適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0(を、クイズゲームに適用する)

年末にタイムラインで少し話題になっていた時に存在を知って、買ったのは確か2月頃だったかな。
東大卒プロゲーマーの筆者が、スランプに陥り、そこから立ち直った経験を元に、「努力」のやり方についてまとめられている本です。


ここ数ヶ月は全然話題に出す機会がなかったのですが、今でも一応自分は『クイズマジックアカデミー』というオンライン対戦ゲームを楽しんでいる身でして。
格闘ゲームクイズゲームではもちろん事情は違うのですが、それでもどこか共通するメソッドはあるはずだと思ったので、読んでみることにしました。
というのも、ここ数年ずっと実力が伸び悩んでいるんですよね。前提として、モチベーションの低下と環境の変化によってプレー量が減っている、というのはありますが。
「正解」「勝ち」「合理性」の世界で行き詰まっている人に役に立つ1冊」という宣伝文句を見て、1つでも参考にできるものがあれば良いかな、と。


…というわけで、以下は読んだ中で参考になりそうなものを自分なりに咀嚼したもので、感想とはちょっと意味合いが違うので、いつも以上に自分用の文章かもしれません。


本書で述べられている努力論は ①反復の法則 ②環境の法則 ③メンタルの法則 ④継続の法則 ⑤Whyの法則 ⑥地力の法則 の6つから成っているので、1つづつ検討してみます。

①反復の法則

ここでは「インプット→アウトプット→フィードバック」のサイクルをできるだけ速くすることが大事」「負けを恐れず、対戦の機会を増やすべき」という2つ。
特に前者が参考になるかな、と。QMAでよくやりがちなのが、ほぼ初見が出なくなるまで1つの形式を予習し続けること。自分もやり込みたい性分なので、どうしてもやってしまいがちでした。
もちろん、プレー歴が長いなら、それでも強くなれるでしょうし、実際トップランカーと自分とはプレー量・努力量に相当差はあるでしょうけど、後発としては、もっと効率良くプレーすべき。
なので、ここ最近プレーをする際は、あまり1形式を深追いせず、苦手なジャンル形式を手広く予習するスタイルに変えています。どちらが正解かは分からないので、まだ未知数ですが。
対戦機会を増やすべき、というのは、以前ランカーから「トーナメントにちゃんと出て問題を解いたほうが良い」とアドバイスされた通り。これでも前作に比べたらトナメは回数を増やした方。

②環境の法則

ここでは「オンラインではなく顔を合わせて練習する」「少し背伸びした環境を選ぶ」「教えることで理解しているか検証する」とか。
最初のについては、以前そういう環境だったからこそ強くなれたので同意しかないですが、今は物理的に無理なのでスルー。次のポイントが大事かなと思いました。
75~80点くらいの出来になったら次に行く」という筆者の主張は、上でのサイクルを速くするという主張とも重ねやすい。要は、同じ形式を9割以上詰めるより所謂「防具」を増やすべきだと。
なので、まずは現状で総合正解率80%を切っている形式をリストアップしました。得意不得意が激しいせいで、キーパネですらいくつか7割台があったけど、予習してみたら確かに合格できない。
本当に始めたところ、という感じですが、今後はこういう極端に苦手な形式を潰すことを意識しようかなと。人に教えるのは…QMAにおいてはあまり当てはまらないかな。教える人もいないし。

③メンタルの法則

ここでは「心のエネルギーを節約する」「毎日自分をモニターする」「格下相手でも侮らない」「勝負所で効くのは平凡な技」とか。
前半は自分のコンディションを保つ方法論で、レベル高いけどここまではいいか…と思いましたが、後半はとても参考になると思いました。
格下の相手を侮らない、というのは、大会の序盤、こちらが先を見据えて温存した場面で、相手が全力で高火力形式を使ってきて負けてしまった、というよくある展開に当てはまるかな。
防ぎにくいですが、去年出ていて思ったのは、温存しどころを見誤ってはいけないということ。明らかに複数人が自分に不利な形式を使ってくる公算が高いなら、序盤でも全力で行くべき。
大会歴の長いプレイヤーで、こういう場面の自選チョイスが上手い人は、正解率以上に強いことがしばしばなので、ここは慣れながら身につけていきたいところ。
勝負どころで効くのは平凡な技、というのは、QMAだと「自分の武器の精度は出来るだけ高めろ」ということ。絶対に24問の中で6問解くことになる形式を当てられないと、勝負にならない。
これを武器以外の形式でやると上述のように効率が悪くなってしまうので、分けて考えないといけない(のに、今まであまりできていなかった)。ここは反省点。
ただ、QMAだと、武器の精度は出る大会に照準を合わせて集中的にメンテできなくもないですが。自選を大事に、という点では、最近アニメ・特撮のブラッシュアップを図っているところです。

