適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

お茶漬の味 ★★★★★★★★★☆

お茶漬の味

お茶漬の味


「インティメートな、もっとプリミティブな、遠慮や気兼ねのない、気安い感じが好きなんだよ。」


ブルジョアの妻が、長野出身の夫の質素な暮らしぶりに辟易し、女友達と遊び回っているうちに夫が海外出張へ出かけてしまう。
夫がいなくなった家に帰ってきて初めて、夫の存在の大切さに気づく、というような筋立て。木暮実千代淡島千景津島恵子と女優が豪華で、とても画面が華やかでした。


佐分利信演じる茂吉の、朴訥ながらも優しさを感じる様子が良かったです。小津作品って気性の激しい人間が全然出てきませんが、茂吉も、あれだけ妻の妙子が好き放題しているのに
それに怒ることなく、挙げたセリフの場面もそうですけど、訥々と、穏やかに言いたいことを言う。そして最後に和解。家族の解体を描いた作品ばかり見ていたので、今作は逆で新鮮でした。
お茶漬以外にも、トンカツ、ラーメン…等々、食べ物のシーンが多かったのも印象的でした。戦後七年でそこまで復興していたのか、ブルジョア家庭なので上級国民の特権だったのか…。
あと、茂吉と妙子、もしくは妙子と友達、節子と岡田…と色々な人物の対話シーンがあったので、特徴であるイマジナリーライン超えが多く、一度気になるとずっと気になってました(