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影武者 ★★★★★★★★☆☆

影武者

影武者

  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Prime Video


黒澤作品、順番に観ていくつもりだったけど、『デルス・ウザーラ』の配信がないので視聴が止まってました。…が、ないものは仕方ないし1つ飛ばすか、ということで次にこれ。
武田信玄と弟の信廉が、信玄にそっくりな盗人を捕らえ、打首にする代わりに影武者として雇う、5分以上の印象的な長回しのシーンからストーリーが始まる。
野田城を攻めている途中に狙撃されて重体になった信玄。「自分の死は、死後3年秘匿せよ」との遺言を残して亡くなり、信玄を慕う盗人が影武者として仕えることに。
最初こそ正体がバレそうになったものの、次第に打ち解けていく影武者。一方、信廉は影武者と分かっている盗人に表向き忠誠を誓うのに嫌気が差し、反発するようになる…。


今までに観た黒澤監督の時代劇作品とは少し異質だったように思います。戦いのシーンがあまり印象的ではない、という意味で。
高天神城の戦いもあまり印象に残らないまま、勝利したけどこれは信玄の威光の力で自分の力ではない、と信廉が悔しがるくらいしかないし。
ラストの長篠の戦いは、まあ小学生で習ったから今更ですけど、鉄砲隊の活躍により織田・徳川連合軍が武田軍を撃破。皆死んで終わってしまうし。
そういえば、クレジットで「外国版プロデューサー:フランシス・コッポラ ジョージ・ルーカス」って流れてきたのは圧巻でした。


その分、というか、影武者にかなりの尺を割いて描写しているので、最後に居ても立っても居られなくなった影武者が飛び出していって狙撃されるところには悲哀を感じましたね。
敢えて自分を影武者だと言っても信用されずに笑われたり、信廉がボロを出させようと影武者に意見を求めるのを上手い受け答えでかわしたり、とコメディ要素も面白かったです。
3時間は長いし疲れたけど、冗長だとは感じなかったかな。そういえばこれが志村喬が出演した最後の黒澤作品らしい。次の『乱』も近いうちに観ようと思います。