適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

青春残酷物語 ★★★★★★★★☆☆

女子高生の真琴と陽子は、街へ遊びにでた帰りには、車を持つ男たちに誘いをかけて家まで送らせていた。
しかし、この日、真琴は外車に乗る中年男にホテルへ連れ込まれそうになった。
そこへ大学生/清が現われ、中年男を殴り倒し、真琴を助けた。それから、真琴と清の関係が始まる…。


大島渚監督作品を観たことがなかったのでとりあえず1作。「松竹ヌーヴェルヴァーグ」のきっかけらしい。反権威、って言われてもあまりピンとはこないけど。
少し時代が下った『八月の濡れた砂』に比べると、こちらのほうが若者のやるせない心情の発露は感じられたかな。
1960年の安保改定と同年公開であるこの作品を通して、学生運動に対する諦めというか、結局社会に反抗しながらも別れなければならなかったカップルを描く。
そして、主人公たちはそんなやつらみたいにはならない、と息巻くわけですが、結果は…。社会への反抗が美人局なの?というのは思うけどひとまず置いておこう。


前半は結構退屈な映画だな、という印象でしたが、後半には勢いがあり、当時の若者の挫折・やるせなさが現在でも読み取れたので、尻上がりに面白くなったかな。
リアルタイムに観ていないために、作品の背景知識を少し入れてからでないと納得しづらいところがあるので、社会派映画、ということになるのだろうか。