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超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! ★★★★★★☆☆☆☆

超人高校生たちは異世界に来てしまったようです!

超人高校生たちは異世界に来てしまったようです!

  • 発売日: 2019/10/03
  • メディア: Prime Video


世界最高の政治家、世界最高の実業家、世界最高の発明家…、と超人的な能力を持つ7人の高校生が異世界で無双する、というストーリー。我ながらめっちゃ簡潔に説明できた。
田淵智也田中秀和のタッグという恵まれた主題歌、概ね高水準の作画。少なくともガワはそこまで悪くなかったように思います。林檎ちゃんが可愛い。声も可愛い。


早い話が、昨今のトレンドである異世界転生ものですね。後発の作品は、どれだけ既存のテンプレから逸脱させて差別化するか、というところが大事になってくると思っていて。
今期の他作品だと『本好き』は女性の転生で、戦闘力じゃなく知識欲を売りにしているとか、『けものみち』は主人公がレスラーでケモノ好き、とか。
そして、今作の特徴としては、冴えない主人公が転生したらいきなり最強に、ではなくて元の世界で既に最強クラスであるところ、しかもその超人が7人もいるところ、の2つでしょうか。


…で、この作品の問題点として1つ挙げられるのは、他作品と差別化したポイントを上手く活かしきれていないというか、持て余しているところにあるんじゃないかな、と。
主人公が世界最高の政治家(?)でありながら、格闘術の心得もあったり。剣豪とか忍者の立場とは…。7人いることがサービスシーンくらいでしか活かされていない。…これは大事か。
あと、あの文明レベルから何でも作れる発明家と、ミサイルと並走して乗りこなせる剣豪がチートすぎて、商人とかただの一般人だったよな、とか。明らかにレベル差がありますよね。


見ていて一番違和感があったのは、主人公である司が「革命を起こして民主的な共和制国家を作ろう」とするところ。世界最高の政治家であれば当然、各政治形態の良し悪しは分かるはずで。
異世界の文明レベルに合った統治形態って、必ずしも共和制ではないのでは?」という疑問が。あくまでも腰掛けというか、現実世界に帰る方法が見つかれば帰るつもりなわけですよね。
衆愚政治に陥らないような民主主義を根付かせるには相当な時間がかかるはずだし、それこそ、ここ10年の北アフリカのように、革命を起こしても民主化に失敗することも考えられるわけで。
作中でやっていたように、暁を擁立して宗教国家にするか、独裁で急速に文明化したほうが良いんじゃないかな、とか。「民主化」が正義、のように描かれているのはちょっとなあ。
更に言うと、11話で医者が敵を洗脳してたけど、こいつの発想、絶対民主主義と相容れないよな、とも。その辺どう折り合いつけるのか気になったけど、まあ尺があるはずもなく…。


…とまあ色々書いたんですけど、最初に書いた通り、ガワはまあ悪くないので、深く考えなければ見られないほどではなく、また逆にツッコミどころを探すという楽しみ方もあり。
個人的には医者が一番面白かった。野外オペとか、見ただけで何日後に病気になるか分かるとか。サルファ剤は病気を抑え込むだけだから気持ちが大事、とか言っておきながらの後半の豹変よ。
かつてのニコニコ動画全盛であれば、コメント付きで見たら面白かったかな、とか思いました。…しかし、なぜこれを完走してしまったんですかね。他に見るべき作品あったのでは?