いつも女房の尻に敷かれている大学教授の小宮が、突然大阪から上京してきた姪の節子に刺激され、発奮。
口げんかをしても引き下がらず、初めて女房に平手打ちをくらわす。それ以来、夫婦の仲はかえって良くなるのだった・・・
戦後に比べて戦前の小津作品をあまり観ていなかったのでこれを。1937年公開。劇伴といい、不意に登場する英語といい、30年代なのに謎のモダンさ。当時の最先端だったんでしょうね。
平手打ちで逆に仲良くなる、とか今の価値観だったら絶対問題になりそうだけど、まあ時代が時代だし。最後妙に仲睦まじい雰囲気だったところにエロスを感じる。
そういえば、タイトルになっている「淑女が忘れたこと」って何だったんでしょうか?素直に読めば夫への遠慮なのかな。筋はそこまでだけど、細かいところは印象に残る作品でした。