適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

續姿三四郎 ★★★★★★★★☆☆

續姿三四郎

續姿三四郎

モチベがあるときにどんどん見進めていこうということで3作目。タイトル通り『姿三四郎』の続編ですね。公開は1945年5月で終戦の数ヶ月前。これ当時映画館に観に行けた人って超上級国民なのでは…?
旅から帰ってきて迷いが晴れるかと思いきやまだずっと悩んでいる三四郎。自分が負かした柔術家が食うに困ってアメリカ人との見世物で噛ませ犬になって糊口を凌いでいるという現実を知り、自分が何のために
柔道をやっているのかわからなくなる、という筋立て。また前作のライバルでありラスボスである源之助もすっかり病に倒れ、かつては想いを寄せていた小夜に衰えた姿を見せたくなくて三四郎に顔を隠してくれるように頼む。
強さゆえに望まぬうちにどんどん敗者を、敵を生み出してしまうという苦悩。これも戦時中に公開された映画であることを考えると、こういう三四郎の優しさにフォーカスしてるって結構すごいことなのかもしれません。
一応アメリカ人を柔道で倒すシーンとかはあるのでセーフだったのかな…?あと師匠・矢野の「戦いとは真の統一までの道程である」というセリフも戦争賛美と取れなくもないですが、多分そういう意図でもなさそうですしね
ラストは三四郎の優しさが檜垣兄弟を技のみならず心でも凌駕した、というハッピーエンドでした。こういう人情味溢れるというか、ヒューマニズムを前面に出した映画って好みなので、割と黒澤作品って肌に合うかもしれない…