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蜘蛛巣城 ★★★★★★★☆☆☆

蜘蛛巣城

蜘蛛巣城

シェークスピアの『マクベス』を戦国時代の日本に翻案した作品。舞台が戦国時代になった以外、結末こそ違いますが、大筋は原作と同じような感じでした。
まあ、マクベス読んだのは大学生の頃なので細かくは覚えてませんが( 作品の特徴として、マクベスが破滅する原因である妻、そして異能の存在である魔女と
古典芸能の「能」を組み合わせることで、独特の世界観を構築している点が挙げられるのではないでしょうか。山田五十鈴演じる浅茅の顔が能面のように見えるんですよね。
武時を唆すところ、無言で部屋を行き来するところ、「血が取れない」というところ。画面からの「圧」がすさまじく、思わず息を飲んで見入ってしまいました。


無数の矢が飛ぶ有名なラストは、調べたら弓道部の学生が三船敏郎に矢を射かけたらしく、そりゃ怖いし怒るわな、と思ってしまった。だからこそのリアリティでもあるんでしょうけど。
能を取り入れたことで生まれた異様な雰囲気が作品全体を支配していて、なんとも不気味な作品でした。そして、その中心にいたのは武時というより、むしろ妻・浅茅だったように思います。


ただ、インパクトは強い作品でしたが、メッセージ性は原作とそこまで変わらないように感じた(人間の愚かさ、みたいな)ので、エンタメ性や意外性は低めだったかな、と。
それと、時代の問題なので仕方ないとは思うんですが、セリフが聞き取りにくいところが多かったのが残念でした。字幕入りが配信にあれば良かったんですけどね。