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-牧野由依さんにまつわるナラティブ-THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Glowing Rock!

先週末、京セラドーム大阪で開催された、THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Glowing Rock!に両日参加してきました。
シンデレラガールズのライブに行くのは、昨年の6th名古屋以来2度目。千葉のDAY2は数十分遅れてLVで鑑賞しましたが、まあ実質7thは初参加ですね。
2日間のことを大まかに振り返る記事もそのうち書くつもりですが、然程アイマスに明るくない自分がそれを書いたところで…なので、とりあえず来週にでも回すとして。
今回の7thへの参加動機とか、昨年と比較して感じたこととか、主にライブレポート以外のことを先に書いてしまおうと思います。自分にとって一番大切なことなので。


前提として、自分は歌手・牧野由依さんのファンで、牧野さん目当てにコンテンツに足を踏み入れた、という経緯があります。担当アイドルは佐久間まゆとは別にいますが。

1.参加するまで

試しに一度参加してみよう、と気軽に現地参戦し、予想以上に悲喜こもごも、様々な感情を味わうこととなった6thライブ。
7thの開催が発表された時、なるべく担当と牧野さんが参加する公演は現地参戦しよう、と思っていました。しかし、蓋を開けてみると、なんとお2人とも千葉公演。
月初が忙しい地方民ゆえ、平日に3連休(終演後に帰れないので)を取るのは不可能。諦めきれずにDAY2は定時後新幹線でLV会場まで行きましたが、以前も書いたし割愛しよう…。


…で、他2公演の参加者を調べていると、自分の担当は残念ながら千葉公演のみの出演でしたが、牧野さんは大阪公演にも参加されるということがわかりました。
関西は知り合いも多いし、週末開催だし、と好条件が揃っていたので、千葉の代わりに…なるかはともかく、両日チケットを確保し、そのまま放置。気付けば1週間前になっていました。


まずは、有識者が作成した予想セットリストを貰い、それを見ながら新曲の予習と既存曲の復習。たまにデレステにログインして新曲を埋める、くらいはしているので特に問題なく。
とりあえず公演で置いて行かれることはないかな、くらいになったところで、ふと「今回、牧野さんは何の曲を歌うんだろう?」という、大本の参加動機に関わる疑問が生まれました。
貰ったセトリには、まゆが歌う曲は(全体曲っぽいのを除けば)『Trust me』しかなかったし、実際、自分も「まゆの曲でロックって、これくらいしかなくない?」ということに気づいたので。
ソロ曲は両方ロックとはかけ離れているし、そもそも片方は千葉でやっている。でも、全体曲以外がユニット曲1曲だけとかあるのか?と考えているうちに、1つ、思いついたことがありました。


もし仮に、アイドル・佐久間まゆを今回のジャンル別3公演*1のうち1つに分類するなら、おそらく「Pops」でしょう。


では、もし声優・牧野由依を同じように分類するなら、3つのうち、どれになるのか?


この問い、自分は「Rock」だと思うんですよね。ともすれば、バラードや、ポップのイメージが先行しがちですが、少なくとも、今現在の歌手・牧野由依を分類するなら、間違いなくロック。
ここ数年、牧野現場は得意のバラード・ポップに加え、新たにロックを加え、ハイブリッド化が進んだ現状がある。だから、持ち歌以外でもロックに歌い切れるし、それだけの力量もあるはず。
そんな感じで、勝手に自己完結したのでそれ以上考えるのをやめました。まあ今回は単純にメンバーが豪華だし、どんな曲が来ても絶対楽しいでしょ、という信頼も込めて。

2.DAY1~DAY2開演まで

詳細は別記事に譲るとして。まず、事前に何も調べていなかったので、バンドメンバー紹介時に驚きました。キーボードが滝澤俊輔さんだったからです。
滝澤さんといえば、牧野さんの音大時代の同級生としてファンの間では有名で、ライブのMCでも度々「タッキー」として名前が出てくることでおなじみ。
実際にいくつか牧野さんに曲も提供されていて、言うまでもなくまゆのソロ曲『エヴリデイドリーム』と『マイ・スイート・ハネムーン』の作曲者でもある。
牧野さんとタッキーが共演するとか素敵やん、くらいに思いながら、公演を聴いていったところ、次に驚いたのが、中盤のアコースティックコーナー。
2曲とも素晴らしいアレンジで、今回はないだろうけど『in fact』とか一度聴いてみたいな、とか思ってたので望外の喜び。…話が逸れそうだから戻そう。


