたいですね。…さて、今日は今週配信のプリ☆チャンが面白い話だったので、感想を書いていこうと思います。


第77話「ナゾのアイドル ついにデビュー!だもん!」は、謎の存在だったバーチャルアイドルの「だいあ」が、ついにデビューする話。…いや、タイトル見たら分かるわ、って話ですね。
第2シーズンから本格的に登場したバーチャルだいあ。同時に、長い髪で目が隠れた引っ込み思案な少女「虹ノ咲だいあ」も登場し、主人公・みらいたちと次第に仲良くなっていく。


…書いてて自分でも混乱するので、以下、バーチャルだいあのことはは「Vだいあ」と表記します。


今シーズンは、Vだいあが主催する「ジュエルオーディション」に合格すれば、伝説の「ダイヤモンドコーデ」を賭けた「ジュエルコレクション」への参加資格が得られる、という設定。
…正直言って、最初は「いや、これVだいあの正体が虹ノ咲だいあっていうだけの展開やん…。」くらいにしか思っていなかったのですが、見進めていくと意外にそうでもない。


だいあが、みらいが好きすぎて自室のモニター8つで追いかけるレベル、みたいな、いかにもプリティーシリーズらしいクレイジー設定を出して、ラスボス枠か?と思わせておいて。
実は虹ノ咲だいあとVだいあは別人格。だいあが優勝した新人デザイナーズコンテストの賞品「デザイナーズパレット」から飛び出してきたのがV だいあだ、と。…結局ややこしいな。


今以上に引っ込み思案で友達もいなかった中学生のだいあが、みらいに出会い、プリチャンに興味を持つ。「喜んでもらえるコーデを作れば、友達できるかな?」という
なかなかに闇の深い動機でプリチャンの世界に関わっていく。そして遂に今回、Vだいあが、ではありますが、プリチャンデビューを果たした。


今作が「動画配信」をテーマにしている、と知った時、正直に言って「流行りものを安易に取り入れただけでは?」と思っていたのですが、割と上手く料理できていると思うんですよね。
最初はみらいとえものマネージャー役として関わろうとしていたりんかが、自身もデビューするという第16話「心の迷いを抜けてみた!」を見た時も似たようなことを思ったのですが、
『プリチャン』シリーズは、アイドルになる敷居が低いのが長所これは「みんなトモダチ、みんなアイドル」を掲げた前作『プリパラ』にも共通しますが。
『プリパラ』と比べて、動画配信という、更に身近な素材をテーマに物語を進めているので、その分色々な子にアイドルへの可能性が開かれているように思います。
デビューが怖くなってしまっただいあに、Vだいあが言った「まず一歩、ううん、半歩だけ踏み出そう」というセリフがとても良かった。完全に正体を明かすまではいかなくとも、まずは半歩。


視聴者は、誰もがみらいやえもに自分を重ねて見られるわけではないと思うんですよね。りんかやだいあのように、自分が前に出るのはちょっと…、という子もきっといるはず。
そういう層に対しても、良い配信になるように知恵を絞る参謀役アイドルや、バーチャルの姿でライブを行うアイドルとしての道を提示している。夢のある作品じゃないですか?
所謂「アイドルらしくないアイドル」という意味では、前作もちゃん子やあじみがいましたが、自分を出していくことが苦手でもアイドルになれる、というのは優しい世界だなあ、と。


…まあ、そんなわけで、ここ数回のプリチャンが面白くて目が離せないのですが、これで万事ハッピーエンドかというとそうでもないのがまた面白いところ。
今回デビューしたのはあくまでVだいあで、だいあの秘密についてはまだ視聴者以外には知られていない。みらいへの気持ちが届いたようで、まだ届いていないんですよね。
そこに、みらいだけが「あれ、このコーデ、どこかで…」と気づく演出がまた良かった。これから「あと半歩」がどのように踏み出されるか、楽しみに見ていきたいところです。


…とか思ってたら来週はまたギャグ回っぽい。このなんでもあり感がこの作品らしさなんだよなあ。今年の中で1エピソード選ぶなら46話だと思ってましたが、これは悩ましい…。

