わたし、夏海まなつ!ある日、雪の王国・シャンティアから素敵な招待状が届いたんだ!
新しく女王になるシャロンのお祝いの式が開かれるんだって!みんなでキラキラに輝く雪の世界へ出発♪うわぁ〜、トロピカってる〜!
人魚の国の女王を目指しているローラは、シャロンと仲良くなってきれいな指輪をプレゼントされたの。
そして、ある“約束”をしたんだけど...突然、謎の怪物が現れてみんなを王国に閉じ込めちゃった...!!大ピンチ!と思ったら「ハートキャッチプリキュア!」のみんなが駆けつけてくれて、わたしたちのやる気もパワーアップ!
さらに、みんなの想いが重なったとき指輪が<スノーハートクルリング>に変身して...!?
さぁ行くよ!凍った世界をトロピカらせちゃおー!
平日休みに朝一番で役所手続きを済ませて、次の電車が来るまで2時間弱くらいをどう潰そう…と思って調べていたら、丁度良い時間に上映していたので観に行ってきました。
『トロプリ』、色々な事情で数年ぶりに毎週追っている『プリキュア』シリーズなので、機会があれば映画も観ておきたいと思っていたものの、なかなかタイミングがなく。
既に本編のオープニングもコラボ仕様から戻っているし、上映終了間際なのかな。普通に1日に1回しか上映なかったし、客も自分しかいなかったので気楽でした。
前に『スタプリ』の映画を観た時は映画館でマジ泣きしてしまったので、今回もしそうなっても誰もいなければ大丈夫かな、と。アレはマジで色々な意味でヤバかった。
入場特典のスノーハートクルリングが普通に貰えてしまったので、「自分みたいな客層に渡して大丈夫なの…?」と心配したけど、幸い(?)振って応援することはなく。コロナ禍だからか。
あらすじは公式の引用の通りで、シャンティア王国にまなつ達が招待され、怪物と戦って…という、まあこの手の1時間尺の映画にありがちな展開。
…と、このあらすじだけ見るとそうなのですが、シャンティア王国、実は結構悲しい設定で、これ女児が理解できるのか…?と思いながら観てました。
設定が設定だけに、終わり方も単純なハッピーエンドではなかったし。「想い出が心に生き続ければ永遠」というのは綺麗な落とし所ではあるけど、ちょっと難しいよね。
シャンティア王国の思い出の継承と、先輩プリキュアからの継承、あたりも上手くテーマとして掛かっているのかな?とも少し思ったけど、まあ若干深読みかも。
良かった点としては、きっちり『ハトプリ』の面々とのコラボが実現していた点かな。えりかとローラの好相性が光っていた…というか、えりかが大人すぎたな。カッコ良かった。
「こころの花」や、スノードロップの花言葉「希望」が上手くストーリーに絡んでいて、結構上手いな、と。出すだけに終わるコラボって珍しくないですからね…。
あとは、大画面で変身バンクがフル尺で観られたところもかな?流石に9人分は長かったので、ちょっと賛否両論かもしれないけど、自分はこれもお約束かなー、と。
そして、本編の良さに通じるところでもありますが、ローラの成長。もう今回、完全に主人公やん…。傷つくローラを支えるまなつ、という構図も良かったですが。
書き忘れてたけど、置物ことくるるんがしっかり活躍してましたね。宮殿の泉で泳いでるだけで終わるとかでも面白かったけど、流石にないか。
逆に気になったのは、まず、このオチでまとめるなら、シャンティア王国の魅力についてもっと描写しないと説得力が出ないのに、その尺が物理的になかった、という点。
これは「コラボ映画が故に、他作品のプリキュアにも尺を割かねばならない」という事情の裏返しなので仕方ないんでしょうけど、ちょっとテーマ先行に思えてしまいましたね。
あと、ラストの歌のシーン。ぶっちゃけ、手抜きだよね…。クライマックスなのにそこ省エネなんかい、と。コロナ禍じゃなかったら子供も一緒に歌えたのだろうか。
普段何気なく日曜の朝に聴いていたエンディングにこんな意味が!という感動は結構あったんですが、付随する映像がそこに追いついていなかった感があったかな。
まとめると「テーマは悪くないしコラボも上手くできていたけど、子供向けアニメ映画の尺には物理的に収まらない厳しさが垣間見えた」というところでしょうか。
もちろん、一番厳しいのは「女児向け映画を平日に1人で観て長文で感想を書き連ねているアラサー異常男性である」という事実は疑いようがないのですが。誰が人生雪の王国やねん。