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明朗・潑溂・無邪気なブログ

木下麦監督講演会

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先日観た『オッドタクシー』が面白かったので、参加することに。無料で監督の講演が聴けるなんて、いい時代になったものですね。

kaitopoketto.hatenablog.com

アニメの感想も置いとこ。といってもこれ更新したのも数日前ですけど。


監督が登場して話し始めた時の第一印象は、まず見た目が若い。最初の自己紹介で知ったんですが、なんと同い年でした。同い年でこんな面白い作品を作れるというすごさ。
多摩美大時代の自主制作アニメとか卒業制作をまず観ていったんですが、既に個性的でした。アメリカのカートゥーンを意識したような絵柄。
卒業制作で「閉鎖的な環境からの打破」をテーマにしていて、初監督作品である今作でも似たテーマを扱えたのは運が良かった、と仰ってましたが、その辺が拘りなのかな。


企画3年でそこから放送までに更に3年。その道程を順を追って解説していただいたのですが、最初は日常系アニメの予定だったけど此元さんと組んで今の作風になった、と。
キャラ原案も、原型は結構動物っぽさが残ってて面白かった。二階堂は当初女スパイみたいなスレンダーさだったし、白川さんは野暮ったかったし、山本は山本のままだった。
芸人の起用でああいう独特の間になったのかな、と思っていたけど、プレスコだったから演技に合わせられた、というのも大きいみたい。長い制作期間だからこそだなあ。


面白かったオーディオドラマ、幸せのボールペンの設定は途中からで、他メディアでも展開させたいというプロデューサーの意見だった、というのもなるほど。
1クールにするためにカットした没案なんかも入れ込めたらしいし、作品理解の手助けにもなるのですごく良いアイデアですよね。


次はもっとダーティーなクライムサスペンスがやりたい、と仰ってたけど、オッドタクシー以上となると、地上波では色々厳しそう。映画のほうが可能性あるかな?
影響を受けた映画監督にコーエン兄弟、スコセッシ、コッポラ、タランティーノ、リドリースコットとか挙げてたのはすごい納得感あったなあ。今敏監督もあったし。
監督が一番好きなシーンは最後に真犯人が野放しになってるところで、『羊たちの沈黙』のラストっぽくてお気に入りらしい。言われてみれば確かにそうですね。


40分以上質問コーナーもあって、とても有意義なWeb講演会でした。企画者の皆様と木下監督に感謝。
監督が一番のお気に入りだと仰ってた映画、とりあえず観てみようかな。まずは評価の高い名作をあたるのが精神的に満たされるための近道。