適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

羅小黒戦記 ★★★★★★★★☆☆

f:id:kaitopoketto:20201208230429j:plain


妖精はただの伝説ものだと思われるが、本当はこの世界に実在するものだ。妖精はすべてが怖くて悪いものではない。
人間の格好をして人間社会に溶け込むものもいれば、山の奥に隠して暮らすものもいる。
猫の妖精羅小黒(ロシャオヘイ)は、森で楽しい日々を過ごしていたが、人類の開拓により、森を追われ、あちこちを放浪し、暮らせる場所を探す旅に立った。
旅の途中で妖精と人間の仲間たちと出会う。そこで出会ったのは、同類のフーシー(風息)と人類のムゲン(無限)。
小黒(シャオヘイ)は二人と一緒に、信頼・理解・責任を学んでいき、ムゲン(無限)と深い師弟関係を築いた。
果たして小黒(シャオヘイ)は、安心して暮らせる所を見つけられるのだろうか?


評判が良さそうだったので、都市部に出てきたついでに観ることに。
まず序盤で驚いたのが、戦闘シーンのすごさ。日本のアニメでもこれだけ動くことはそうそうないんじゃないかと思うくらいの迫力で、中国アニメのレベルの高さを感じました。
シャオヘイがムゲンと旅をするうちに信頼関係を築いていき、最後に同族のフーシーと人間のムゲン、どちらを選ぶか、という選択を迫られることになる。
二人で海を越え、山を越えていくロードムービー要素は楽しかったですね。ある程度デフォルメされた作画でありながら、質感はちゃんと感じる不思議。


まあただ、ストーリーに関しては観ていて終始既視感を覚えたのも事実で、終始意外性のない展開だったなあ、というのが正直なところ。
人間による自然開発の賛否、みたいなテーマは、それこそ20年以上前から『平成狸合戦ぽんぽこ』でやっていることだし、あまり新鮮味はない。
海を越えていくうちに信頼関係を…というのも、『モアナと伝説の海』に似たストーリーラインだったし、マーベルか?と思うような能力バトルもそう。
制作陣がヒット作をよく研究していることは伝わってくるのですが、それ故に予想を越えてこない(作画は本当にすごかったけど)と感じてしまいました。


ポスターにあるような人間と妖精の二項対立を描くには、フーシーと共有した時間の描写がムゲンとのそれに比べて短すぎたかな、というのが引っかかりの原因かも。
フーシー側の理についてもう少し掘り下げ…る尺はないか。佳作であるのは間違いないので、観てよかったとは思いますけどね。自分が猫好きではないのもあるかも(