読書
読んでいて面白そうだな、と思ったのは、イチオシしていた辻村深月さんの本。どうやらスターシステムらしく、ちょっとオタク心をくすぐるんですよね。
改めて、推しとの距離感というものを考えさせられる本でした。
話し方というよりは聞き方。相手に話させて、そこから広げていくほうがカタいという話ですね。
経験がある側がすぐに教えてしまうのが最適解ではないということ。
話を続けるのが億劫になるようなレベルの会話はしたくないので、避けるテクニックみたいな箇所をむしろ参考にすべきかもですね。
必ずしも生活上の必要がなくても、目標に向かって歩み、努力を要する課題に取り組む中で生きがいが生まれることがある。
できる範囲で利他的に、そして驕らないこと。
谷崎作品、増村監督映画のイメージで異常性愛みたいな漠然とした先入観があったけど、人間の深い愛情、思念が感じられる小説だった。
先月のうちに読み終わっていたけど、そういえば感想を残していなかったので。
あまり経歴に詳しくなかったので、ロングインタビューで生い立ちとキャリアの変遷を語っていたのが興味深かったです。学業との両立ってやっぱりキツいんだな。
最近歴史がマイブームなので、その系統の読み物で面白そうなものを、と思ってこれを。
仕事でも家族でも、責任を持つと生きることを軽々しく放棄できなくなる。換言すれば、生きる目的を見つけないと先は暗い、ということ。
自分を愛することができない人は人を愛することが出来ないし、人間を愛することが出来ない人は一人を愛することもできない。分かるんだけど、実際には難しい…。
知識や真理を追い求めることと、それを実行することとの間には大きな隔たりがあるんだよな…と、読んでいてとても耳が痛いところでもありました。
舞台設定について懇切丁寧に説明されることはなく、適宜頭に疑問符を浮かべながら状況を読み取っていき、読み終えた時に少し理解した気持ちになる。骨のある小説でした。
「最上の書物とは、読者のすでに知っていることを教えてくれるものなのだ」という箇所も好き。読書の醍醐味について、簡潔に言い表した名言だと思います。
アニメでもパチスロの売上から続編に繋がってそうな作品ありますけど、ソシャゲに課金してくれたユーザーのおかげで続編が遊べたと思うと、ありがたいですね。
ストーリーそのものが面白い、というわけではないけど、読みながら色々考えるのが楽しい類の作品だったかな。太田光が今作から事務所名を命名したのもちょっと分かる気がする。
好きなエピソードを挙げると「月は今でも明るいが」「火の玉」「第二のアッシャー邸」「長の年月」「百万年ピクニック」とか。
最も共感できたのは、アウトプットの大切さについて触れていた最終章でしょうか。10数年もの間、感想をアウトプットすることを大切にしてきた自分の信条と合致するものがある。
「夏への扉」に言及して始まって、同じく「夏への扉」に言及して締めくくる、という構成がとても綺麗でしたね。
自分の「オチを求める」「解釈を求める」みたいな習性への警句となるのが、まさに今作だったんだ、と気付く。
甘酸っぱさとフランス文学らしさが混ざりあった不思議な味わいだったところに、一気に深みが出た感じ。
この本は本当にほとんど必要なことしか書かれておらず、実用的でした。
キャンプの描写がかなりリアルで、かなり勉強になったというか、面白かったですね。自分はこういうアウトドア趣味がないから新鮮だった。
疾風怒濤(シュトルム・ウント・ドランク)の代表と言われる作品ということで、序盤はとっつきにくさを感じていたものの、中盤からは一気に読んでしまいました。
中川夏紀と吉川優子の関係性も好きですが、それ以上に、この2人のあすか先輩とはまた違う聡さがたまらなく好きです。理想の部長・副部長だよなあ。
「ストリップげきじょう」が「れいのみせ」になってるとか、病院で治療を断ったら「しんでしまいなさい」って言われるのが修正されてたりとか。
一番印象的だったのが、この9年間に(主に趣味のクイズゲームで得た)知識のおかげで、長編中のペダンチックな会話のいくらかが理解でき、それが楽しかった、という点。
自分の人生はキノの旅と出会う前よりも、もはや出会ってからの方が長い、という事実。これだけ長い間書いてくれるのは本当にありがたいですね。