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明朗・潑溂・無邪気なブログ

雨月物語 ★★★★★★★★☆☆

雨月物語 [DVD]

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武士になって功名を立てようと、妻と子を残して滋賀から京都へ出た農民・源十郎が、大将を討ち取る手柄を立てるも、物の怪に取り憑かれ、最終的に文無しになって故郷に帰ってみると
妻は落ち武者に殺されていて子供だけが生き残っており、失って初めて大切なものが何だったかに気づく、というお話。義弟の藤兵衛もまた妻と離れ離れになり、遊女となった妻と再会する、
というお話で、この作品も、先日観た『西鶴一代女』と同じく、理不尽な運命に翻弄される女性が主題になっていました。帰ってきた主人公が、妻の幻を見ながら一夜を過ごすシーンは悲しい。
あと京マチ子演じる幽霊屋敷の女・若狭が、音楽と相まってとても不気味で、『蜘蛛巣城』の山田五十鈴を思い出しました。セットとは思えないほどの美術の作り込みが生むリアリティ。
雨月物語』は『蜘蛛巣城』より4年前の作品ですが、もしかしたら蜘蛛巣城みたいに能を意識した作品だったのかもしれないですね。時代劇と古典芸能の相性の良さかなあ。


そういえば先日、京マチ子さんが亡くなられたらしい。大往生ですよね。今作では幽霊役だったんだよなあ、とか思ったり。正直ご存命だったことが驚きなレベルですけど。