適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

おおかみこどもの雨と雪 ★★★★★★★★☆☆

ものすごく混んでました。話題作なだけあるなぁ…
話の構造としてはすごく分かりやすく、おおかみこども*1である姉弟の雨と雪が人間として生きるのか、それとも狼として生きるのか、という
対比構造に主眼が置かれているんですね。結果として雪は人間社会に溶け込むことを選び、逆に雨は狼として野生で生きることを選びます
雨と雪を生むところ、もっと言えば父と母の出会いから始まるのが面白いところで、雨も雪も最初から人間と狼どちらを選ぶかが明確だったわけではありません
むしろ結果とは逆に、雪は外で遊ぶことが大好きな子供でしたし、逆に雨は内向的でした。雪が試行錯誤しながら人間の子供と触れ合っていくところであるとか
逆に、雨が山の主との触れ合いの中で狼としての本能に目覚めていくところ等、アイデンティティ構築の過程は丁寧に描写されていたと思います
それだけに、欲を言えばもう少し先まで見たかったですね。雪は結局草平とどうなるのか?とか、雨は花とはもう少し話し合わないのか?とか、オチ不在の感はありました
野暮なのかもしれませんが、もう一捻りあれば更に…とは思わなくはないですね。ただ、それを差し引いてもすごく良かった作品ではあるんですけども
もう一つ、田舎の山村の情景描写は圧巻の一言でした。もうジブリの域に達しているのでは…エンタメ性には若干欠けますが、テーマ性が明確なので分かりやすく楽しめるかと

*1:人間と狼のハーフ