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脂肪の塊/ロンドリ姉妹 モーパッサン傑作選

モーパッサンは大学生の頃に読んだ『女の一生』が面白くて記憶に残っているのですが、それっきり他の作品を読んだことがなかったんですよね。
ブログ遡ってみたら6年前に感想書いてたけどもうそんなに経つのか…。で、もう一つの有名作である『脂肪の塊』も読みたいな、と思ったので買ってきました。


全体的に厭戦的な思想を感じたので今更ながら調べてみたら、モーパッサン自身も普仏戦争に召集されて負けるっていう体験をしていたんですね。
教科書的に言えば「自然主義」に分類されるんでしょうけど、戦争を経験しているからこそ人間の嫌な部分をリアルに描き出せるのかな、とか思ったり。
特に表題作の『脂肪の塊』はタイトルも内容も醜悪な人間のエゴに対する強烈な皮肉になっていて面白かったです。脂肪の塊とは一体誰のことを指しているのか。
女の一生』しか知らなかったのでその手のウェットな話が多いのかと思ってたんですが、読んでみると楽しい短編も結構多く、むしろ短編、中編に名作が
多い作家だ、というのもなるほどなあ、と感じました。他にも短編集出てるみたいですし、また買って読みたいですね。…とかいってまた6年後になったりして(