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明朗・潑溂・無邪気なブログ

ガス燈 ★★★★★★★★★☆

19世紀末、霧深いロンドン。歌手の叔母が殺され、その財産を相続したポーラはイタリアで音楽家のグレゴリーと恋におち結婚。
彼の望みで叔母の邸宅に住むが、次第に身辺に奇妙なことが起こり始め発狂寸前まで追い詰められる。

アマプラを開いたらトップページに出てきたのでなんとなく視聴。『ガス燈』といえば『追想』。…まあ、バーグマン出演作品は『カサブランカ』しか観たことないけど。


割と色々な作品の元になったであろう古典なのに、あらすじを知らなかったおかげで存外楽しめました。サスペンスでオチ知ってたら絶対楽しめなかったし、無知でよかった。
序盤は「ガス燈」って、なんでこれがタイトルなんだ…?と思っていたけど、観終わって納得。不安を煽っていき、何が真実か分からなくなっていく描写が上手い。80年近く前の作品とは…。
イングリッド・バーグマンの美しさは錯乱している時のほうが強調されていたような。まあ、この演技なら主演女優賞だよなあ。『レインマン』のダスティン・ホフマンみたいな?


にしても、最初に怒鳴ってから優しく歩み寄りを見せるの、現代では典型的DVモラハラ男のやり口なのが面白い。80年前から人心掌握のメソッドって変わってないんだな。
リアルだからこそサスペンスとして面白いけど、過去に似た経験がある人が観たらトラウマがフラッシュバックするのではなかろうか。その分ラストはスカッとジャパンでしたが。


ふと思い出したのですが、心理的虐待のことを英語で「ガスライティング」って言うんですよね。大学の授業で習ったような記憶がうすぼんやりとあるのですが、元ネタがこれなら納得。
サスペンスを普段全く観ないから新鮮だったというのはあるけど、それ抜きでも十分面白いので、名作ですね。全然観たことないけど、ヒッチコックとかも観てみようかな?