適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

カイトの異常な愛情 または私は如何にして黒沢ともよを意識するようになったか

埼玉県の戸田市文化会館まで、ミュージカル座の「ひめゆり」を観劇しに行ってきました。関東なんて全部一緒だろ、くらいに思ってたのですがなかなか遠かった。


なぜわざわざ遠くまでミュージカルを、というと、かつての悲惨な戦争を風化させてはいけないという強い思いが……あったわけではなく、主演の黒沢ともよさんが目当てでした。
推しが増えがちな知人もいますし、急にこんなことを書くと「お、浮気か?」とか思われてしまいそうなので(まあ、そもそも自分は浮気以前にそういう対象の推しはいませんが)
まず、今回の公演の感想の前に「私と黒沢ともよについて…つまり、そもそも何故行こうと思ったの?という話を書いていこうと思います。知人の「私と高田憂希リスペクト。


一番最初のきっかけは、3月末に買った、『宝石の国』のラジオCDでした。中田譲治さんをメインパーソナリティに、ゲストと対談していく、という形式の番組なのですが
第二弾のゲストが斎藤千和さん、というのを知り、千和ファンとしては買うしかない!と購入。もともと『宝石の国』自体も、脇役で千和さんが出ていたから見始めたんですけどね。
斎藤千和さんと中田譲治さんといえば、説明不要ですが『ケロロ軍曹』の夏美とギロロ。どちらも大好きな声優さんだし、この2人のラジオは珍しすぎるので嬉しい…って完全に話が逸れたな(



そんなわけで、お2人のトークを楽しく拝聴していたところ、途中でこの作品の主演である黒沢ともよさんについて触れているのを聞いて「…ん?」となりました。

千和さん「ともよちゃんって、すごく会話でのお芝居ができる方というか。一緒にお芝居をしててすごく楽しい。」
譲治さん「ある意味共通している部分があるように思う。2人とも直感、天才型というイメージ。」
千和さん「どちらも音より心を重視する演技をするタイプというか。一方的にシンパシーを感じてますね。ともよちゃんのお芝居は大好き。」


…とまあ、こんな感じのやりとりがオープニングトークでありました。当時からあまり作品外の発言を熱心に追っていなかったのもありますが(ラジオもノンタイアップが多かったし)
千和さんが他の声優さんのことを「演技が上手い」とかではなく「私に近いタイプの声優」と評するのは初めて聞いたので、黒沢さんについて興味がわきました。


思い返してみれば、自分はもう10年ほど前、黒沢さんのアニメデビュー作である『宇宙ショーへようこそ』も劇場に観に行ったし(舛成監督で千和さんも出るから、というのが理由でしたが)
アイカツ!』『ユーフォ』『ゆゆゆ』『シンデレラガールズ』『ポッピンQ』『アイドルタイムプリパラ』…と、そこそこ出演作は見ていたんですけど、特に注目してはなかったんですよね。


…で、とりあえずTwitterフォローするか、と思って黒沢さんのツイッターアカウントを検索したところ、また「…ん?」となりました。


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bio(自己紹介欄)に「役者」の2文字しかない。普通「○○所属の声優です」とか「△△の××役です」とか書いてるじゃないですか。少なくとも自分がフォローしてる声優さんはそう。
他の声優さんと違うものを感じ、次は黒沢さんのブログを遡って読んでみることに。高校生だった頃の受験勉強の話とか、和む内容も多かったですが、興味深い投稿もいくつかありました。
『ゆゆゆ』の樹についてのこと。『アイカツ!』のおとめちゃんについてのこと。『リルリルフェアリル』のオーロラについてのこと。そして『宝石の国』のフォスについてのこと。
いずれも20代前半、役によってはまだ10代の時に書いたとは思えない。興味深い切り口でキャラについて語っていて、読んでいて引き込まれてしまいました。確かにこれは「役者」だ、と。


そして、自分の過去のアニメ感想を見返しているときに、気づいてしまったんですよね。

「ともよちゃん演じるアイコ。本当にアイコちゃん良いキャラしてたな…。これもともよちゃんのよくばりセットみたいな感じ。」(『フリクリ プログレ』の感想、2018年9月)
「ガァララなりの「トモダチ」を真の意味で見つけられた。ともよちゃんの演技力に依るところも大きいと思いますが…。」(『アイドルタイムプリパラ』の感想、2018年12月)


去年くらいから、無意識に黒沢さんのこと褒めてるやん ということに。ああ…好きだったんだな と。(ここ新海誠)


それに気づいてからは早かった、というか。『響け!ユーフォニアム2』を見直して、作品そのもののクオリティの高さは勿論ですが、黒沢さんの演技力の高さに改めて驚いてしまいました。
善は急げということで『ユーフォ』劇場版の舞台挨拶のチケットを抑え、「息の入れかたを意識している」みたいな演技論を聞いてまたなるほど…と納得し。
『あかねさす少女』で平行世界のキャラを演じ分けるのをまた堪能し、『ひそねとまそたん』を見てこういう脇役ポジションも上手いなあ、と感心したり。意識しだすとこの人、上手い。
このタイミングで今回観に行った舞台のチケットが発売されたので、開始時間に即アクセスして最前列を確保したり。…9500円は高い、とか思ったけどまあこういうのは金額じゃない。
1953年版の『ひめゆりの塔』を観て予習しました。沖縄戦の悲劇、全滅するひめゆり部隊…。狂気と救いのない描写に圧倒されてしまった。観てる途中でセンター試験送ってきた奴許さんからな。


合わせて、4月から文化放送のラジオ「A&G NEXT BREAKS FIVE STARS」も毎週聴くようになりました。この枠は「超ラジ」の時は井口裕香さんの、「Lady Go」の時は上坂すみれさんのを
ちょくちょく聴いていたので懐かしい。黒沢さんのも始まった頃何度か聴いたのですが、「なんかオタクっぽくないなあ」という印象だったのはよく覚えてます。

聴いてみると、歯に衣着せぬというか、直球なトークが聴いていて心地良い。リスナーに「ファッションの話題とかすると実況の速度鈍るよね~」とか言ってみたり
変な挨拶でメールしてきたリスナーを「ダッサw」と切り捨てたり。それでいてトークの内容は結構理知的というか、語彙が豊富で知性を感じる。好きなタイプのラジオ。毎週楽しみ。


もともとこんなアイコンだからお察しかもしれませんが、自分の原点は『ぱにぽにだっしゅ!』なんですよね。そして、ラジオの原点はそれとタイアップしていた『ぱにらじだっしゅ!』。
パーソナリティが斎藤千和さんでした。そこでの、頭の回転が速く軽妙なトークがハマった理由の1つなんですけど、黒沢さんもその系統かも、と。年数重ねて慣れたからかもですが。


…というわけで、千和さんが似ていると言ったのも分かるかも、というくらいには知らず知らずのうちにハマってしまった、というわけです。…長くなったので、公演のことは別の記事で。