話数単位で選ぶ、2021年TVアニメ10選

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ルール
・2021年1月1日～12月31日までに放送されたTVアニメ（再放送を除く）から選定。
・１作品につき上限１話。
・順位は付けない。
・集計対象は2021年中に公開されたものとします。

「この世の理はすなわち速さ」だし、「遅いことなら誰でもできる」ってアニメで学んだので、締切に間に合わせるべく突貫工事したら、クリスマスイブの更新になってしまった。
かれこれ７回目ですが、今年も昨年と同じところで集計されるようですね。毎年、年末年始に記事を見て回るのを楽しみにしています。ありがたいことです。
例年通り、できるだけ放送順に並べているつもりですが、基本配信でしか観ないので、細かい放送日の前後はあるかもしれません。まあ、さほど重要なことではないでしょう。

１．『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』　第２話　譲れないから！

© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会

2021年を代表するＴＶアニメを挙げるなら、『ウマ娘Season２』は最有力候補の１つではないかと思います。今年、『ウマ娘』というコンテンツ全体の勢いがすごかったですよね。
他のエピソードと迷いましたが、当時観ていて度肝を抜かれた２話に。全く史実を知らなかっただけに、努力と友情の力で見事復活！みたいなエピソードだと思っていたので驚きました。
トウカイテイオーというドラマ性の塊のようなウマ娘の魅力と、受難の始まりが１話に詰まった珠玉のエピソードだったと思います。上げて落とす展開がニクい。

２．『のんのんびより のんすとっぷ』　第10話　寒くなったりあったかくなったりした

©2021 あっと・KADOKAWA刊/旭丘分校管理組合三期

10話は３部構成。前半、お年玉をせしめようとして逆に渡す羽目になるひか姉と、中盤、吹雪の中シュールコントに付き合わされるひか姉も大好きなのですが、やはり最後のパートかな。
ほのかと別れ、青空を見上げ「今度はちゃんと、さよなら言えたのん」と呟くれんげ。「今度は」というのは、１期４話で急に帰省してしまったほのかに、さよならが言えなかったことに対して。
この「言えなかったさよなら」の大きさは、劇場版『のんのんびより ばけーしょん』で、あおいに別れを告げずに沖縄から去ろうとした夏海をれんげが呼び止めるシーンにも表れていましたね。
そんなわけで、３期＋劇場版を通して、れんげの成長を感じさせてくれたこのエピソードがとても好きです。…正直言うと、３割くらいはひか姉が好きなのも入ってますが。
『のんのんびより』、正直１期と２期の時点ではそこまでピンと来ていなかったので、劇場版辺りから若干作風が変わったような印象。…単に、自分のアンテナが低かっただけかも。

３．『スーパーカブ』　第１話　ないないの女の子

©Tone Koken,hiro/ベアモータース

例年、この企画では安易にクライマックスにあたる終盤の話数を選びがちなのですが、今作は１話が一番印象的だったのでこれを。
冒頭、小熊が目覚ましを止めると同時に止まった劇伴が、カブに乗った瞬間にまた始まるのが好きです。見える世界の景色が変わった様子の描写が上手い。
この時点では随分叙情的な作品だな…と思っていたところ、話が進むにつれ、小熊のカブへの思い入れが予想外の方向に加速していったのも印象的。

４．『オッドタクシー』　第４話　田中革命

©P.I.C.S. /小戸川交通パートナーズ

全てのエピソードが面白くて選ぶのに困るタイプの作品なのですが、あえて一話選ぶとしたら、他とは毛色の違うこのエピソードかな、と。
急に今までの本筋には出てこなかったキャラクターの生い立ちが語られていく様子には、最初「あれ、１話飛ばしたかな？」と思って確認してしまったのを覚えています。
わらしべ長者のごとく、出会いの相互反応があり得ない奇跡を生んでいく今作において、悪い方向に噛み合ったら、こんな人生もあったのかも…と思わせてくれる卑近なエピソードがリアル。

