四畳半神話大系・夜は短し歩けよ乙女と面白かったので原作者同じなら多分面白いだろう、ということで仕事終わりに自転車飛ばして観に行ってきました。映画はタイミングが合う時に観ないと結局観なくなるからなあ
10歳の少年・アオヤマ君を主人公に、突然出現したペンギンを巡る出来事を描いたSF作品。原作は日本SF大賞を受賞してますね。…とまあ、テンプレみたいなことを書いても仕方ないからこれくらいにしておこう
そういえば冒頭で「脚本:ヨーロッパ企画」って出てきた時に見覚えがある名前で「これって最近どこで見たんだっけ…?」ってなったんですけど、委員長のクソゲーですね。「酒井ィ?名前覚えたからなァ…」やん。
今まで見た他の森見作品で好きな要素の1つが、「主人公の語りの理屈っぽさ・オタクっぽさ」なんですよね。いかにも京大生にいそう感というか…w今回の主人公であるアオヤマ君も10歳ながら理屈っぽい語り口で好みでした。
「大変興味深いね」とか「大いに関心があるね」とか言う10歳、現実にいたら大分浮くと思いますけどねwアオヤマ君がペンギンや「海」という超常現象について考察していくうちに様々な事件が起こって…という
ストーリーなんですが、2時間のあいだ色々な出来事が起こって飽きずに最後まで観られました。結局どういうことなの…みたいな感じではありましたが、こういうの深く考えるのは趣味じゃないのでまあいいや(投げやり
話の骨子は多分、アオヤマ君のお父さんが色々アドバイスしていた、「ものの見方、視点」みたいなところなのかな?と感じました。共通項を探したり、視点を変えてみたり…子供どころか、大人になってもなかなか
できることではないですよね。10歳にして既にその習慣を身につけているアオヤマ君、どれだけ“えらい”大人になるのだろうか…。一方でデリカシーがなさすぎるところが年相応らしくて良かったですね
良かったといえば、お姉さんは言わずもがなですが、ハマモトさん可愛すぎでしたね。聡明で勝気なクラスメートで大学教授の娘。ジュブナイルものの理想的ヒロインすぎる。3人で研究してるところがもう楽しそうすぎて…
キャストの話をすると、お姉さん役の蒼井優さん、最初はちょっとハスキーやな…って思ってたんですがすぐ慣れました。新谷真弓さん好きなのでああいうハスキーな年上女性キャラが好き、というのも大きいと思いますが
あとは釘宮さんのウチダ君ですね。ツンデレの女王だとか言われますけど、釘宮さんの真骨頂ってこういう少年役なのではないか、とよく思います。久野ちゃんの妹はもう年相応の妹にしか聞こえないw恐るべしロリ声…
感想をまとめるのが難しいんですけど、爽やかなジュブナイルとして、またSFとして、エンタメ性が高く、かつ考察の余地もかなりある秀作だったと思います。幅広い層に受けそう。観に行って良かったです。
ついでにいい機会?なので森見登美彦の刊行順を復習。そういえば昔サークルのOBが「あいつのデビュー作に俺が元ネタのキャラを勝手に出されたんだ」とか言ってたのをふと思い出しました。
『太陽の塔』
『四畳半神話大系』
『きつねのはなし』
『夜は短し歩けよ乙女』
『有頂天家族』
『恋文の技術』
『宵山万華鏡』
『ペンギン・ハイウェイ』
太陽の塔は在学中に書いたデビュー作なのでもちろん最初、四畳半がその次。残りは…「きつねの夜、うち来いよペンギン」とかでなんとかなるかな?(適当)まあ刊行順の中ではまだ当たる部類なんですけどね。