適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

ザ・マジックアワー ★★★★★★★★★☆

買い溜めしていたお米がなくなったので、高いお米って実際どうなんだろう?と思い、普段より5割くらい高いブランド米を買ってみたんですが、流石に美味しいですね。コメくいてー。
ただ、独居だと一日に1~2杯しか食べないから、どんどん品質劣化してしまうんだよなー。かといって何杯も食べるのも炭水化物過多になりそうだし悩ましい。朝はパンだし。

港町・守加護(すかご)。街を牛耳るギャングのボス・天塩の愛人・マリに手を出してしまった手下のホテル支配人・備後。
はたして天塩に捕まり絶体絶命となってしまう。助かる唯一の条件として天塩が示したのは、5日以内に幻の殺し屋“デラ富樫”を連れてくること。
条件を飲んだ備後だったが、そう簡単に見つかるわけもなく、最後の非常手段としてニセモノを用意することに。
そこで備後は、映画監督になりすまして無名の俳優・村田大樹を雇うと、映画の撮影と称して彼に殺し屋“デラ富樫”を演じさせ、天塩の前に差し出すのだったが…。


さて、三谷幸喜監督作品の4作目。薄々感じてはいたのですが、勘違いが勘違いを呼んで予測不能な展開になる、という筋立てはどの作品でも同じですね。ある意味小津作品的な様式美。
その上で、今まで観た3作と比べて今作が一番楽しめました。似たような内容なのに何故だろう、と少し考えたのですが、一番大きいのはおそらく、不快な登場人物が出てこない点かな。
他の作品も、最後は一応ハッピーエンドになるものの、それまでのヘイトに見合う感動があったかは結構疑問で、得られるカタルシスと釣り合っていなかったように思います。


今作も、コメディなので本筋そのものは割とどうでもよく、また主人公の備後もあまり魅力のあるキャラクターではないのですが、佐藤浩市演じる村田大樹がとにかく良かった。
魅力的な人柄もさることながら、クドい演技がギャグにもなっていて面白い。紆余曲折あって、ラッシュのフィルムを偶然観ることになって涙するシーンは好きですね。
それにしても、今作は展開が無茶苦茶というか、今までで一番ありえなかったな。ありえなさすぎると逆に笑えてくるので、個人的にはコメディはこれくらいの味付けが好みです。


三谷作品、舞台裏を描くのに拘りがあるのは理解できるけど、視聴者としては、裏での苦労それ自体が、作品の出来へのエクスキューズにはなってほしくない、という甘い願望もあり。
なので、感動要素は今作みたいに「下積みが報われる瞬間」くらいカジュアルな方が、コメディのノイズにもならないのかな、と。コメディ要員としては前作に引き続き西田敏行が面白すぎた。