響け!ユーフォニアム ★★★★★★★★★★


原作本編を読み終わってから、アニメをもう一度見直してみよう、とはずっと思ってたのですがなかなか時間が取れず。ようやく1期をもう1回見終えました。
自分はどちらかというと、色々な作品を数多く見たい、と思うタイプなので、余程気に入った作品でもない限り、全話見たあとにもう1回通して見る、ということは少ないんですよね。
好きな単話をピンポイントで見ることは結構あるんですけど。…そして、『ユーフォ』に関しては、その「余程」に分類される作品だった、ということになるのかな。


今まで惰性で楽器を続けていて、真剣に音楽に取り組む人の気持ちが理解できていなかった久美子が、実力不足からSoliの機会を掴み損ねたことで感じる悔しさ。例の、宇治橋を走る名シーン。
あのシーンが特に記憶に残ってたんですが、見直してみると、久美子が音楽に真剣に取り組むようになるまでが1クールを通して描かれていることに改めて気づきますね。
演奏する楽しさや、合奏が上手くできた時の感動。そういう、自分が働き始めてからめっきり遠ざかっていた感情を、まざまざと呼び起こしてくれた、素晴らしい作品だと思います。


そういえば、滝先生が来ただけで上手くなるとかリアリティがない、と感じる人もいるようですが、実体験から言って、顧問の良し悪しは本当に大きいので、逆にリアリティを感じたんですよね。
もちろん、それで数か月で全国大会、というのはいかにも物語なんですけど。それについては原作でも理由を付与してましたからね。許される類の「ウソ」なのかな、と。


少し話がズレますが、自分は、物語におけるリアリティは、現実=リアルであることとイコールではない、と思っています。実現可能性ばかり考えていたら、物語に触れる意味がないですから。
でも、実際は物語を見ていて「リアリティないなあ」とか、逆に「これはリアリティあるなあ」みたいな感想を抱くこと、いくらでもありますよね。では、その違いはどこから来るのか。

フィクションである以上、言ってみれば物語の中で起こることは全て「ウソ」なんですよね。そして、その嘘が作品世界のリアリティを損なう類のものか、そうでないものか。
言い換えれば、設定の中でも、作品において、許される「ウソ」ならリアリティは損なわないし、逆に、許されない「ウソ」ならリアリティがないと感じてしまう
そこの差がどこから来るのか、というと、結局は受け手の経験と、物語全体の整合性なのかな、と。特に今作のような部活小説では、経験に照らしてリアリティがあるかを判断しやすい。


若干トートロジー的表現になったので『ユーフォ』で具体的に書くと、吹奏楽経験者である自分は、「練習すれば上手くなる」「指導者の力量は演奏に如実に影響する」という経験を持っている。
だから「元々複数の実力者がいる部活に、優秀な指導者が来た」という設定であれば、急に上手くなったという描写にもリアリティを感じられるんですよね。


逆にもし、リアリティがない、という描写があるとすればどういうものか。例えば「初心者の主人公が、頑張って練習してトップクラスの奏者になる」とか、
あるいは「あまり練習熱心ではないが、天才的な才能で素晴らしい演奏をするキャラクターがいる」とか。音楽に限らないとは思いますが、必ずしも時間をかけたから上手くなるわけではない。

この作品を好きな理由の一つに、「努力」に関する描写が徹底している、というのがあります。決して、努力したから結果が出ました、という夢物語ではない。
ユーフォの努力観は「間違った努力をしても結果にはつながらない」「才能があって、かつ努力している人間には敵わない」「経験の差は簡単には埋まるものではない」とか。
ここに限って言えばとてもシビアにリアルに近い描写をしていて、だからこそ「リアリティがあるなあ」と感じるんですよね。自分も、身を持ってこれが真実だと知っているから。


そして実力主義と部内の和のどちらを優先するか、部活と受験のどちらを…とか、本当に当時考えていたようなことを思い出させてくれるような展開。吹奏楽部出身者に人気があるのも頷ける。
書いていて思いましたが、作中で発生するトラブルや練習の体験がリアルなら、結果が若干ご都合主義でも自分はリアリティを感じられるのかも、とも。結果が出ないと物語にならないしな…。