DAY1の牧野さんは、『Nocturne』『Trust me』はどちらもロックな新境地のユイマキノ、という感じで最高でしたが、後の出番はMCを除くと全体曲のみ。MCも通常営業で楽しかったけど。
公演全体のパフォーマンスレベルが高かったので不満は全くありませんでしたが、終わってみて夜に改めて考えてみたら「流石に出番少ないのでは?」と思い始めました。
この揺り戻しで明日は出番が多いパターン?でも、やっぱり歌う曲がなくない?と考えた時に、ふと思い出したのが、今日のアコースティックコーナーでした。そこで1つ、頭に浮かんだこと。


「もしかして、アコースティックコーナーで『エヴリデイドリーム』をソロで歌ってくれるのでは?」という予想、いや、希望…以前のただのオタクの願望。
アコースティックなサウンドから情感たっぷりに歌い上げるのは牧野さんの十八番と言っても過言ではなく、実際、自身の公演では毎回やっている。もしドームで歌ってくれるなら絶対聴きたい。
…まあ、そもそも、この前千葉公演でも歌ってたし、かと言って『マイ・スイート・ハネムーン』は6thで歌っている。流石に独りよがりすぎるだろ(笑)という結論に達し、妄想を打ち切りました。
開演前にも、喫茶店で友人に「『エヴリデイドリーム』のソロとかあったら良いけどね(笑)」とか言ってはみたものの、ほとんど冗談でした。…それでも心の底では、諦めていませんでしたが。

3.DAY2

そんなこんなで始まったDAY2。すぐ都合良く解釈してしまうオタクの悪い癖で、アコースティックコーナーの前の曲『Trust me』の後に、牧野さんがステージから一旦退場したんですよね。
幕間の出演者を昨日と変えないと全員に回らないだろ、という当たり前の話なんですけど、「今の間に裏でソロの準備しててくれ!」と心の隅で願っている自分がいて、我ながらキモくもあり。
満を持して始まった1曲目は『voyage』。まあそうだよな、と。昨日も両方クールのソロだったし、次もクール曲かな?と。つまらない期待をするのはやめようと思い、切り替えて聴き惚れる。
曲が終わって拍手が止み、2曲目の静かなアレンジが、不意に耳慣れたイントロに変わり、同時にドームが少しずつリウムの赤に包まれる。混乱する思考。そして耳に飛び込んでくる歌声。




ステージ上にいる『エヴリデイドリーム』を歌う牧野由依の…佐久間まゆの姿を、脳が認識したところで、何かが決壊しました。




…なんというか、人間、期待していたことが本当に来ると、思考が停止するものなんですね。ライブでもイントロ時点で叫ぶオタクは多いけど、「言葉」でなく「心」で理解できましたね。
「運命の出会いなんて 別に信じてはなかったの」のところで目頭が熱くなり(早いわ)、一瞬俯いてしまいましたが、この瞬間を見ないで、一体何を見に来たんだ、と思い直して顔を上げる。
「私は倍音が綺麗に響く、珍しい声質らしいんですよ!」といつだったか仰ってたけど、本当に綺麗…とか、どうでもいいことを思い出したのはかろうじて覚えている。そして転調してまた混乱。
まさかの『エヴリデイドリーム』と『マイ・スイート・ハネムーン』のメドレーでした。これ、現実だったのかな?まさか白昼夢を見ていたのか…?デイドリームだけに(台無し)。
曲が終わって、この日一番長かったのでは?と思うほど、ずっと鳴り止まなかった拍手が忘れられない。自分も「ありがとうー!」と叫びながら、壊れたおもちゃのように手を叩いていました。


…この曲の後、色々なことが頭の中をぐるぐるして、半分はライブを楽しみながら、半分は他のことを考えている…という状態がずっと続き、『紅』で覚醒して復帰しました。それは別の記事で。

4.アイドル観と「ナラティブ」

…いや、いきなり何やねん、という話ですが。以降の話をする上で、自分の「広義のアイドル(声優とか歌手も含む)観」について、少し書いていこうかと。特に目新しくもないですが。
広義のアイドル趣味、一体、何が魅力なんだろう?と考えた時に、ナラティブ(物語)を紡いでいけるから、だというのが、自分の解釈です。


