適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

悪い奴ほどよく眠る ★★★★★★★★★★

悪い奴ほどよく眠る

悪い奴ほどよく眠る


「これでいいのか?これでいいのか!」


ちなみに自分は裏表のない素敵な人ですが、割とよく眠るほうです(挨拶)。


『生きる』の主題としてヒューマニズム讃歌がある一方、もう一つのテーマに「公務員のお役所仕事」がありますよね。個人的には後者の味わいのおかげで一層名作になったと感じています。
そして「お役所仕事」というテーマを掘り下げたのが今作なのかな、と。公団とゼネコンの癒着、汚職問題が取り上げられ、上意下達が徹底された世界が描かれている。


自殺に追い込まれた公団の元課長補佐・古谷の仇を取るため、その息子が戸籍を交換して苗字を偽装し、秘書として公団内に潜伏すると共に副総裁の娘と結婚して…という筋立てになっていて
社会派サスペンス映画として楽しめる上に、音楽の効果か、守山部長を監禁するシーンとかちょっとコミカルなんですよね。少しずつ汚職の真相が明らかになっていく面白さ。


…そして、痛快な筋書きで進んでいくからこそ、終盤の展開との落差が大きいんですよね。そして冒頭の台詞がある。描写自体は淡々としているのが逆に恐ろしい…。
最後、副総裁が電話を置いた後にタイトルが大写しになるラストは強烈に印象に残るものでした。恋愛要素も絡めてあったけど本筋が重かった分の割を食ったかな、という感じ。
三船・志村両名の名演はいつものことながら、森雅之がすごかったですね。あれが『白痴』の亀田と同じにはとても見えない。藤原釜足も『隠し砦』の時と全くの別人でしたしね。


扱っているテーマは社会派ながら、痛快なエンタメとしても質が高く、それに加えて最後の展開。現代劇の傑作だと思いました。終盤の台詞とタイトルがリンクしていくのが心憎い。