あと、今回見直していて新たに気になったのは葉月について。彼女は高校で吹奏楽を始め、チューバを担当する、という、当時の自分と同じ境遇*1だったので。
「基礎練習がつまらない」「チューバの何が面白いんだろう」と悩む葉月が、低音パートで合奏してみて面白さに気づく、というシーンを見ていて思ったんですが
「自分がチューバを面白いと思ったきっかけって何だったっけ?」という疑問が。自分のことなのに覚えてないんですよね。目立たないから楽でいいわ、とか思ってたような気も
いつの間にか好きになったのは間違いないので、きっかけとかは特になかったのかな?目立たないなりに、全体を支えているという感覚が好きだったのかも。まあ低音目立つ曲は好きでしたけど。


いつも通りのまとまりのない文章ですが、オリジナルシーンを追加し、「久美子の一代記」としてまとめた手腕は流石。キャラの言動の裏も今なら分かるし、発見があって面白かったです。

*1:自分はそれまでの音楽経験がありましたが

荒ぶる季節の乙女どもよ。 ★★★★★★★★★☆

荒ぶる季節の乙女どもよ。Blu-ray 第一巻

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夏クールで一番最初に観終わった作品はこれになりました。その次がフルバ。MIXはなんか来週配信になっていた。楽しめた作品だし、せっかくなのでつらつら感想を書いていきます。


文芸部に所属する女子高生5人が、部員の1人である新菜の「死ぬまでにしたいことはセックス」という発言をきっかけに、性について意識し始める、という導入。
1クールを通して、文芸部の5人が5人とも、「愛」に悩む様子が描写されており、飽きることなく最後まで楽しむことができました。
反面、生々しい性描写や下ネタにちょっと引いてしまうこともありましたが…。1話の『TRAIN-TRAIN』は爆笑したけど、まさか、最後の最後でそこを回収してくるとは。
岡田麿里構成作品を見ていていつも思うのですが、序盤のキャッチーさに関しては群を抜いてますよね。今作も、1話のインパクトはとても衝撃的で、次を観ずにはいられなかった。
毎週放送のTVアニメという形態において、次回への「引き」の強さはとても重要だと思うので、そこの手法は感心するところです。往々にして投げっぱなしになりがちなのも事実ですが。


最終話まで見て思ったのは、この作品で描かれていたのは、彼女らが感じていた「愛」は、「性愛」だったのか、それとも「友愛」だったのか?ということなのかな、と。
中盤、和紗と泉は晴れて付き合い始めましたが、新菜という強力なライバルの存在もあり、関係を進めようとする和紗。それに対し、泉は関係を急ぐことを嫌い、ぎくしゃくしてしまう。
最終話では、2人は同じ気持ちだったことが分かり、気持ちを通じ合わせる。「友愛」から発展した「恋愛」であって、「性愛」はあくまでその先にあるものだ、と。


結局「セックスがしたい」という発言からこの物語が始まっていて、だからこそ、恋愛と性欲は切り離せないもの、という前提が出来上がってしまっていたんですよね。
思い返せば、和紗が泉への恋心を自覚したのも、「どうしてもしないといけないなら、誰と(えすいばつを)したい?」という問いに対して、「泉」と答えたからだったわけで。
究極の選択に対する回答を根拠に恋愛感情を自覚したからこそ、恋愛には性欲がセットである、と思い込んでしまった。り香も道筋は違えど、同じ思考回路に陥っていましたね。

その思い込みが正されたのは、同じ景色、同じ色を見て同じ感情を覚えたことで、2人の間にあるのは性欲を前提とした感情ではない、と理解したからだった、と。
ちょっと理屈っぽい流れかな、とは思わんでもないですし、泉の和紗より菅原さんに性欲を感じる」は普通言わないだろ、マリー節だなwとか思いましたけど、上手いと思いました。


百々子の新菜への感情の爆発や、ひと葉がミロ先生に一矢報いたことに満足して「山岸先生」と呼び方を変える、という、エピローグを含めて切ない演出や…。
通して見ると、5人それぞれが悩む様子が絶妙なさじ加減で描かれていたように思いますね。どのキャラにも見せ場があった。百々子はちょっと予想外の方向から来ましたけど。



