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推しが武道館いってくれたら死ぬ ★★★★★★★★☆☆

いちばん、身近にある奇跡

いちばん、身近にある奇跡

  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: Prime Video


知り合いの声優オタク界隈でちょっと話題になっており、自分も気になっていたのですが、地上波でももちろん放送していなければ配信もなくて諦めざるを得ず…。
…でしたが、FOD会員が最初の1ヶ月無料ということを知り、入会してサッと見てすぐ退会すれば無料やん、ということに気づいてしまった。
早速観始めたらこれが結構面白くて、1日で全話観てしまった、というわけです。まあ1クールですしね。


20歳のフリーターである主人公・えりぴよが、偶然野外ライブを観たことがきっかけでChamJamのアイドル・市井舞菜にハマっていく、というお話。
アイドル・アイドルオタク業界を描きながら、アイドル同士の友情…いや百合か?みたいなものも描く、アイドル百合ギャグアニメ…なのかな?
押しが強いえりぴよと引っ込み思案な舞菜の間では上手く意思疎通が取れず、すれ違う様子がやや天丼気味のギャグ要素になっていました。


このアニメが面白いのは、アイドルファンの側を描いている点ですね。アイドルアニメは、やはりアイドル達の「物語」を共に追っていく楽しみがあるわけですが。
むしろ今作はそのファンに焦点が当たっているので、こういう「推し」がいる視聴者にはとても共感しやすいつくりになっている。その分ニッチだとも言えますが。
これだけ多くのアイドルがいる中で、巡り会えたことが奇跡だ」とか「幸せでいてくれさえすればいい」とか、オタクのセリフに所々共感ポイントがあって楽しい。
アイドルアニメを好きになったきっかけであるところの『WUG』に「アイドルとは物語」という名言がありますが、物語はアイドルの側だけではなく、ファンと紡ぐものでもある。
そういう点で、前のグループが解散してもなお、れおを推し続けるくまさは良いオタクだと思いました。作者が理想のオタクとして描いているらしいのも納得。


ただ、自分はアニメオタクだし、声優オタク…であるかは微妙なところですけど、やっぱりこういう全てを貢ぐタイプのアイドルオタクには壁を感じてしまうんですよね。
所謂「推し」に対して、自分はここまでする覚悟もお金もないけど、それでも好きな気持ちにそこまで差はないと思うし。この辺は価値観の違いなんだろうなあ。
もちろん、地上と地下では事情が違うのは分かるんですけどね。ハマったら身を滅ぼしそうだから丁度良いのかも。えりぴよもくまさも基も全員フリーターだしな…。
まあ、その辺の闇の深さを、キモい⇒ギャグ要素として昇華しているのが今作の上手い点ではあるのですが。楽しいだけでなく共感もできる、佳作アニメでした。