適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

さよならドビュッシー ★★★★★★★★☆☆


桐島、部活やめるってよ』の橋本愛がとても良かったので、橋本愛主演作を探そう!と思ってWikipediaを漁ったところ、見たところほとんどホラーとサスペンスしかない…。
まあ、日本人形かクレオパトラみたいな顔してるし、適材適所ってやつだよなあ…とか思いつつ、そこまでサスペンス度のなさそうなこれを借りてきました。


お金持ちの一家・香月家の孫娘・遥と、従姉妹のルシアは小さい頃から仲良くお屋敷で暮らしていた。高校生になった頃、お屋敷が火事になり、ルシアは焼死してしまう。
全身に火傷を負いながらも、全層植皮術が成功して奇跡的に生存した遥は、同じく焼死した祖父の遺言とルシアとの約束通り、ピアニストを目指してリハビリを開始する…。


遥にピアノを教えるピアニスト・岬洋介役はピアニストの清塚信也芸文字の人やん。リストの『マゼッパ』を弾くシーンはすごかったですね。
題材になっている『月の光』の他にも『アラベスク』など、使われているのは有名な曲が多かったので、聴いているのが単純に楽しかったです。


…で、ピアノと主演は満足だったんですが、ミステリ要素はちょっと弱かったし、そもそも構成が甘かったかな、と。別にオチが分かりやすいのは目当てじゃないのでいいんですが
殺人未遂事件が急に解決したり、真相が急に語られたり…と唐突な印象が強く、ストーリーにもう一つ乗っていけなかったです。もっと気になったのは台詞で、不自然なものが多い。
奇跡の生存を遂げた遥に「皆のおかげで生きていられるんだから甘えずに努力してリハビリしろ」とか言うのはあり得ないし、刑事が「ピアニストより弁護士になったほうが良かったのでは」とか
面と向かって言うのもおかしいやろ、みたいな…。役割上わざと嫌な台詞を設定してあるんだな、みたいなのが透けて見えるのがマイナス。設定と台詞回しにリアリティがなさすぎる。


橋本愛の演技は概ね満足だったんですけど、『桐島』があまり感情を露わにしないタイプだったので、胸の内を激しく吐露するシーンはちょっと違和感あったかな、と。
でも、これ撮ったとき17歳だったと考えたら十分すぎるかもしれないな…。また何作品か観ていきたいですね。多分苦手な作品が多そうな気がするのが辛いところですが…。