もう一つ、余談にはなりますが、最終話を見ていて面白いな、というか、文芸部を舞台にした作品ならではだな、と思ったシーンがあったので書き留めておきたいと思います。
真っ白に燃え尽きた、という話の流れで、ひと葉が「『白痴』かな、坂口安吾と言ったのに対し、新菜が「私はドストエフスキー派です」と返したシーンです。

ドストエフスキーの『白痴』のヒロイン・ナスターシャは、資産家・ロゴージンと一旦は結婚するも、主人公・ムイシュキン公爵のことが忘れられない。
せめてムイシュキンには幸せになってほしいと、将軍の娘・アグラーヤに結婚を勧めるうち、ナスターシャはムイシュキンと相思相愛になってしまい、遂には殺されてしまう。

…まあ、読んでる人には今更なあらすじなんですけど。何が言いたいかというと、ナスターシャと新菜の境遇、かなり似てるよなあ、と見ていて思った、ということです。
和紗の恋を応援する、と言いながら、結局は泉のことを好きになってしまった新菜。そんな新菜が、『白痴』はドストエフスキー派、と言ったのは、少なからず含意があったのかな、と。
一方、ひと葉は坂口安吾の『白痴』を例に出しましたけど、ひと葉が想いを寄せるミロ先生の愛読書は『堕落論』。こっちも、意味のある描写だったのではないでしょうか。



原作者の趣味全開、といった様相を呈していましたし、所謂学園もののアニメでは、リアルを綺麗に装飾するのが常道なのに対し、逆にリアルより生々しく、ドロドロした描写。
大分好みの分かれる作品だったなあ、とは思いますが、自分はとても楽しめました。枝葉部分で未回収の伏線ことあれ、マリー作品によくある消化不良感もなく。
人に勧めたら色々と良識を疑われそうではありますが、こういう制作者の主張120%、みたいな作品はとても好きなので、3ヶ月楽しませてもらいました。好きなキャラは…ひと葉かなーやっぱw

HELLO WORLD ★★★★★★★★☆☆

金曜、連休に浮かれながらチケットをクレジットで予約して、台風の直撃時間と丸かぶりすることに気づいたのが当日。あたしって、ほんとバカ…。
案の定というか、帰りに電車が止まって1時間以上立ち往生。ひとまずは無事に帰れてよかった…。というわけで、度々流れる予告で気になっていたので観てきました。


舞台は西暦2027年の京都。内気な主人公・堅書直実が、ある日10年後から来たという未来の自分・ナオミと出会い、この世界が仮想現実だと知らされて…というストーリー。
未来の彼女であるヒロイン・一行瑠璃を守るために未来の自分と2人で結託して画策するうちに、世界の改変を修正しようとするプログラムに目をつけられて…、うーん、セカイ系ですね。


前半は直実と瑠璃が付き合うようになるまでが描かれ、中盤、ナオミが現れた本当の理由が判明したことを転機に、後半は崩壊するセカイに立ち向かう直実、という、大きく分けて二部構成。
途中までは堀口キャラデザの『けいおん!』チックなヒロインを楽しみ、後半は怒涛の展開を受け止める。そんな感じの作品でした。あの造形で「やってやりましょう!」は完全にあずにゃん


さて、『君の名は。』以降の所謂「セカイ系」の再ブームの流れを汲む作品、とパンフレットで監督が言及していました。『天気の子』を観た時、「従来のセカイ系とは違う、令和のセカイ系
という感想を書いたんですけど、今作にも似たような感想を持ちました。単にヒロインのために戦い、セカイを救う、というストーリーラインではなく、救ったと思ったセカイもまた狂っていて、
更に別のセカイが存在する。「ーこの物語は、ラスト1秒でひっくり返るー」というキャッチコピー通り、最後で更にどんでん返しもあり、伏線が一気に回収されるのはとてもテクニカルでした。


