適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

裸の島 ★★★★★★★★☆☆

1ヶ月ぶりにQMAプレーしたら、アニ特ですら300点割りそうになってしまった。というか初回無料になったけど、ここ5年くらいこんな画面出た記憶ないな。
今のモチベでお金と時間を使うのに疑問を感じなくはないけど、土日2日とも家にいるのも人生の浪費感と罪悪感がヤバい。ほとんどお金を使わないのも何かイヤだし…。
とりあえず今からビジホかネカフェでも予約して、無理矢理にでも来週末は家から出るようにしようかな。もう少し連休とかあったら旅行行ってもいいけどもう寒いしなあ。



さて、今日は新藤兼人監督の『裸の島』。広島県無人島・宿禰島を舞台にした作品で、セリフが一切ないという実験的な映画ですね。
学校で漏れ聞こえてくる子どもたちの声とか、妻の泣き声とか、完全に音がないわけではないんですが、言葉としてのセリフは終始一切ない。


島で暮らす四人家族。島では飲み水が取れないので、来る日も来る日も夫婦で船を漕いで近くの島まで水を汲み、斜面に作った畑まで運び上げなければならない。
この「水を汲みに行って帰ってきて、畑まで運ぶ」という一連の流れが、作中では何度も、何度も繰り返される。これが非常に印象的でした。
同じシーンの反復は、この水汲みが終わることなく続くことを強調するものだと思うのですが、実際、あのBGMと共に頭にこびりついてしまったし。


そんな家族も、息子が鯛を釣り上げ、それを街の魚屋に売ってお金に変え、遊びに行く(多分尾道かな)という非日常が描写されることもある。
そして、後半に起こったある出来事をきっかけに、夫婦は水汲み桶以外の「あるもの」も運ぶことになる。セリフがなくても演出だけで十分展開って分かるんだな。
妻の悲しみと行動の重さ、前半の水汲みのシーンがあるからこそ効いてくる名シーンだと思ったし、それでも変わらず水汲みは続いていく…という終わり方も良かったです。