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明朗・潑溂・無邪気なブログ

キューポラのある街 ★★★★★★★★☆☆

鋳物の街、埼玉県川口市。鋳物職人の娘ジュン(吉永小百合)が、さまざまな社会問題に直面する。
しかし決してめげることなく、まっすぐに青春を堪能していく姿を感動的に描いた、社会派青春映画。
主演の吉永小百合が大スターへの道を躍進することにもなった記念すべき作品である。

キューポラ早船ちよ。名前だけは存じ上げていたけど観たことはなかった作品でしたが、想像以上にプロパガンダ臭の強い映画でした。
職人の父が工場を解雇されて飲んだくれ、ギャンブルでお金をなくす。東野英治郎はダメな父親が似合うよな。
文武両道ながらアルバイトもして家計を支え、お金を借りてようやく修学旅行にも行ける…となった矢先に父親が紹介してもらった仕事を辞める絶望。
自暴自棄になったジュンに「受験勉強だけが勉強じゃない」と担任の先生が諭して、定時制高校に通いながら日立の工場で働く道を選ぶ。


公開されたのが高度経済成長期の真っただ中であることを考えると、労働の尊さを説くのは大事だったと思うのですが、今となっては説教臭さが鼻につく部分もあり。
「一人で五歩進むより十人で一歩ずつ進む方が良い」みたいなセリフがあったけど、社会主義的だなあ。そうやって全体が意識改革して豊かになっていった時代なんだろうけど。


あと、当時のことなので是非の話ではないんですが、朝鮮人の同級生たちが北朝鮮へ帰還するのを感動的に描いているのも時代だなあ、と。「地上の楽園」とか言われてたんだっけ?
学芸会で朝鮮人の子を「朝鮮人参~!」とか言ってからかうシーンとか、今だと絶対放送できないシーンやセリフも山ほどあったなあ。


古い作品な上に活舌が悪い人が多くて聞き取りにくい中で、ハキハキと喋る吉永小百合のスター性は流石でした。そりゃ出世作にもなるよなあ。存在感がありすぎる。
でも、「職業に貴賤はない」みたいなことを主張しておきながら、家計のために飲み屋で酔っ払いに絡まれながら働く母親をゴミを見るような目で見てたのはちょっと笑ってしまったw