５．『ミュークルドリーミー みっくす！』　第15話　大そうじでピカピカハッピー！

©2021 SANRIO CO.,LTD.　ミュークルドリーミー みっくす製作委員会・テレビ東京

スポンサーが変わったからか、今年に入ってから、そこはかとなく低予算臭がする『ミュークル』。そんな中で、スポンサーの商品を作中にねじ込んできたのが印象的なこのエピソード。
ゆめ達が母校の小学校の大掃除のお手伝いに行き、そこで子供の頃のことを思い出す朝陽。ゆにが暴走させた学校の汚れはミュークルレインボーでも落ちず、ピンチの時に表れたのがこいつ。
名乗りシーンはかき消され、クレジットでは「げくん」表記。足音まで「あの」スポンジでこすっているような音がする、謎のゲストキャラの活躍により、見事学校は綺麗になったのだった。
更に面白いのは、次週からＡパートとＢパートの間に「激落ちくん」のＣＭが流れるようになったことですね。でも最近「今年の汚れ、今年のうちに♪」とか言い出したし、来年はまさか…。
げくんのインパクトに押されがちだけど、ゆめと朝陽の貴重な過去回想シーンもあって、濃いエピソードだったと思います。正直、ただの思春期男子と化したアッキーでは勝負になっていない。
最近実写や総集編が多くて辛いけど、昨年の「まいらマイラブ♡」みたいな名エピソードをまた観たい。悪い大人としては、予測不能の爆弾女・森ちゃんにもう一波乱起こしてほしいですね。

６．『灼熱カバディ』　第７話　ＳＴＲＵＧＧＬＥ

©2020武蔵野創・小学館／灼熱カバディ製作委員会

ＶＳ奏和戦のクライマックス。宵越が前半で高谷にやられた技を盗んでコートから追い出す前半パート、圧倒的な才能の差ゆえ、六弦に認識すらされていなかった井浦が一矢報いる後半パート。
才能溢れる奏和の面々に、サブタイトル通り「ＳＴＲＵＧＧＬＥ」、泥臭くもがく能京のみんなの思いが、一瞬だけ結実する。幕切れまで含めても本当に秀逸な試合展開でした。
個人的には、今年観たアニメの中で、これが一番アツいエピソードだったと思います。公式戦ですらない、ただの練習試合でこれだけ楽しめるとは。名作に巡り会えてよかった。

７．『かげきしょうじょ！！』　第８話　薫の夏

© 斉木久美子・白泉社／「かげきしょうじょ!!」製作委員会

本筋と直接関係のない、キャラクターの過去を掘り下げるエピソードが好き、というオタクあるある。周囲への当たりの強さ、自他への厳しさの裏に、こんな過去があったとは。
「すっぱい葡萄と甘いレモン」ではないですが、手に入らないからと諦めることも、現状を過大評価することも簡単だけど、自分の本心って何だろう。そんなことを考えさせられました。
８話以外だと、彩ちゃん周りのエピソードとか、印象的なエピソードは多かったですね。キモオタさんもいいやつだったしな…。でも、こんなエピソード見せられたら薫が好きになるしかない。

８．『ラブライブ！スーパースター!!』　第10話　チェケラッ!!

©2021 プロジェクトラブライブ！スーパースター!!

センターになりたい。でも、みんなの足は引っ張りたくない。普段は「ショウビジネスの世界では～」とうそぶきながら、いざチャンスが来ると、染み付いた負け癖から二の足を踏む。
平安名すみれ、何という愛すべきキャラクターだろうか…。前週にサブタイトルを見た時は、「来週はネタ回かな？」と思っていたところ、思わぬ不意打ちを喰らいました。
誰しも、自己評価と他人からの評価のズレがあり、認めてもらいたい、と思ったことが認められない反面、逆に、自分が認識していなかった才能が評価されることもある、と。
かのんや可可も、みんな苦手なことや負い目があって、それを補い合ってパフォーマンスしている。Liella!は良いユニットだと思います。あと、翻訳アプリを用意していた周到さも好き。