今作が従来の「セカイ系」とは異なる点としては


・主人公とヒロインだけの関係だけではなく、10年後の自分・ナオミという「大人」が介在していること。
・所謂ボーイミーツガール系にありがちな、無知な弱いヒロインと、奮闘する主人公という構造ではなく、むしろヒロインの側に最終的な主導権があったこと。


が挙げられるかな、と思っていて、上はそのまま『天気の子』と同じ構造なのかな、と。10年後のナオミは、かつてセカイ系にハマっていた観客が感情移入しやすいキャラクターでした。
下についても最後に明かされるわけですが、斬新だな、と。セカイ系によくある、守られ系ヒロインを助ける主人公という構造は、オタクの自己陶酔だ、という従来の批判へのアンサーですね。


…とまあ、構造はかなりテクニカルなSF作品で、よく出来ているな、とは思ったんですが、手放しで「面白かった~」とは思えなかったな、というのが正直な感想なんですよね。
理由をいくつか考えていたんですけど、まず一つに、今作は設定上CGが多用されていて、そのおかげで後半の仮想空間の描写にかなり力が入っていた、というのがあって。
それはとても良かったんですが、反面、前半は直実と瑠璃が付き合うまでの日常パート、学園ものであるわけなんですよね。こことの食い合わせが悪かったかな、と。
単純なエンタメ的面白さとしては前半のほうが上だったと思うだけに、堀口絵とのズレのようなものを感じました。比較対象が京アニ作品だからかもしれないので、酷かもですが…。


もう一つに、作品世界に何も考えずに乗っていけなかったな、というのもあります。これも抽象的ですが、勢いが今ひとつ足りていない。設定も結構複雑なので、色々考えながら観る必要がある。
緻密な設定が組み上がっていながら、後半のストーリー自体はかなり力技。どこに力点を置けばいいのかイマイチ掴みきれないまま終わってしまった、という感じ。
あの衝撃的なラストがあったので、終わってから色々自分なりに考えたり設定を読んだりして「そういうことだったのか」と納得はいったし、改めてよく練られているな、と思ったんですが
結局「その感動を観ている最中に感じたかったなあ」というのが根っこにあるのかもしれない。上で、ヒロインが守られるだけの構造になっていない、というのを特徴に挙げましたけど
それはあくまで、最後まで観て、その後考えて初めて分かることですよね。観ている時には「よくあるヒロインの設定だな」としか思っていなかった。


セカイ系作品で一番大切なのは、個人的には「共感」と「没入感」だと思っていて。何も考えずにのめり込める「勢い」があれば、多少のストーリーの粗は気にならない。
『天気の子』はまさにそれだけの勢いと映像美で殴りかかってくる作品でしたが、今作はそれと比べると、理屈ではすごいと思う一方、気持ち的に乗り切れない、という意味で対象的でした。
間違いなく意欲作ではあるし、パンフレットを読んでいると制作陣の意図が色々書いてあって面白かったのですが、アニメ映画としては…と考えると。賛否両論あるのも分かる気がします。


あと、「ーこの物語は、ラスト1秒でひっくり返るー」というキャッチコピー。番宣的にはとても良いワードだと思うのですが、この作品がそういう構造であることをバラすのは
ちょっとどうなのかな…とも。最後に何かあるんだろうな、という心づもりで観てしまったので、驚きが数割減だったような。まあ『二ノ国』みたいな嘘のキャッチコピーよりはマシか。


映画  HELLO WORLD 公式ビジュアルガイド

映画 HELLO WORLD 公式ビジュアルガイド

戦姫絶唱シンフォギアGX ★★★★★★★☆☆☆

出張&連休&連休だと平日にしわ寄せがくるから辛い。社会生活に向いてないのですぐやーるー気ーゼーロー♪になってしまう。ままままきもきムクムクぷるるんカンショクラベラベほわほわ。
今となっては(当時も?)通じにくそうな作品ですが、結構好きでした。半分くらい桃ちゃん目当てだったので、この『sensuous』バージョンを一番よく聴いてたなあ。錦糸卵、略してキン(規制音)