④継続の法則

ここでは「行動をルーティン化する」「生活環境を整える」「一点集中主義でいく」「頼れる部分はアウトソーシングする」とか。
現状、ゲームに一点集中するのはちょっとリスクが高いし、そこまでするモチベもないので、この項は割と飛ばし気味でしたが、ルーティン化のポイントはプレーに活かせるかなと。
種類の違う行動を入れる、ルーティンに縛られない、大事なポイントは抑える、という3点が挙げられていましたが、現状も、予習はある程度ごとにジャンルを変えるようにしていますし。
…まあ、ただ飽きないためなのですが( ここは重点的にやろう、と決めた形式は事前にnクレずつ回す、と決めて、遊びに行く前に予定を立てたりもしています。そういう性分なだけですが。

⑤Whyの法則

ここでは「嫌なことはやらない」「義務はやりたいこととセットにする」「心の声と世間の声をごっちゃにしない」の3つ。
最初と最後は人生訓なのでありがたく受け取るとして、真ん中は結構有用ですよね。自分も学生の頃は「この課題終わったらゲームする」とかよくやってたので。
現状だと、問題整理と暗記に飽きて、公式サークルで適当に遊びたくなった時に「あと○○問整理したら2クレだけ遊ぶ」とか、それくらいにしか…( いや、まずどっちも遊びだけど。

⑥地力の法則

ここでは「駆け引きに頼らない」「どうなりたいかを考える」「具体的な数値目標を持つ」とか。
かつてポケモントレーナーだった時代も、駆け引き重視のピーキーなプレーが好きだったのでとても耳が痛いですが、地力をつけたいのは確かなので、まあ、これはぼちぼち…。
「どうなりたいか」は、以前もしかしたら書いたかもしれませんが、「現状より1ランク上になりたい」ですね。G1大会を、それなりの頻度で勝てるくらいのレベルを想定しています。
大会参加にも時間と交通費がかかる現状、それくらいの強さまで到達できれば、もっと対戦を楽しめるかな、と思うので。現状では顔を出しに行っているだけ感がまだ強い。
具体的な数値目標については、ずっと総合正解率85%が目標でしたが、下がる一方だし、今の実力とプレー頻度を考えるともう少し現実的な方が良いと思うので、総合正解率84%が妥当かな。
まずは、次回作で(いつ稼働するか分からないご時世ですが)これを目標にして、弱点を埋めていこうかと。一番ひどいのだと、未だに正解率50%台の形式とかあるので…。

総括

以上、自分なりの結論としては「1形式を深追いせず幅広い形式を予習する」「自選の精度を高める」「トーナメントになるべく出る」「大会の序盤で出し惜しみしない」辺り。
並べてみると当たり前に見えるけど、実際、出来てなかったんですよね…。それでも多分、十分なプレー時間が取れれば関係なく伸び続けたのかもしれませんが。実際、今まではそうだったので。
世界を獲ろうとしている人の努力論を、無理のない範囲で取り入れて実力の維持+αに使おうとするのはアレかもだけど、身の丈に合った活かし方としては、このくらいが最適かな。
疲れたからこれ以上プレー量は増やしたくない」けど「割ける時間の範囲で効率良く強くなりたい」という自分のようなニーズも満たしてくれる本だな、と読んでいて思ったので。


これは普通に本の感想ですが、格ゲーのプロゲーマーの世界って大変なんだな、と思いました。普段触れていない世界なので、単純に体験記は読み物として興味深かったです。
最後の章、ドミニカのプレイヤーとの心温まる交流の場面は、他地方の大会に遠征して歓待してもらった時の想い出と重なるものがありました。趣味のコミュニティって良いですよね。