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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ ★★★★★★★★☆☆

てのりぬいぐるみ ざっそう

てのりぬいぐるみ ざっそう


SNSやレビューサイトで異常な高評価だと話題になっているのを目にして、「え、子供向けアニメでしょ…?」と思いながら一応確かめに行くことに。
朝1の回でしたが、最後列はそれなりに大人も多かったです。自分みたいにミーハーな目的で来た人がそれなりにいそう。
来場特典のすみっコが描かれたカードみたいなの普通にもらえたけど、アラサー男性に渡してて子供に渡す分足りなくなったりしないのかな(


すみっコたちのセリフは全て文字が画面上に表示されるだけ。実際に喋ることはなく、ナレーションのみで進行する、というシュールな作品でした。

桃太郎の世界、マッチ売りの少女の世界、人魚姫の世界、あかずきんの世界、アラビアンナイトの世界…と、すみっコたちが様々な絵本の世界を冒険しながら、ひよこの帰る場所を探していく。
子供にも馴染み深い絵本が題材なので、子供たちも分かりやすく楽しめたのではないでしょうか。場面の転換も多くて飽きないし。丁寧な作りだったと思います。
更に、作品の設定にすみっコたちの設定が活かされている。とんかつとえびふらいのしっぽの「誰かに食べてもらいたい」という願いが、あかずきんの物語に溶け込んでいたのは上手い。
ひよこが「みにくいアヒルの子」の白鳥なのでは?という中盤の「転」と、そこをオチにしないで一ひねり加える展開もよかった。お別れのシーンはなかなか感動的でしたし。


子供が飽きないくらいのちょうどよい尺で、すみっコたちの特性を活かしながら、感動的な出会いと別れを描いた佳作で、割と満足度が高かったです。
…ただ、「令和最高の作品」みたいな持ち上げ方はちょっと違うかなー、とも。奇を衒った作品というより、とても丁寧な良作、という印象だったんですよね。
語弊を恐れずに言えば、普段子供向けのアニメを観ない層が期待せずに観てみたら、存外良かった、ということだったんじゃないかなあ、と。
先日観たプリキュアの例を挙げるまでもなく、メッセージ性の強い子供向け作品は昨今別に珍しくもないわけで。
ひよこのアイデンティティの確立が~みたいな、変に意味づけをしようとするのも個人的にはズレてるかなと。もっとシンプルな作品であるように思います。


…というわけで、ミーハーな動機で観てみたら割といい作品でしたよ、ということで。一番可愛かったのはざっそうですね。ちいさいぬいぐるみ、買おうかなあ…。