９．『トロピカル～ジュ！プリキュア』　第33話　Viva！10本立てDEトロピカれ！

©ABC-A 東映アニメーション

ちらほら佳作エピソードはあったけど、１話選ぶならやっぱり33話ではなかろうか。寝起きに観ていて「夢でも見てるのか…？」と自分を疑ってしまいました。
ジュゲムジュゲムゴコーノスリキーレウルティメイト・マリンスプラッシュ・メガウェーブドラゴントロピカルマンゴーキウイリンボーダンスドンドコドンドコクラッシュナイアガラシャワーフライングフェニックス大盛り特盛り激辛百倍替え玉無料背脂マシマシビューティー伝説パッシングショットローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメールグランオーシャンいちの可愛くて美人で知的なクイーン・オブ・クイーン・バブルボンバーフローラルピンク＆パープルシャドウ秋の新作コスメティックポンポコピーのポンポコパンチくるるんくるるんくるるんるーんシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのランドビートダイナミック。文字に起こしてみると意味不明すぎるけど、よく見たら最後もちゃんと寿限無になってたな。年明けまで無料配信してるので是非。
極めつけに、次回予告で謎のムキムキくるるんが出てきたのもインパクト大でした。でも、この次の「夢は無限大！大人になったら何になる？」も名エピソードだったんですよね。

10．『無職転生 ～異世界行ったら本気だす～』　第16話　親子げんか

©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

17話の「再会」と合わせて１エピソード、みたいなところがあるので迷ったのですが、衝撃を受けたのが前編だったので、選出は一応16話、ということで。
今までルーデウス視点でエリス、ルイジェルドと必死の思いで死線を超えてきたと思っていたら、パウロには呑気な冒険扱いされ、母親と妹も行方不明だと告げられる。
ある程度ハードでこそあれ、結局は気楽な異世界転生モノの類なんだろう、と高をくくって視聴していた自分にとっては完全な不意打ちで、その後の和解を含め、作品の印象自体が変わりました。
前世の失敗があるからこそ、今回は歩み寄れる。ともすれば転生前の人格が蔑ろにされやすい（個人の印象です）転生モノの中で、深みのあるエピソードだったと思います。

次点（入れるか迷ったエピソード）

・『ゆるキャン△ SEASON2』　第３話　たなぼたキャンプと改めて思ったこと　（美味しそうなうなぎ、綾乃ちゃんの距離感）
・『俺だけ入れる隠しダンジョン』　第５話　ハーレムの行く末　（「冷ましてる！冷めたパンなのに！？」）
・『ゾンビランドサガ リベンジ』　第２話　ぶっ壊れかけのレディオ SAGA　（２号推し。世代の移ろいを描くテーマも好き）
・『Sonny Boy』　第４話　偉大なるモンキー・ベースボール　（猿野球の謎）
・『ぼくたちのリメイク』　第５話　自分の思いを打ちあけて　（『God knows…』が直撃したハルヒ世代）
・『不滅のあなたへ』　第12話　目覚め　（グーグーとリーンの悲恋の結末）
・『月とライカと吸血鬼』　第７話　リコリスの料理ショー　（個人的には最終話よりこっち）

総括

冬クール２作、春クール２作、夏クール３作、秋クール３作。今年は比較的時期がバラけたような気もする。視聴意欲がやや低めながら一定していて、視聴数が一定していたから？
秋クールは独占配信に気になる作品が多く、観られていないものがいくつかあるので、後日面白そうなら後追いも検討しようかな。自分のキャパシティを考えると、コスパの悪さが…。
毎年のことですが、好きなエピソードが多すぎて１つに絞れない作品があるのがこの企画の難しいところ。『ヒロアカ』だけで５話くらい選べそうだったので、泣く泣く断念しました。
今回は視聴当時に話数をメモしただけだったので、来年書くことがあれば都度下書きをしていきたい…けど、結局やらずにまた年末を迎えそうな気もします。気持ちだけ。

さて、皆様におかれましても、良いクリスマスと年末をお過ごしください。そして、2022年も面白い作品に巡り会えますように。流石にタイバニ２は観たいし、ネトフリ再契約かな…。