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人生の短さについて 他2篇

人生の短さについて 他2篇 (古典新訳文庫)

人生の短さについて 他2篇 (古典新訳文庫)


友人の勧めで。1世紀ローマの哲学者で、ネロの家庭教師。なんか頭の中でキケロと混ざってたけどセネカの方が100年くらい後の人物だった。


標題作の『人生の短さについて』は短くまとまっていて読みやすかったです。多くの人は、時間が無限にあるように錯覚し、空費している。もっと意識的に、有意義に過ごさねばならない、と。
今この瞬間を大切に生きる、というのは自分の価値観と適合する部分が大きかったですが、逆に言えば新しい示唆はそこまでなかったかも。
『母ヘルウィアへのなぐさめ』『心の安定について』は、それぞれ母親と後輩に宛てて書いているのでこれも読みやすい。でも一番読みやすかったのは巻末の解説かもしれない(


思想としては近代の実存主義に通じるものがあって興味深かったですね。2000年前から人間は同じようなことを考えているんだよな…。「閑暇」の過ごし方については意識していきたい。