しちゃいましょう sensuous


閑話休題、『シンフォギア』シリーズの3期を見ました。3期は錬金術師のキャロルと、キャロル率いる自動人形集団と戦う、というストーリー。加えて、翼や響の父親との葛藤も描かれる。
2期までと比べて、ややパワーダウンしたかなあ、という印象でした。2期で70億人の絶唱!をやってしまった以上、それを超えるスケールとなるとなかなか難しかったんでしょうか…。
インフレしていくタイプの作品なので、その分続きに求められるハードルは上がるというか。錬金術師と自動人形とかいう、あまり強そうに見えないやつらが何故か奏者を圧倒するくらい強い。
また、3期にもなって響や翼に父親と葛藤させるのも今更感が。響の父親とかどうしようもないクズだったのに急に改心したように見えてしまうし、出した割に掘り下げも甘かったですね。


『虹色のフリューゲル』の合唱とか、歌で盛り上げるところは抑えてるし、ウェル博士が再登場して味方につくみたいなアツい展開も外してはないですが、3期は今までと比べて
単純に爽快感のある展開ではなかった、というのが問題だったかな、と。考えずに見るのが一番な作品なのに、どうにも入っていきにくい。キャラが増えて動かしづらいのもあるのかな…。


氷菓 ★★★★★★★★★☆


日岡山で知人とユーフォの話をしたときに「京アニ作品で次は『氷菓』見ようと思ってるんだよね」という話になって、「自分もそういえば最初数話で挫折したな」と思ったので見ることに。
放送当時は色々忙しくて、アニメとゆっくり向き合える精神状態じゃなかったんですよね。多分深夜アニメを見始めてから一番視聴本数が少なかったのが2012年春クールかもしれない。


…とまあ、そんなどうでもいいことは置いといて。「古典部」という廃部寸前の部活に入部した主人公・折木奉太郎と、叔父にまつわる謎を解き明かしたいというヒロイン・千反田える
そして友人の福部里志伊原摩耶花の4人が、高校で起こるちょっとした謎や事件を解き明かしていく、というお話。「日常の謎」とか「コージー・ミステリ」みたいな分類がされているらしい。


氷菓が…もとい、評価が高い作品なイメージはありましたが、実際に見てみると人気な理由も分かる気がしました。まず、日常系ミステリというジャンル自体が、アニメでは珍しい、ということ。
少なくとも自分はあまり見た覚えのない作品だな、と感じました。見たことないですけど、ここ数年で放送してた『ハルチカ』とかもそうなのかな?その分新鮮味があって面白かったです。
視聴者が推理する、という作りにはなっておらず、最後に奉太郎が長々と推理を披露して終わり、という流れですが、特に長編ではかなりのカタルシスを感じることができました。


反面、「日常の謎」ものであるがゆえに、扱っている題材があまりにもしょうもないな…。と思うエピソードがいくつかありました。面白い話との落差が結構激しい。
大雑把に言ってしまえば『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』にまつわるエピソードは時間を忘れてしまうほど面白かったのですが、それ以外の回は割と間延びしていた印象。
特に『愚者のエンドロール』が白眉で、何度もどんでん返しを見せる展開がとても素晴らしかった。日常アニメとして他のエピソードを見ても決してクオリティが低いわけではない…というか
京アニの圧倒的な作画があるのでむしろクオリティが高いんですけど、ちょっと面白さの質が違うな、と。『遠まわりする雛』のエピソードはラブコメ分マシマシで温度差に驚いてしまいました。


あと、青春群像劇的な側面もある作品なのですが、出てくるキャラクターが一筋縄ではいかないというか、一風変わった思考の持ち主が多いために、どうにもスッキリしないなー、という
オチが多かったような。裏テーマに「才能と持たざるものの嫉妬」が設定されてそう、と感じました。『愚者のエンドロール』のオチとかちょっと「うわ…」ってなってしまったし
クドリャフカの順番』も、バレンタインのエピソードもそう。普段清々しい青春ものを好んで摂取しているのと、嫉妬は共感しにくい感情であるのとで、その点では好みと外れたかな、とも。


