適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

太陽を盗んだ男 ★★★★★★★★★☆

太陽を盗んだ男 ULTIMATE PREMIUM EDITION [DVD]

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「お前が殺していい、たった一人の人間は、お前自身だ!」


青春の殺人者』を観たので、長谷川監督作品のうちもう一つを。何というか、とても大きなエネルギーを内包した作品でした。
中学校の理科教師・城戸誠が、東海村原子力発電所からプルトニウムを盗み、アパートで原子爆弾を製造。お手製の原爆を使って政府を脅迫する…、という、ぶっ飛んだストーリー。


城戸の心中が終盤までほとんど描写されず、『鉄腕アトム』の主題歌なんて歌いながら、淡々と原子爆弾を作る様子が何とも不気味でした。プルトニウムを舐めて死んでしまう猫がかわいそう。
脅迫してみたはいいけど、要求が思いつかずにラジオで案を募るっていう展開がまた面白い。「ナイターを最後まで中継してくれ」っていうのは無邪気というかなんというか…。
結局5億円を要求するのも、原爆製造のためにサラ金から借りたお金が返せなくなったからですし。よく見たら取り立て屋が西田敏行で笑いました。若い。
少し尺長いとな、は思いましたが、爆弾を巡る攻防に移ってからは概ね一触即発感があって良かったですね。なんせ原爆だからな…。あとヒロイン役の池上季実子がちょっと石原さとみに似てた(


全身を撃たれながら城戸を羽交い絞めにできるゾンビとしか思えない菅原文太とか、そもそも原発の警備があんなに甘いわけがないだろ、とか、全体的にツッコミどころは多かったんですが
それ以上に、作品そのものが持つ勢いと狂気が前面に出ていて、強烈に印象に残る作品でした。ラストの描写も、結局何が現実で何が虚構なのか…という感じでしたし。
観終わって思うのは、ゼロ年代に流行った所謂「セカイ系」に通じるものがあるなあ、と。主人公と国家との中間領域の描写を捨象することで、緊迫感がよりダイレクトに伝わるというか…。