適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

ひそねとまそたん ★★★★★★★★☆☆

最近アニオタカツドウをサボっていたのでたまには、ということで、放送当時、千和クラスタが少し話題にしていて気になっていたこの作品を。1クールだったのですぐ見終わりました。


航空自衛隊岐阜基地で働く新人・甘糟ひそねが、戦闘機に擬態したドラゴンのパイロットに任命され、パイロット仲間と交流を深めていく、というストーリー。
樋口真嗣総監督、岡田麿里脚本という異色のタッグでしたが、それぞれの色が鮮明に出ていて、なかなか興味深かったです。


まず、ドラゴンという生体兵器に事情を知らない一般人が乗り込む、という導入。「乗れません!」と宣言するひそね。OTF(ドラゴン)には「心に空白を抱えた少女しか乗れない」こと。
終盤、軍を抜けて実家に帰ったひそねが戻ってきて「乗せてください!」と懇願するシーン。…意識してないわけないと思いますが、完全に『エヴァ』でしたね…w


一方で「恋愛感情を抱いているパイロットはOTFに乗れない」とかいう設定に「恋愛感情を抱かせないため、一度恋愛させて完膚なきまでに失恋させましょう」という斜め上の展開。
登場するパイロットも、思ったことをすぐ口に出してしまうひそね、母と同じパイロットになったがOTFに乗れず悩む名緒、女性差別に悩む絵瑠…。思い返せば問題児しかいない。
性コミュニティでのいざこざもあり、完全に岡田麿里の得意分野、みたいな面も強い。この2人の色が、混ざり合っているかはともかくとして、1つの作品に共存しているんですね。


そして、ともすればエグくなりそうな世界観をコミカルなファンタジーチックにしているのが、独特の優しいキャラクターデザイン。『みんなのうた』や『おかあさんといっしょ』を
担当しているような人がデザインしているおかげで、とても柔らかい絵に見える。まそたんのデザインは可愛いですし、個人的に『エルマーのぼうけん』の竜を思い出しました。
擬態するドラゴン、一癖あるキャラクター、そして柔らかい独特のデザイン。エンディングもフランスのかつての流行歌、とかなり独特で、壮大な作品になるのでは?と思って見ていました。


…で、全部見終わっての感想を率直に言うと「手堅いけど新規性はなかったなあ」みたいな感じになるのかな、と。ひそねが成長したのか?と考えるとそうでもない気がしますし
終盤の核となっていた「マツリゴト」にしても、これに失敗すると日本全土が危ない…みたいなセカイ系的設定を急に出されてもちょっとノリ辛い。コミカルな作風との食い合わせの悪さ。
以前はどのようにこのしきたりを行っていたのか、ドラゴンの好物であるレアメタルをどのように手に入れていたのか…等、よく考えると設定自体も説明されていないところが割とある。


ガワがふわっとしているので、ではキャラクターの内面が魅力的で、ということになるのかというと「心に空白を抱えていないと乗れない」という設定上、登場キャラクターは
単純に可愛らしい、で済まされるような造形ではない。更に、絵本のようなキャラデザが昨今の萌えアニメと一線を画しているのも手伝って、「キャラ萌え」もし辛くなっている。
嘘がつけず人間関係の構築が苦手、というひそねのコンプレックスが、本音でぶつかり合えるという強みになる、という落とし方は綺麗ではありますが、やっぱり優等生的だな、と…。


正確に言うと、世界観、キャラクター、デザイン、どれをとっても昨今の深夜アニメとは違う、異質なものを感じさせながら、展開はとても手堅く、カタルシスをあまり感じられない。
珍しい見た目の料理が出てきたので期待して食べてみたら味は普通だった、みたいな、期待との乖離を感じさせられる作品でした。丁寧だったけど、丁寧だからこそ感じる違和感。


千和さんのキャラクターは先代のまそたんのパイロットで、今は一児の母。子供に相槌を打つシーンがとても自然でした。母親役がすっかり板についてきた感がありますね。
今や二児の母となった千和さんも、プライベートではこんな感じなのかな?と、ちょっとほっこりしましたね。今は長女さんはもう4歳かな?久しぶりに近況聞きたい…。
声優の話だと、ともすれば嫌われそうな設定の主人公に、久野美咲さんの幼い声が上手く作用してギリギリセーフみたいになってたのは良いキャスティングだな、と。
逆に名緒を演じていたともよちゃんは、口の悪いキャラの演技をあまり聴いたことがなかったので新鮮でした。フォスの時ほどの驚きこそなかったけど、結構幅広いよな、と改めて。