ジョバンニは星祭りの夜に旅に出る。
星々を巡る旅を。
目の前の席には、親友のカンパネルラ。
本当の幸いを探し。
銀河鉄道に乗って。
供給があったので、観ることにしました(雑)。前と同じ。
銀河鉄道の夜の原作は、もちろん知ってるし子供の頃に読んではいるけど、アニメ映画は観たことがなく。
個人的には、ライトノベル『“文学少女”と慟哭の巡礼者【パルミエーレ】』、そしてそのアニメ映画版(出来は…だったけど)のモチーフだったのが印象深い。
…と言っても、もう10年前くらいになるんですけどね。宮沢賢治、大人になってからは全然読んでないな…。
そんな感じで、特に気負わず観たのですが、あまりひねることなく、ほぼストレートに『銀河鉄道の夜』を演じられていたので、懐かしさを覚えながら、楽しんで鑑賞できました。
断片的に記憶していたのはサソリのエピソードと、「一緒に行こうねえ」と言って振り返ったらカムパネルラがいなかったシーンとか。当たり前ですがどちらも削られてなかったな。
今ざっと青空文庫で原作を確認しながら感想を書いているのですが、やっぱり結構忠実でしたね。マルソとか、コミカルに寄せてて印象的なところはありましたけど。
あと、演者さんたちのアフタートークで演劇にかける思いを聞けたのが思わぬ収穫だったな、と。月並ですが、アツい想いで作った作品が人の心を打つって素敵ですよね。
作中の言葉を借りるなら、演者の皆さんのおかげで、観客は「ほんとうのさいわい」に少し近づけたのではないだろうかと。身を焼いてくれてありがとうございます。
黒沢さんが「私達は社会不適合者なので」とかすごいこと言ってたけど、凡人からすれば、身一つで価値のあるものを生み出せる人の方がずっとすごいんだよな…。
…さて、黒沢さん目当てだったのでその話をしますが、ジョバンニという少年の演技が少し新鮮で、そしてそれ以上に、感情の乗った演技がとにかく素晴らしかった。
神様について女の子と言い争うシーンが特に印象的。以前に、敬愛する斎藤千和さんが、黒沢さんのことを「(演技に対する感覚が)近い声優」と形容しておられました。
でも、今回聴いてみて、もっと単純に、自分は2人に同じような熱を感じたんですよね。どんどん自分の中でポスト千和さんになっていく。早く実際に聴ける機会が来ないだろうか…。