類義語の「ストーリー」が話の内容とすると、「ナラティブ」は明確な定義は難しいですが「自分だけの物語」とでも言いましょうか。「関係性」とかと親和性が高いワード。
ある対象を追っているうちに、それにまつわるエピソードが増えていき、自分だけの「ナラティブ(物語)」が形成される。それが楽しい、というのは大きな要素としてあるのではないか。
あの時はこうだったけど今回は、とか、これは思い出の曲で、とか、あの人はこの人と仲が良いし、あのゲーム内のエピソードがあるから、あのシーンの掛け合いは最高だったな、とか。
要するに、同じ体験をしても、個々人のナラティブによって受け取り方が全然変わってくる、ということ。自分にはあまり思い入れがない曲でも、隣の人が号泣、とかよくあること。


さて、「シンデレラガールズ」というコンテンツを考えたとき(アイドルものにある程度共通することではありますが)、ことナラティブにおいては、とてつもない多様性がある。
なにしろアイドルの総人数が多い上に、ユニットも多い。エピソード毎に会話しているアイドルの組み合わせも様々。更にメディアミックス展開も広く、網羅はかなり困難なのでは。
もっと言うと、アイドルを演じている声優間にもナラティブがある。もちろん、アイドルと声優の間にも。更には、たとえ出演していなくても、それ自体が物語として意味を持ちうる。
その懐の広さ、独自性を感じられるところが魅力なのかな、というのが、ここ数年、在宅から徐々にイベントに顔を出すようになった、1オタクの見解です。

5.牧野さんに関するナラティブ

上の項で結局何が言いたいのか?という話に戻ってくるのですが、なぜ「『エヴリデイドリーム』と『マイ・スイート・ハネムーン』で(他の人より)感動したのか?」ということ。
もちろん、贔屓目抜きにしても最高級のパフォーマンスだったと思いますが、この2日、演者のレベルはとても高く、遜色のないステージはいくつもあったと思います。


今回の感動について語る上では、まず(昔からここを読んでる奇特な人には今更ですが)牧野さんが喉を痛め、アーティスト活動を休止していたことについて言及しなくてはいけません。
牧野さんが喉を痛めたのは、3年前の夏、ライブの前のことでした。結果的に、ライブ2日目はどんどん高音が出なくなり、最終的に声が嗄れて殆ど出なくなる。今思い出しても辛い。
そのライブは、数ヶ月前に発売されたシングル『Reset』を引っさげ、タイトルに冠したもので、まさに、その『Reset』を作曲していたのが、タッキー、滝澤俊輔さんでした
1ヶ月後、5thの埼玉公演に(声帯にアドレナリンを吹き付けてまで)出演したあと、しばらく休止され、翌年6月のライブでは、元気な歌声を披露されていたので、ひとまず安心していました。


ただ、まだ完治、というわけではなかった。その年の冬、初参戦した6th名古屋。2日目の『マイ・スイート・ハネムーン』で、牧野さんの高音の伸びがないのに気づいてしまいました。
おそらく、大部分の人は違和感を持たなかったのではないかと思います。基本的には歌えていたし、何より仕草がとてもチャーミングだった。佐久間まゆその人だ、とまで思いました。
牧野さんのプロ根性を図らずも実感させられたと同時に、ずっと聴いてきたからこそ、気付かないでいいことに気付いてしまって動揺した自分が嫌で。あの時が一番ファンとして辛かったかも。
そんなこんなで、昨年6月のライブで完全復活し、本人からもブログではっきり完治宣言があって心から安心でき、以降初めて参戦できたのが、今回の大阪。そこで聴けたのがあのメドレー。

6.結局、牧野由依佐久間まゆだったのか?

タッキーの『Reset』のこと。6thの『マイ・スイート・ハネムーン』のこと。昨年の完全復活のこと。この3年間のことが色々思い出されて。
そして、アコースティックサウンドをバックに、感情がたっぷり乗ったあの2曲が聴こえてくる。これで感動しなかったら、もう人間じゃないんですよ。(オタクはすぐ大きな言葉を使う)
最後の牧野さんの挨拶も、佐久間まゆというアイドルの魅力を、これからも多くの人に伝えたい、という想いが伝わってきて良かったです。間違いなくあの場の5万人に伝わったと信じてる。



…とまあ、以上のナラティブを踏まえてこの写真とツイートを見てくださいよ。感動的ですよね~(感動の押し売りオタク)


