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明朗・潑溂・無邪気なブログ

桐島、部活やめるってよ ★★★★★★★★★☆


「『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』じゃん!」「何言ってんだ?」「ロメロだ!そんくらい観とけ!」


口コミで話題になっていたのは知ってたけど、ネタバレを踏むとダメなタイプの作品だという噂も耳にしていたので敢えて調べずにいた作品。
バレー部のエースでモデル級美人の彼女がいる桐島が、ある日部活を辞めたことによって、生活が揺らいでいく高校生たちを描いた群像劇。まあ桐島は最後まで登場しないんですけど。
登場人物が多いので最初は関係性が良くわからないのですが、同じ時系列を様々な人の立場から何度か繰り返されるうちに分かっていく、と。最後は唐突に終わってちょっと面食らいましたが…。


簡単に言うと「学校」という狭い社会で起こる問題、面倒臭さを切り取った作品なのかな、と。スクールカーストが高そうな運動部や美人の女子グループが出てきますが
運動部の面々は、エースの桐島がいなくなったことでバラバラになり始めるし、仲良くつるんでいるように見える女子4人も、各人他の人には言えない秘密、葛藤がある。
複雑怪奇な情勢を上手く生き抜いていくためには、最上位より上の中、上の下が上手く立ち回らないといけない。松岡茉優橋本愛演じる2人が特に顕著でしたね。エグみがありました。


そして一方で、スクールカースト下層に位置しながら、学生生活を謳歌し、趣味に打ち込む映画部のオタクたち。自分のバックボーンから見るとこちらに強く惹かれました。
前田と武文のオタクトークは見ていて楽しかったのもありますが、彼ら映画部が、(自分の価値観では)無為な学内政治から降り、趣味に打ち込んでいるところに共感したのかな、と。
野球部のキャプテンが3年の夏が終わっても部活をしているのを見て、また前田が将来映画監督になりたいわけではないけど、楽しいから映画部をやっているのだ、と知って
実質帰宅部状態でフラフラしていた宏樹が最後、桐島に電話をかける。結末は解釈が分かれそうですが、やりたいことを好きにやるのが良い!というメッセージだと受け取りました。


しかし、前田に感情移入して観ていたからか、かすみの秘密はショックでしたね( 梨紗と全くタイプの違う美人の配置が見事。パッケージに書いてあった通り、考えさせられる作品でした。