適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

銃・病原菌・鉄(上巻)

五つの大陸でなぜ人は異なる発展をとげたのか。世界の富と力ははぜ現在のように偏在するようになったのか。
人類の歴史を動かしてきたものを、歴史学や考古学のみならず、分子生物学、進化生物学から地理学、文化人類学言語学、宗教学等
多様な学問領域の最新の知見を縦横に駆使することで明らかにする。まったく新しい人類史像が立ち上がってくる知的興奮の書。
ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞のほか、朝日新聞による「ゼロ年代の50冊」の第1位に選ばれている。


最近歴史がマイブームなので、その系統の読み物で面白そうなものを、と思ってこれを。数年前に学生時代の友人が話題にしていたのを思い出したのもありますが。
アフリカ大陸で生まれた人類が、なぜ大陸ごとに異なる発展を遂げ、ユーラシア大陸の人類が文明をリードしてきたのか、という人類史の謎について、著者の論が展開されていく。
犬や牛や馬は家畜化されたのに、アフリカでは何故シマウマが家畜化されなかったのか、とか、農作物の伝播の速度が地方で異なるのは何故か、とか、面白い話が多かったです。


ただ、まだ上巻なのですが、上下巻で800ページ(上巻だけで400ページ)あるため、割とボリュームがある上、スラスラ読める本でもないので、結構読むのに時間がかかってしまった。
文体も良く言えば丁寧、悪く言えば冗長といった感じで、長い章は疲れて途中で寝てしまうことも…いや、これは自分が寝る前とか休日の昼過ぎとかに布団の中で読んでるからですね(


論拠が弱いとか単純化しすぎているとか、学術的には色々批判があるらしいのですが、それでも一つの仮説としてはかなりキャッチーだし、読みものとして面白いのは確か。
割とタイトルに関する論については上巻で説明されてしまった気もするので、下巻は大陸ごとの各論を掘るのかな?まだ時間かかりそうですが、少しずつ読み進めていきたい。



思い出話になるのですが、この本を読んでいて、高校生当時、自分が愛用していたこの世界史の参考書を思い出しました。
学校での歴史の勉強って、どうしても「フランス革命史」「古代中国史」みたいに一地域のことを経年で教えて学ぶことになるので、同年代の他地域との関連性が実感しづらい。
例えばタラス河畔の戦いとか、東西文明の交わりを教えることもあるにはあるけど少ないですよね。この参考書は同時代の東西文明について関連付けて覚えられるので重宝したなあ。