適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

ぼくたちは勉強ができない ★★★★★★★★★☆

学費免除の推薦を狙う高校生・唯我成幸が、理系進学を希望する文系の天才・古橋文乃と、逆に文系進学を希望する理系の天才・緒方理珠の教育係を務めることになる…というストーリー。
…天下の週刊少年ジャンプで連載していて、かつリアルタイムで放送していた作品のあらすじなんか書かないでも、とも思うけどまあいいか。導入部を見た時は「天才に勉強を教える…?」とか
思ったのですが、希望進路と得意分野が一致しないという設定になるほど、と。東大入って進振りで文転/理転しろよ、とか京大の総合人間学部でええやんけ、とか思ったけど流石に野暮すぎた。


割と根が萌え豚*1なので、この手の学園ものはまず毎クール見ているんですけど、序盤を見ている時は、理由は分からないなりにある種の物足りなさというか、印象の薄さを感じていました。
何故だろう、と考えた時に、他のラブコメ作品と比較して、登場人物に外連味がないからなのかな、と思うんですね。ジャンプ史上最長のラブコメらしい某作品と比べても、暴力女もいなければ
他ヒロインを押しのけて主人公に猛アピールするようなキャラもいない。同級生のヒロインが3人ともとても良い娘なんですけど、逆にそこが印象の薄さに繋がっているのかなあ、と。


しかし、林間学校で理珠との距離を縮めたのを皮切りに、うるか、真冬先生、あすみ先輩…と順調に所謂当番回をこなすのを見ているうちに、いつの間にか次回が楽しみな作品になっていました。
ストーリーの都合上で誰かが持ち上げられ、代わりに誰かが下げられる、ということがないので、どのキャラに対しても不快感がない。ある程度主人公に対しマイナスの感情を抱いているキャラも
その矢印が後々反転することは珍しくないし、いてもおかしくない、というよりはそういうキャラを配置するのがむしろ常道だと思うんですけど、今作に関して言えば今のところはそれがない。


これだけヒロインの扱いが平等なラブコメも珍しいな、と思いながら見ていたのですが、一方で、少しずつ特殊な立ち位置になりつつあるキャラがいることも気になっていました。古橋文乃です。
「文系の天才」として描かれ、人間の心の機微を読み取るのが得意だから、様々な恋愛相談に乗る、という設定の文乃。出番の担保こそされているけれど、これ、競争では負けるやつだ…。


…とか思いながら見ていたところ、最終話の13話Bパートが文乃メイン回で、これは上手いなあ、と思わされました。まずこの13話自体、とても構成が巧みなんですよね。Aパートの夏祭りで
ヒロインズ全員と絡んで見せ場を作る一方、うるかに気を遣って二人きりにしてあげることで文乃は一旦退場する。あー、またこういう立ち位置か、と思わせておいて、お互い迷子の姉妹を助けて
終電を逃した成幸と文乃が2人で近場の旅館に泊まることになる、と。偽名書くのは旅館業法に触れるんだよなあ。そこで同じ布団に入り、将来の夢を語る文乃のヒロイン力よ。


さて、今作の特徴として、「夢があるけど学力が追いついていないヒロイン」と逆に「学力はあるけど夢のない主人公」、そして「夢より現状で才能がある道に進むべき」とする真冬先生の3つ、
ざっくり言うと「夢or才能」のイデオロギーの対立がある、という印象を持っているのですが、1期ではあまり掘り下げて語られていなかったのも事実なんですよね。あくまでも手堅いラブコメ
そんな中、「良き理解者」としての立ち位置に甘んじていた文乃が、最後に夢を語り、ヒロインの存在感を遺憾なく発揮する。そのギャップがとても魅力的だったし、上手い構成だと思いました。


1クールを通して、メインヒロインの扱いに大きな差がなく、等しく魅力的に描かれており、当番回も配置してある。それでいて主人公は鈍感ながら嫌味がなく、好感の持てる設定。
おそらくはかなり原作の時点でバランス感覚に優れた作品なんだろうと思いますが、それを13話の、しかも続きのあるアニメでここまで綺麗な構成にできるのか…という驚きがありました。
雑破業先生構成作品への信頼度が見る度に上がるなー、と感じました。感情を強く揺さぶるようなタイプの作品ではないですが、タイトルに反してとても優等生的な佳作ラブコメ。2期も楽しみ。

*1:割と最近は「萌え豚」という言葉自体が死語になってきている気がする