適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

彼岸花 ★★★★★★★★☆☆


「真鍮を金にするんだ。それが本当の夫婦なんだ。」


元々は黒澤映画をどんどん観ていこうと思っていたのに小津の方を優先して観てる気がする…。小津安二郎初のカラー作品。娘の結婚がテーマなのはいつも通りですが
今回は結婚しない娘とそれを心配する父親ではなく、結婚しようとする娘とそれを認めない父親。知り合いの娘の結婚については賛成するのに、こと自分の娘の話になると
どこの馬の骨ともわからないやつに娘はやれない、親に相談もなしとはどういうことだ、結婚式には出ないぞ、と…。娘・節子の友人に一芝居打たれて、結局は結婚を認めるんですが
そうすると、今度は急に「結婚はしなくちゃいけないよ」とか、いい相手見つけろよみたいなことを言い出すようになる。頑固親父の成長物語、ということでしょうか。


有馬稲子山本富士子久我美子田中絹代。豪華キャストの女性陣が結束して結婚を認めさせるのが面白く、コメディ色が強いように思いました。
特に印象に残ったのは田中絹代演じる貞淑な妻が佐分利信演じる父親に怒る場面とか、同窓会のシーンとか、余韻のある最後の終わり方とかでしょうか。


本筋よりもむしろ今回気になったのは小道具の並びの異常なまでの綺麗さですね。カラーになったからか、かなり視覚的にも目立つようになっているので余計に気になる…。
テーブルと扉はともかく、皿やコップに至るまで、気持ち悪いほど平行に並んでいるし、コップに入った飲み物の高さまできっちり揃えられている。絵画が動いてるような感覚。