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明朗・潑溂・無邪気なブログ

野菊の如き君なりき ★★★★★★★★☆☆

大分観たきりの作品が増えてきたけど、年始に「今年は感想をできるだけ残す」って決めたので、マイペースに書いていこう。あとで読むの自分だけだし。
そういえば過ぎてしまってから気づいたんですが、更新が3333記事を超えてました。開設からの日数じゃなくて、更新した日数*1というのがなんとも。
ここは自分のための聖域、と割り切ってはいますが「読んでます」と言ってもらえるのは単純に嬉しいですね。同時につまらないことしか書いてない故の申し訳なさも感じつつ。
ただ、面白いことが書けないのはもちろん文才の問題もあるけど、一番の原因は他人から見て面白みのない暮らしをしているから、というその1点に尽きるんですよね。自己完結型ヒューマン。


野菊の如き君なりき

野菊の如き君なりき

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video


原作は伊藤左千夫の有名小説『野菊の墓』。
思い出の信州の故郷を何十年か振りに訪れた一老人の回想のなかに、旧家に生まれ育った少年時代の主人公と年上のいとこの、淡く美しく、そして悲しい恋の物語を描く。
木下惠介の筆致は、最も脂の乗り切った時期の作品だけに、練達のリリシズムを感じさせる。
回想場面を白地の楕円形のマスクで囲い、古い写真帖をめくるような手法が効果的で、詩情あふれる撮影も相まって涙なくしては見られぬ名作となった。


…さて、引き続き木下監督作品。とりあえず名前を知ってる作品、ということで。有名な『野菊の墓』が原作。
まあ「野菊→竜胆」「斎藤→戸村」みたいな断片的な知識*2しかなかったですが。過労が祟って結核で亡くなるやつ、と思ってたけど、『女工哀史』『あゝ野麦峠』辺りと混同してたっぽい。


笠智衆演じる老人が過去を回想する、という体で、全編が思い出として語られる特徴的な演出。回想であることを示すためか、シーンのほとんどが白い楕円形で囲まれてたけど普通に見辛い(
2歳違いの少年少女の純愛を、身分が違うとか世間体が悪いとか言ってことごとく邪魔しようとする周囲の人たち。仲良くはしているけど、好きだとははっきり言えない2人。


有名な「民子さんは野菊のような人だ」ですが、これも前後を見ると「僕は野菊が好き。民子さんも野菊好き?民子さんは野菊のような人だな」なんですよね。
僕は野菊が好きである、民子さんは野菊のような人である、だから僕は民子さんが好きである、と。しがらみのせいで、こう言うしかなかったのだ、というシーン。


あと、意地悪な人が多い中、杉村春子演じる母親と、祖母の温かさが印象に残りました。主演の二人は割と素朴な演技(オブラート)なので、表情で演技できる脇役が光っていた。
面白い作品ではないけど、まあ悲恋ものなので泣ける話ではあるのかな。現代と価値観が違うので、中盤以降はただただ、不条理を観せられているという感じでしたが…。

*1:正確に言うと二部制のクイズ大会で記事を分けたことがあるので完全に同一日数ではないですが

*2:クイズゲーマーの悪い癖