東京で遊びに行っている間、やることがなかったので何か映画でも、と思って探したら、『パラサイト』が満席だったのでこっちに。たまには話題作の洋画も観ようかなと。
戦争映画ってあんまり得意じゃないんですけど、まあ色々あって。…最近、色々あって、ってここに書くことが何度かある気がするけど、その実、いつも同じような理由っていう。
第一次世界大戦のさなか、西部戦線において、撤退していくドイツ軍を追撃しようとしたイギリス軍。
それが実はドイツ軍の罠だと気付いたイギリス軍司令部は、危険な最前線にそれを伝えるため、2人の若者に伝令を申し付ける…というストーリー。
この作品の最大の特徴は、2時間で全編ワンカットに見えるように作られていることですね。最初から最後まで、ずっと兵士の一日を追体験しているような気分になる。
自軍で将軍から命令を受け、周りを警戒しながら少しずつ前進し、様々な障害を乗り越え…というのがずっと途切れず最後まで続くので、あたかも自分も戦場にいる感覚になる。
いつ敵が画面のどこかから飛び出してきて戦闘になるかもしれない、という緊張感の中、進んでいく兵士を観続けることになるので、とても消耗しますね。休日に観てよかったかな。
正確に言うと、ある一点だけは明確にカットが使われているんですが、そこがとても効果的なんですよね。そこは観てください、ということで。
この作品がアカデミー賞で撮影賞、視覚効果賞、録音賞を受賞したというのは観終わった今考えたら納得しかないですが、監督賞もサム・メンデスでも良かったのでは?とにかく技巧がすごい。
メッセージ的には、最後にカンバーバッチ演じるマッケンジー大佐が言う「明日になれば、命令は変わる」というのが全てなのかな、と。
ウィルやトムと一緒に命がけで突破してきた前線までの道のりも、大局から考えたら大した意味はなく、むしろこれでまた戦争が長引くことになるんですよね。
…とまあ、間違いなく面白かったんですが、『ゼルダの伝説トワイライトプリンセス』で思いっきり酔うような体質なので、最初の30分で完全にFPS酔い状態になってしまいました。
おかげで残りの90分くらいはこみ上げる吐き気と戦う地獄と化してしまい、図らずも、ウィルやトムとは違った辛さを味わう羽目に…。終わった時、心の底からホッとしましたね。
これを読んでいる人がこの映画を観に行くことがもしあるとすれば、真ん中や後方の観やすい位置で、睡眠時間を取った体調の良いときに観ることを強く勧めます。