- 作者: マルサス
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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1798年に刊行
社会主義思想を批判
日本へは大島貞益らが紹介
著者はマルサス
人口統計の話ではなく経済学書。主張としては、「人口は食糧があれば等比的に増えるが、食糧は等差的にしか増えないので、必ず食糧が足りなくなり、貧困が人口増を抑制する*1」というもの。
「自明である」みたいな言い回しが多くて根拠が薄弱なのに、何故か説得力があるように思えるから面白い。「救貧法は淘汰されるはずの人間まで救ってしまうから結局国力を落としてしまう」
みたいな主張は自由主義と親和性が高くて、そらこんなの書いたらマルクスは批判するよなあ、と思ったり。全体的に悲観主義的なのは、当時の空想的社会主義と対照的ですね。
さて、貧困は避けられないものであるから、貧しい人の割合を出来るだけ少なくするべき、という現実的な思想は現在においても色々な分野に共通することがあるように思います。
例えばいじめ問題とかは正にそうですよね。無くすことを考えるのではなく、減らすこととその対処法を考えるべき、ということ。後半は哲学とか人生論みたいな話になっていって
ちょっと驚きましたが、マルサスって牧師でもあったんですね。精読すると論理的に「?」ってなるところも多いと思いますが、書いてる内容は結構面白いので、エッセイ感覚で読むと良いかも。