レイズナーとガンダムが3クール、バイファムが4クールだったので、次は比較的手軽に見られる2クールくらいのアニメを、ということで機甲界ガリアンを見てました
結局一か月くらいなら試しにお金払ってもいいか、と思ってたバンダイチャンネルに二か月目の課金をしているという…いや、でもこれ月1000円は安いですよ(
ここ数年の深夜アニメを見ることが多い自分の感覚だと、1クールで尺不足に陥っていたり上手くまとめていたり、逆に2クールで中弛みしたり、という
アニメ作品をよく見るのですが、そういう表現を用いるならガリアンは「2クールで上手くまとめたアニメ」だったと思います。全25話が短く感じました
ストーリーの壮大さが見ていると段々分かってくる構成で、主人公ジョジョ→征服王マーダル→高度文明連合 という三層構造になってるんですね
ジョジョは母親を取り戻し、征服されて滅亡した祖国アーストの再興をしたい、しかしマーダルが征服したのは人類の進化には闘争が必要だという信念があった、と
しかもマーダルは反乱を起こし敗れてアーストへ攻めてきた、という設定で、更に銀河を支配する高度文明連合は管理社会を是とするためマーダルとは対立する
更に、もともと高度文明連合はジョジョの住むアーストの古代人の末裔だったのだ、という、なかなかに練られたSFもののロボットアニメでした
ジョジョ、マーダル、高度文明連合、それぞれに三者三様の正義というか価値観があって、当然どれが正しいとも一概に言えないのが面白かったです
特に、ジョジョ以上に影の主人公とでも言うべき征服王マーダルが魅力的でした。管理社会下では人間の進歩はないから、更なる発展をするためには
闘争が必要であり、だから意図的に平和を乱すのだ、という主張には一つ筋が通っていて、単なる勧善懲悪では語れない味のある悪役だな、と感じました
それに比べて主人公はやや直情型で考えなしなところがある*1のですが、周囲を固めるキャラクターがしっかりしているので一定の説得力は一応あります
ただ、設定自体の高尚さに実際のアニメが若干追いついてない気がしたというか、簡単に言えば魅せ方としては地味だな、という印象は受けました
上で書いたような全容が明らかになるのはかなり後半になってからですし、その分終盤がかなり駆け足気味になってしまっていたのはもったいないな、と…
四クールやるなら高度文明連合の話を中心にするという構想もあったらしいので、そこらへんは制作側の都合なんでしょうね。打ち切り感まではなかったですし
比較的短期間で視聴できますし、二クールで主人公サイドと敵サイドの正義を描き切ったという点で手堅い佳作だと思います。興味があれば是非(定型句)
*1:子供なので仕方ないんですけどね