6thが終わったあと、同じような内容の所謂「お気持ち表明」を書いたんですけど、その時の最終的な結論が(引用するために当時のブログ見に行ったけど我ながら本当にキモい)
「シンデレラの現場での結束力、絆の強さが牧野さんを支えていると共に、ハイレベルな演者と相互に切磋琢磨し合い、常に成長し続けていける環境でもあるのかな」
というもので。当時自分が出した結論については、今改めて考えると、半分正解、半分不正解、といったところかなと。もちろん、この引用箇所はその通りだと確信したのですが。
では残りの半分は、というと、「牧野さんが前に進み続ける原動力は、決して他の演者との絆だけでなく、佐久間まゆもまた、原動力である」ということ。


realsound.jp


これは、牧野さんが初めて「本格的に」ライブにダンスを取り入れた『YUI MAKINO LIVE―Thanx Beginning♪―』のあと、上述した『Reset』のライブの前のインタビュー記事です。

特にアニメ『ARIA』(声優として茜役で出演、主題歌も3期に渡って歌唱)の時期に知ってくださった方が多いんですけど、私がピアノを弾く姿を当たり前のものとして見てくださっていて。
ただ、ここ数年で声優として関わらせていただくアニメアイドルマスター シンデレラガールズ』や『プリパラ』では、自分でも驚きなんですが歌って踊っていて、
その作品をきっかけに入ってくださった方にとっては、歌って踊る牧野由依が普通なんですよね。
だから、単独公演をするときにはその2つの私それぞれを好きな方に、全体を通して満足して欲しかったですし、そこを繋げるライブは今の私だからこそできることだと思ったんです。


このライブから3年、まゆや、あろまと歩んできた牧野さんは、持ち味をそのままに、歌って踊れる声優アーティストになっていました。どんなに苦労されたことだろうと思います。
同時に、この3年でファンの意識も変容したのではないかと。このライブとか、立つように牧野さんが煽っても、困惑して座ったままの人が多かったですからね。
それくらい、ファンも慣れていなかったので、今となっては懐かしいですけど。確か「疲れてて無理ー」とか言い出したオタクまでいたし。いや、今思い返してもアレはないわ(
何が言いたいかというと、牧野由依佐久間まゆなのではなく、今までもこれからも、2人3脚で高めあっていくのだ」ということ。…どういう結論だろうと結局気持ち悪いな。

7.まとめ

ここまで書いてきて今更ですけど、この手のことって、あまり深く知らないほうが幸せなのではないか、と思うことがあります。というか、当時は思っていました。
「大学の同級生が作曲した曲を、その同級生が生演奏する中、ドームでソロで歌えた」というナラティブだけで、十分感動的だし、それ以上の背景を知る必要なんてあるのか。
特に、自分はきっかけが「この牧野さんって歌手、歌上手いなあ」だったので、深く踏み込んでいくだけのつもりも覚悟もなかったですし。だからこそ辛かったんだけど。


でも、結局のところ、当たり前ですが「一度知ってしまったら、知らなかった頃には戻れない」んですよね。おとなになるってかなしいことなの……。
関係性が強くなることでもちろん辛くなることもあるけど、この日曜のように、それ以上に感動を貰えることも間違いなくある。それなら、選択肢は結局、応援し続けるしかない。
何故って、「好き」に理由はないから。好きなものは好きだからしょうがない(ネタが古い)。どうせもう、とっくに退路なんてないんだよなあ。
ライブで毎回思うことですが、今回は特に強く「この人の歌が好きだ」と実感できたので、来週の青ラボも楽しみですね。一緒に合唱して思い出作るぞ。


というわけで、ライブの感想でもなんでもない長文になってしまったので、別口でちゃんと書きたいと思います。この2日は、本当に楽しい、最高のライブでした。
次は今年またやるんだったかな?次こそは、担当も牧野さんも、両方現地で見届けたいので、日程と仕事の風向きをお祈りするしかない。頼むぞ運営。
最後になりますが、関係者各位、特にこのDAY2のセトリを考案した方々に無上の感謝を。心から、応援し続けてきて良かったなあ、と思えた瞬間でした。ありがとうございました。
ことあるごとに「今日、もし参加しなかったら一生後悔してた」みたいに思いがちなのですが、今日はまさにそれでしたね。もう少し自分の感情の解像度も上げていきたい。


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*1: Comical Pops!・Funky Dancing! ・Glowing Rock!