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明朗・潑溂・無邪気なブログ

代表的日本人

内村鑑三は、「代表的日本人」として西郷隆盛上杉鷹山二宮尊徳中江藤樹日蓮の五人をあげ、その生涯を叙述する。
日清戦争の始まった一八九四年に書かれた本書は岡倉天心茶の本』、新渡戸稲造『武士道』と共に、日本人が英語で日本の文化・思想を西欧社会に紹介した代表的な著作である。

月前半が終わって、月末まで暇なので久しぶりに読書。やることなさすぎてこの1週間ダラダラ過ごしてしまったし、適度に何かやることを設定したほうがいいかも。
読みやすい新訳が出てたらしいけど、図書館で借りてきたのは原著だったので死ぬほど読みにくかった。頻出する「當」「體」「點」とか、クイズやってなかったら読めなかったかも(


というわけで、文系多答でおなじみの(?)代表的日本人。5人の共通点としては「徳」が挙げられるのではないでしょうか(日蓮はちょっとベクトルが違うかもしれませんが)。
西郷の無欲で利他的な思想、現代では時代遅れかと思いきや、少し前に話題になったアダム・グラントの『GIVE&TAKE』で似たような結論が導かれているのが面白いですね。


上杉鷹山は人材育成と100年先を見据えた政治を行ったし、二宮尊徳は…この本を読んで初めて何をした人か知ったけど( 徳の力で荒れた農村を再興させたと。
中江藤樹も「徳」がベースなのは変わりませんが、何よりも「謙譲」を尊んだという点が印象に残りました。これ、実際意識するとなかなか難しいんですよね…。


日蓮は正しい教えが廃れていることへの危機感からあれだけ排他的になったのか、と、小学生の頃から深く考えずに暗記していた知識と繋がったのは少し気持ちよかったです。
できる範囲で利他的に、そして驕らないこと。古くて読みにくい本ではあったけど(石直球)、エッセンスは感じ取れたように思います。心の片隅に留めておきたいですね。