適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

老人Z ★★★★★★★★★☆

老人Z

老人Z

  • 発売日: 2017/10/13
  • メディア: Prime Video


「厚生省を舐めるなよ!」


タイトルくらいしか知らなかったのですが、バンダイチャンネルのサジェストに出てきたので、観てみることにしました。1991年、約30年前に制作されたアニメ映画。
寝たきり老人を乗せた自動介護ベッドが、変形しながら勝手に動き出し、軍事用に開発された戦闘ロボットと激しい戦いをくりひろげる」とウェブサイトのあらすじにありました。


…これだけだと意味不明ですが、ストーリーはだいたいそんな感じ( 寝たきりのおじいちゃんの亡き妻、ハル*1の音声を介護ロボットに覚えさせたことで、ロボが自我を持つようになる。
看護学生の主人公・晴子はボランティアで寝たきり老人の介護をしていたところ、ある日、介護をしていた老人が厚労省の開発した全自動介護ロボのモニターに選ばれてしまう。
「ロボの介護には温かみが足りない」と違和感を覚えつつ、お見舞いに行ってみると、全身を拘束され、チューブに繋がれたおじいちゃんを目の当たりにし、ショックを受ける晴子。
おじいちゃんを助けるために病院に忍び込んだり、ハッカーの老人3人組と協力したり、と奮闘しているうちに自我を持ったロボットが老人の望みを叶えようと暴走する…というお話。


高齢化社会の問題点とは?」みたいな重めのテーマを大上段に振りかざす作品なのかと思いきや、そんなことはなく、基本線はあくまでドタバタコメディーで、自分の好みに合うものでした。
あとは、明確な悪人が黒幕(と言ってもバレバレですが)くらいで、みんな善人というか、信じるもののために真剣なのも良い。晴子と最初は敵対関係にある、厚生省官僚・寺田にしてもそう。
介護問題は如何に自動化できるかにかかっている」という寺田の着眼点は、30年前の作品とは思えないほど鋭い。介護疲れが社会問題化している今観ても、色褪せないテーマだと感じました。
晴子にしたって、周りが見えていないタイプのキャラクターだし、暴走するロボも、おじいちゃんの願いを叶えようとしただけだし。善意が必ずしも良い結果をもたらすとは限らないんですよね。


ただ、「考察」しようとしたらそう思うかな、くらいで、本編は本当にわちゃわちゃしていて展開がすごく早いので、視聴中はあまり難しいことを考えることはなく。
制作陣もなかなか豪華なメンバーなので、アクションシーンの作画は見ごたえありましたね。あと、オチが思わぬ展開でした。確かに、写真と似てはいるけども…。
スタッフといえば、何も知らずに「どことなく今敏作品みたいな雰囲気が良いな~」とか思って観てたら、クレジットで「美術設定:今敏」って出てきて驚きました。
改めて見ると、美術監督補佐に神山健治、メカデザインに磯光雄。本当に錚々たるメンバーだよな…。


観終わって、ストーリーに何か既視感があったというか、これ『攻殻機動隊』のアニメにあったような?と思って検索してみたら、他にも指摘している人がいました。
2話の「暴走の証明 TESTATION」に似てるんだよな。味付けは全然違いますけどね。楽しく観られる佳作でしたが、好みの作品だったので評価は甘めで。

*1:おそらく元ネタはHAL9000でしょう