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明朗・潑溂・無邪気なブログ

本陣殺人事件 ★★★★★★★★☆☆

8ミリ、16ミリの実験映画により世界の映画祭で注目を浴びてきた高林陽一の初の商業的長編映画。原作は横溝正史
山村の旧家の一室で、婚礼の夜、当主と新妻が殺される。二人が殺された離れの周りは雪が積もっていて足跡ひとつない。
金屏風には三本指の血の跡が残っており、凶器の日本刀が雪に突き刺さっていた・・・。
宿場の本陣という日本的家屋での密室殺人のトリックに中尾彬扮するジーンズ姿でヒッピー風の探偵・金田一耕助が挑む。
70年代の横溝ブームは、この映画から始まった。


オープニングのクレジットを観ていて、ATG映画であることに気づく。音楽大林宣彦って、結構すごいスタッフだったんだな…。
精神を患っている鈴子の描写にやたら力が入っていたような。半分ホラーだった。冒頭とラストも葬式からだし、何か思い入れがあったのかな?
金田一を読んだことがないおかげで、密室殺人の謎を解く、という作品そのものは結構楽しめたけど、動機に時代性があって、現代の価値観だと拗らせてるようにしか見えなかったな。
三郎の回想で犯行の様子が描写されていく演出は個性的だったけど、中尾彬の口から真相が語られるわけじゃないんだな、と。このトリックなら映像化したほうが分かりやすいけど。