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「椿三十郎。もっとも、もうじき四十郎ですが…。」
家老の汚職を告発しようと、若侍たちが話し合っているところへ突如現れた謎の浪人。大目付が協力してくれると言っている、という侍たちに対し、浪人は罠だ、と言って…。
『用心棒』の続編のような設定ですが、主人公が同じ人物なのかな、というくらいで特にそれ以上のつながりはなく。基本的には若侍たちが先走って行動して失敗しては
それを三十郎が圧倒的な武力と知恵で切り抜けていく、という感じ。『用心棒』よりもコメディ要素が強く、同じ時代劇ものだと『隠し砦の三悪人』に近いものがあるかもしれないですね。
96分と黒澤作品の中ではかなり短いため割と気軽に観られる上に、侍たちがアホなことするせいですぐピンチになるので、気が抜けなくて最後まで楽しめる。
ラストの半兵衛との決闘シーンは、あまりに動かないので最初「あれ、止まった?」と錯覚したくらい。一瞬の居合で飛び散る血飛沫。ちょっと血が飛びすぎな気もするけど…w
個人的には『用心棒』より気軽に観られてエンタメ度も高かったかなあ、と。ストーリーは『用心棒』より単純なんですけどね。娯楽時代劇映画の傑作、と言えるのではないでしょうか。