適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

青い山脈・續 青い山脈 ★★★★★★★★☆☆

ある片田舎町の駅前。金物商丸十商店の店先に一人の女学生が「母が手元に現金がないからこれを町へ持って行って学用品を買いなさいって...」
と小さく海光女学校五年生寺沢新子と書かれたリュックの米をつき出した。


青い山脈』といえば、昭和の名曲としてのイメージが強く、自分にとって少し思い入れがある曲でもあります。
…というのも、学生時代に音楽サークルで年配の方向けのレパートリーとして演奏していたから。その時初めて知ったのですが、良い曲ですよね。
使用された元の映画の方もいつかは観たいな、と思っているうちに令和になっていたので、今回ようやく。前後編合わせて3時間あったからめっちゃ長かった…。


「年頃の男女が恋愛関係になる」とかいう、現代の価値観なら何の問題もないようなことを巡って、町内会を巡る大問題に発展していく…というストーリー。
これが公開されたのが1949年、つまり戦後4年であることを考えると、戦後日本の価値観の転換を促した、という側面が強く、実際プロパガンダ臭はありましたね。
因習を否定して自由な学校生活を推進しようとするところとか、暴力での解決を良しとせず、非暴力を説こうとするところとか。戦中の国策映画よりはマシだけど。


後半、理事会で窮地に陥った島崎先生と沼田先生を救った芸者のシーンが興味深かったですね。古い価値観では、男が強く、女が弱いように見えても、あくまで建前の話。
男たちの弱みなんて、芸者の私はしっかり握っているんですよ、と。そうして二人を助けた上で、また「古い」関係性である芸者は身を引き、二人の関係が進展する。
そういえば、沼田先生の「女は原子爆弾みたいなものか」みたいなセリフには驚きましたね。当時はこういう表現でも大丈夫だったのか。今は絶対無理だと思うけど。


それにしても、「東京から来た新進気鋭の女教師」って設定、いかにも原節子にぴったり、って感じでしたね。着ている服のセンスから他の登場人物と違うしな…。
あと、これも当時の価値観では問題視されなかったんだろうけど、新子と六助が海に行くシーン、杉葉子の乳首が透けてるのがめっちゃ気になる。そらからかわれるわ。