適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

かがみの孤城 ★★★★★★★★★☆

姪と遊んでたら年末なんてあっという間に過ぎていく。ここ半年で急に言葉が喋れるようになってるし、子供の成長って本当に早いですね。


学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。
ある日突然部屋の鏡が光り出し、
吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。
さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、
「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。
期限は約1年間。
戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。
互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。
そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う――――
果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?
それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
全ての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける―


友人から以前に勧められていた本が映画化したということで、ちょうど年末休みで時間もあるし、と観に行ってきました。
ショッピングモールの映画館、予想以上に混んでたなあ。横の小さい子がぐずって母親が連れ出してたけど、これ子供にはキツいだろ…。


冒頭から割とテンポの良い展開で異世界に招かれ、「デスゲームでも始まるのかな?」と思ったけどそういう話ではなかった。
主人公の女の子は不登校なのか、とか最初は軽い気持ちで観ていたけど、いじめの描写が結構キツくてインパクト強かったです。
急に「死ね!」で音量上げる演出で言葉のナイフがグサッときたし、家に押し掛けるシーンとか完全にホラーだろ。絶対トラウマになるし学校行けないよな。
そういえば、作中で「いじめ」っていう単語が出てこないように思ったけど気のせいかな。何か意図があったのかもしれませんけど。


一番刺さるであろうジュブナイル期はとっくに過ぎていますが、それでも、学校社会独特の閉塞感の描写が上手く、当時を思い出して色々思うところがありました。
年を重ねた今なら、東条さんの考え方は自分と近いなとは思うものの、こころくらいの年だと、あそこまで達観するのは難しいですよね。
ちょっとハッとさせられたのは、ウレシノがキレるシーンかな。疎外された人の集まりの中でさえ、また人を疎外することで仲良くなるんだよな。あるあるだよな…。
なんにせよ、こういうテーマの作品を観るたびに、社会不適合系陰キャとしては、中高一貫校でいじめと無縁の学生生活を送らせてもらえたことに感謝の念がわいてくる。


ストーリーのギミックにはあまり頓着せずに観ていたので、「そういうことだったのかー」と関心はしたけど、多分この辺は原作で読んだ方が楽しめたのかも。
でも、先生の正体にはちょっと驚いたかも。よく考えたら記憶が消えたり消えてなかったりするのはなんで?とか疑問はあるけど、別に整合性を突き詰める意味もないか。
ただ、整合性以前の話だと、アキだけ抱えていた問題の闇が深すぎて、映画観ただけでは戻れてよかったね、とはならなかったな。あのシーンもショッキングだったし。


ストーリーは文句なく面白かった半面、作画は凡かな、という印象で、どうせ1年の話なら1クールのテレビアニメでも良かったような気もしました。
まあ、トラウマシーンの数々が見所ではあるので、結局映画館で集中して観られた方がよかったのかな。スラムダンクの映画の後に観たから比べてしまうのかも。


この休みは特に出かける予定もないので、折角なら、と帰りに本屋で原作も買ってきました。文字も大きいし、正月休みが終わるまでにはスラスラ読み終わりそう。