本作でルワンダのマウンテンゴリラの研究に専心した世界的に有名な霊長類学者ダイアン・フォッシーを演じたシガニー・ウィーバーは、
その卓越した演技でアカデミー賞にノミネートされた。マイケル・アプテッド監督は彼女の悲しくも感動的な後半生を美しく描き上げた。
非凡で勇敢だったフォッシーの信念と情熱が、何者かによって殺されるという悲劇的で謎めいた死を招いたのかもしれない。
ふと目に留まったので観てみることに。ルイス・リーキーの公演から始まり、コンゴでイギリス人と間違われて「アメリカ人よ!」と言う辺りで、「あ、理連のやつやん」と。
ゴリラを研究するうちに動物愛護に目覚め、密猟者と対立するようになる…と、こう書けばナショジオ的な感動エピソードかな?と思うのですが、実際はそうではない。
ゴリラを狩るアフリカの現地人にも生活があり、「動物愛護」の錦の御旗を掲げていれば何をしてもいい、とでも言わんばかりにどんどん独裁者と化していくフォッシーが怖かった。
墓を踏み荒らす、密猟者のキャンプ地に火を放つ、見せしめに首吊り刑の真似をする…。どんどん狂っていく彼女を演じたシガニー・ウィーバーに脱帽。
実際にゴリラの群れに入って撮影をしたらしく、かなりリアリティがありましたね。ボスゴリラは特殊メイクらしいけど、正直本物と偽物の区別が全くつかなかった。
そして、サスペンスみたいな終わり方をして驚いたけど、これほとんど実話だったと知ってさらに驚き。こんな波乱万丈の半生を送った人を題材にした映画が面白くないわけないわな。