というわけで、作品全体のクオリティは高いけどどうにも好みに合わないところがあったのと、話数による差が激しかったのとで、どちらかというと★8寄りの★9、ということに。
それでも京アニ作品の中では、『ふもっふ』『ユーフォ』、そして最早青春と同化していて客観的に見られない『ハルヒ』の次に好きかも、と思えました。良い作品を見た。


(追記)
折角の機会なので、ライフスタイル・順番当てクイズを覚えようコーナー。

次の作家・米澤穂信
古典部」シリーズの作品を
刊行された順に選びなさい


氷菓
愚者のエンドロール
クドリャフカの順番
遠まわりする雛
ふたりの距離の概算
『いまさら翼といわれても』


太古のメモに「氷菓押して五十音順」って書いてあるけど、最新巻で崩れましたね。まあ、4巻までアニメ化されてるわけだし、覚えようとか書いたけど今なら絶対間違えないわこれ…。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形- ★★★★★★★★☆☆

例によって海峡を越えて観に行ってきました。『かぐや様は告らせたい』と開始時間が同じだったので、女性客で長蛇の列になってて焦りました。そんな人気なのか…。


kaitopoketto.hatenablog.com


TV版の感想もついでに置いておこう。今回は「外伝」と銘打たれていて、どういう意味なのかな?と思ってたんですが、観ていると納得がいきました。
今回の主人公はあくまでイザベラとテイラーの2人で、ヴァイオレットはその補佐だったので。前半のイザベラパートでは手紙代筆より家庭教師がメインでしたしね。


離れ離れになってしまったイザベラとテイラー。それぞれが相手のことを想い、書いた短い手紙が心を打つ。90分の尺になっても、基本の構成は変わっていませんでした。
三つ編みのやり方をヴァイオレットがテイラーに教える時の「2本だとほどけてしまいます。3本で編むとほどけないのです」みたいなセリフは
2人の間を取り持っているヴァイオレットのことを表現しているんだなあ、とか、舞踏会のシーンでの絵画での鳥と終盤で空を飛ぶ鳥とか、
冒頭で手を空に伸ばすテイラーと、ラストでまた手を伸ばすテイラー、とか、対比表現がいくつかあって、観ていてとても興味深かったです。


映画でも、セリフなしで、人物の瞳の動き、表情の変化、手の動き、そういうもので感情を表現してしまうのは流石の一言。作画が最高に綺麗だからこそできる職人芸ですね。
テイラーがイザベラと初めて会った時、まだ言葉もよく喋れないほど幼いテイラーがイザベラの手を強く握りしめるシーンが特に印象に残りました。言葉よりも雄弁に語っている。
ラストも、単純に2人が再会してハッピーエンド、にしなかったのは良かったですね。あと、この前に他のラジオで演技論を聴いて以来、内山君の演技も気になるようになってしまった…。


色々感動シーンはあったのですが、一番涙腺に来たのはエンドロールでした。犠牲者の方々の名前が流れてきた時はもちろんですが、例のごとく「3拍子で良い曲だな~」と思って
ぼーっと聴いていたら、曲名が『エイミー』だと知った時の衝撃。そこから終わるまでは歌詞の1つ1つが心に染み入るようでした。そして帰宅してもPVを再生している。



茅原実里「エイミー」 MV Full Size 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』ED主題歌


最高水準の作画と音楽で良いものを観たなあ、という満足感はありますが、1つの作品として見ると、90分ある割に展開が単調で起伏に乏しかった、という印象なのも事実。
半分くらいにできたんじゃ…と思うのは、それだけ丁寧に描写していることの裏返しですが、起承転結の「転」がほぼないので、何か起こるのでは?と終始やきもきしていました。


クオリティはTV版と遜色ないので、好きだった人は観に行っても損はしないと思います。あと主題歌が本当に良いので、是非劇場で聴いて歌詞で僕のように「…あぁ…」ってなってほしい。
次回作の公開日は未定とのことですが、とにかく待ち続けたい。1アニメファンとして、1日でも早い再建を願ってやみません。


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観終わったあとは帰り道にあった、前に臨休だった海鮮丼の店へ。いろいろついてるし、これで税込1000円はなかなか。今度知り合いが来た時の選択肢に入れよう。