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戸田家の兄妹 ★★★★★★★☆☆

戸田家の兄妹

戸田家の兄妹

  • メディア: Prime Video

戸田家の当主が亡くなり、借財の整理に本宅などを処分することになった。母と三女の節子は、当分の間長男の進一郎の家に身を寄せることになる。
次男の昌二郎は、自分のことは心配ないと兄に告げ天津へ旅立つ。母と節子は、進一郎の妻から冷たくされて長女の千鶴の家に移るが...


引き続き戦前の小津作品を。1941年公開。ちょうど太平洋戦争が始まったくらいになるのかな。
母と三女がどこの家でも疎まれる…という筋書き、あの『東京物語』と似てますね。ある意味、原型といえる作品なのかもしれません。
そういえばどこのシーンか忘れたけど、カメラが引いて人物を追うシーンがあって少し驚きました。他の作品ではまずなかったと思うけど、何か意図があったんだろうか。


一見、佐分利信が不義理な兄弟を責めてハッピーエンド、に見えますけど、二人を中国に連れて行くって、当時はハッピーエンドだったかもしれないけど、その後の日本を考えたら…。
節子と昌二郎も、単なる兄妹の関係をいささか超えているような感じだったし、もしかしたらこの辺も戦後の「父と娘もの」のウェットさに引き継がれているのかもしれない。