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コードギアス 復活のルルーシュ ★★★★★★★★★★

東京に遊びに行ったついでに映画を観よう、ということでコードギアス。何せ今住んでいる市には映画館が1つもない。オタクが生きていける環境ではない。いや老人の街ですけど…。
一応、3章までしか見ていなかった『亡国のアキト』も4、5章見てから行きましたが、特に関係なかったですね。むしろ再構成した劇場版の続きだったので、そっちを観ていくべきだった。


さて、自分はガンダムマクロスといった過去のシリーズものを除けば、ゼロ年代で一番ヒットしたロボットアニメが『コードギアス』であることは疑いの余地がないと思っています。
面白さを説明するのは難しいですが、単なるロボものでなく、能力バトル、学園ラブコメアンチヒーローといった様々な要素。魅力的なキャラクター、印象に残る台詞、先の読めない展開…。
とにかく魅力的な要素が多く、様々な層に訴求するものがあったのではないかな、と。放映当時は高校生でしたけど、毎週次回が楽しみで仕方なかったです。そういえば模試から帰ってきたら
R2の録画が取り消されてて親とケンカしたの思い出した( ただ、割ときっちり終わった以上、続編ってどういうこと?という疑問はちょっとありました。ルルーシュの物語は『R2』で
終わっていて、何を続けても蛇足にしかならないのでは?と。ましてや「復活」なんてしたら台無しなのでは…。とか。ネタバレを踏む前に観に行かないと、と思って急いだところもあります。


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その辺の疑問についてはパンフレットとか、インタビューで監督が答えておられました。曰く、この作品は「ルルーシュ」というキャラクターに対する総括であると。劇場版の続きであって
TV版はあくまであれで完結している、と。その点を踏まえた上で、改めて今回の映画を振り返っていくと、「最高にエンタメ性の高いファンムービー」だったな、という結論に至りました。
関係ないですが、このインタビュー、昨今のロボットアニメを取り巻く現状についてかなり興味深い指摘をされてるので一読の価値があると思います。見てください!(シャクティ)


ゼロ・レクイエム後、平和を取り戻した世界であったが、軍事力を主要産業にしていた国・ジルクスタンが需要を失い、スザクとナナリーを誘拐する、という導入。戦争を生業にしている人々は
平和になるとメシが食えなくなるというわけで、所謂「狡兎死して走狗煮らる」ってやつですよね。C.C.とカレン達が合流してからは割とトントン拍子にルルーシュが復活し、ジルクスタンの
敵を倒し、相手のギアスに苦戦しながらも最後は勝って…と、映画という尺の制限もあるでしょうけど、TV版とは対照的に割と素直な展開でした。あとジルクスタンの声優陣の上手さはすごい。


単純な感想を言えば、最後まで息つく暇もなく、単純に「楽しい」作品だったな、という印象がまず残りました。ラストの展開は、もうそろそろC.C.も報われるべき、という
スタッフの願いがあったとかなんとか。そういう意味でもルルーシュとC.C.については綺麗に清算されて、めでたしめでたし、と言って良かったのかな、と。


…そして、裏を返すと、この2人以外にとっては全然ハッピーエンドではない、という残酷な事実があって、だからこそ賛否両論であるというのも分かるんですよね。
一番わかりやすいのがスザクで、これから一生、ゼロを演じ続けなければならない。中盤で苦しい胸の内をルルーシュに吐露したのに、結局ゼロに逆戻りでは、あまりにも可哀想…。
ナナリーにしたって、兄の真意に気づけなかったことを悔いていて、ようやく再会できたのであれば、もう少し対話に尺があっても良かったのではないか、とも思うんですよね。

ルルーシュがC.C.のことを「わがままな女だな」というのはTV版にもあったセリフで、今回も印象的な使われ方をしていましたけど、本当に今回のストーリー自体が、言うなれば
「C.C.のわがまま」であったとも言えるわけで(本人もカレンにそう言ってましたし)、ルルーシュを復活させたことで、これからの皆がどう生きていくのだろう、とか、思いを馳せていくと
この続編を受け入れられない人がいるのは仕方ないことなのではないか、と思ってしまう。批判覚悟だ、と監督が言っているのは、多分この辺のことも念頭に置いているのかもしれません。


でも、自分が今回「やっぱりコードギアスは最高に面白いな」って思えたのは、1話の放送から10年以上を経て作られた新作が、紛れもない『コードギアス』だったからに他ならないんですよね。
さながらオールスターの様相でしたし、ファンが喜びそうな小ネタを入れたり(ジェレミアのオレンジとか)、ルルーシュが策を巡らせ敵を圧倒するという、当時感じたあのカタルシスを、もう一度
平成最後の年に再現してみせてくれた。谷口監督の作品には理屈を超えた面白さがあるのが魅力だ、とまで書くと信者みたいになってしまうんですけど、面白さのエッセンスを失わせることなく
続きを作ってくれたことへの感謝が、自分の中では蛇足感を完全に上回ってしまいました。こんなに見ていてワクワクするロボットアニメはそうないし、であれば最高評価以外はつけられない。

ただ、出来れば当時一緒につるんでいたオタク友達と観て、終わった後にファミレスとかで感想戦がしたかったな、というのは正直なところですね。もうみんな大人になってしまったのかな…。